森里海の色
柿木村の一輪挿し「ネジバナ」

もじばな
一寸前までは土手のそこかしこに咲いていたネジバナも最近あまり見かけなくなったように感じるのは僕だけだろうか。
子どもの頃、細い茎に薄桃色の小さな花が螺旋を巻いている様は砂糖菓子のように見えた。

人には利き腕が右利きと左利きがおり、つむじが右巻きと左巻きのがいる。
そのことが個性を表したりする。
左利きは器用な人が多く、つむじが左巻きの子はヤンチャ坊主だったりと。
(僕は頭のてっぺんと額の生え際に計二個のつむじがあった。てっぺんは左巻き、そして額は右巻き。)

ネジバナにも右巻きと左巻きがあるのらしい。
花にも人と同じように個性があるのだろうか。

ネジバナの好きな人がいた。
素直だったり、時として拗ねたり、
妙にガンコだったり……。

僕はその人に翻弄され続けていたような気がしないでもない。  

ネジバナの薄桃色の花を眺めていたらそんなつまらないことを思い出した。