びおの珠玉記事

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ハゼを釣って食べる。

浜名湖

浜名湖

今回のテーマは「ハゼ」。

海のあるところなら、北海道から鹿児島までの各地で釣れ、釣りの入門魚として、またファミリーフィッシングの対象として有名なハゼですが、市場の流通量は多くなく、高級料亭が買い占めてしまい、なかなか一般家庭では購入する機会がないかもしれません。
しかし、ハゼのうまさを一度味わってしまうと、それはなかなか忘れがたいもの。
幸い、ハゼは比較的簡単に釣れる魚です。ということで、今回は材料調達からスタート。秋の味覚、ハゼを釣って食べよう!

浜名湖のハゼ

ハゼの仲間は非常に多く、淡水から海水まで、さまざまなところに生息しています。釣りの対象として人気なのは、汽水域のハゼ。つまり、海水と淡水がまざる河口近辺です。

静岡県西部にある浜名湖は、太平洋とつながる汽水湖です。かつては淡水湖だったのが、明応7年(1498年)の大地震で海と湖を隔てていた部分が決壊し、海とつながり汽水湖となりました。
汽水は多様な生物のすみかとなり、浜名湖では700種類以上の魚介類が生息するといわれています。

ハゼは沿岸部からだんだん沖にうつっていくため、シーズンのはじめは陸地から釣れますが、しだいに舟釣りのほうが釣果があがるようになっていきます。
今回は、佐鳴湖とつながる新川の河口に船を出して挑戦しました。


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ベテラン釣り師1人と、ド素人一家3人の釣行です。
浜名湖で素人の釣り体験

ハゼ釣りに挑戦

今回は釣りがはじめての子どももいましたので、竿も餌も、ベテラン釣り師にオマカセ。

釣りの餌赤イソメ

餌の赤イソメ。地方によって呼び名が違うかも?

竿をたらして数分もしないうちに、いきなり魚信(あたり)がありました。

ハゼ釣り

素人でもすぐに釣れました

この後午前中いっぱい釣りを続け、ど素人3人の釣果はおよそ30尾。ハゼ釣りとしてはちょっと物足りない数ですが、一家で全部食べるにはちょうどいい数だったかもしれません。
午後までやればもっとたくさん釣れたのでしょうが、今日はここまで。
浜名湖のハゼ

ハゼを料理する。

家に戻って早速調理です。今回は天ぷらにしました。
ハゼは小型で危険な箇所も特に無いので、魚料理に慣れていない人でも簡単に処理できます。ただし、数が多いと面倒ですが…

ハゼ

まな板の上のハゼ

ハゼの調理開始

背骨を切って頭とはらわたを落とす

小型のハゼは天ぷらにすれば骨まで食べられますが、大型のものはちょっと骨が目立つので、今回は背骨は取り除きました。

ハゼを開く

背骨をはずしました


天ぷらのネタをバットに並べる

刺身でもいける鮮度の魚なので、天ぷらにしてもやっぱり旨い! たくさんあった天ぷらも、あっという間になくなってしまいました。

ハゼは川(海)底の泥に生息し、外見もちょっとグロテスクなので泥臭いイメージがあるかもしれませんが、味は淡白で、見た目よりずっと上品な味です。火を通しすぎない程度にさっと揚げて、塩でいただくのがおすすめ。(今回はちょっと揚げすぎました…)

櫨の天ぷら

ハゼの天ぷら(ちょっと揚げすぎ)

今回は天ぷらで全て食べてしまいましたが、焼き干しにしてダシをとったり、甘露煮にしたり、もちろん鮮度のいいものなら刺身で食べたりと、いろいろな料理が楽しめます。
海がちかくにあるところなら、どこにでもいるといえるハゼ。東海地方ではこれから本格的なシーズンを迎えます。
自分で釣った魚はまた格別です。普段は釣りに縁のない方も、釣りやすいハゼはおすすめです。

生活域の川や海で魚を釣るということ

実は、今回の釣場に選んだ新川河口は、佐鳴湖という湖とつながっています。佐鳴湖は、全国ワースト1に選ばれたこともある水質の悪い湖で、新川も残念ながらきれいといえる川ではありません。
この他にも、人口密集地の川・河口は、見た目や臭いでわかるほど汚いところが多く、そこで釣った魚を食べることに抵抗がある人もいるかもしれません。

幸い、ハゼは食用魚としては食物連鎖の低位にいて、生体濃縮による汚染は少ないといわれています。今回食べたハゼも、そういうことを感じることはありませんでした。

セイゴ

ハゼの外道でかかったセイゴ(スズキの幼魚)。ハゼより汚染の影響が出やすいかも。

とはいえ、実際に釣りに出てみると、決して美しいとはいえない水があることも事実です。自分の生活域で釣りをするということは、そうした事実を理解し、また美しく保ちたい、という気持ちを呼び起こすことにもなると再認識しました。

※リニューアルする前の住まいマガジンびおから再掲載しました。
(2009年09月23日の過去記事より再掲載)