森里海の色
四季の鳥「オオソリハシシギ」

シギの過酷な渡り

人の喧噪がようやくおさまった秋の海岸に、シギを見たくなり行きました。潮の引いた干潟にいたのはオオソリハシシギ。春と秋口に日本の干潟に寄ってくれる全長40センチほどの旅鳥です。大きなピンク色のクチバシがやや上に反っているのが特徴で、クチバシを砂地に刺したり、水中で左右に動かして小さなカニやゴカイなどをさかんに食べます。

オオソリハシシギ

私がバードウォッチングをするようになってまもなくの頃、朝日新聞にオオソリハシシギについてビックリする記事が掲載されたことがありました。アラスカで繁殖したオオソリハシシギがニュージーランドまで1万キロ以上をノンストップで8日間で渡ったという記事でした。オオソリハシシギの体重を図鑑で調べてみると、200グラム前後から450グラム前後と書かれています。この体重の差は渡りの前後のエネルギーの消耗を示しているのでしょう。オオソリハシシギの過酷な渡りでは脂肪だけでなく筋肉や内臓をつくっているタンパク質までエネルギーとして使ってしまいます。シギたちにとってかけがえのない栄養供給基地である日本の干潟が、いつまでも守られることを祈らずにはいられません。