ちいきのたより

Vol.30  春の羽音 
島根県吉賀町柿木村 リンケン

ここは、広島県と山口県の県境に位置する島根県吉賀町よしかちょう柿木村かきのきむら


600年前から続く石垣の棚田や、40年も前から地域ぐるみで行っている有機農業で有名な処です。清流日本一に何度も輝いたことのある一級河川で、ダムの無い有名な高津川たかつがわの源流付近に位置します。

冬には600年前から続く奇祭「満歳楽まんざいらく」で、日本昔話に出てくる様なご飯を食べます。

あと半月もするとここ辺境の地柿木村に似つかわしくない轟音が響き渡ります。

ブォーーーーン!!
バイクの集団ツーリングのような、プロペラ機のエンジン音のような、けたたましい音。

実はこの音は、蜜蜂の羽音なのです。


新たな女王蜂が大群を率いてを新居を探し出すこの季節。
このGWまでの短い期間に何群の入居契約が取れるかが最大のミッションです。

日本ミツバチが巣に入るところ

ところで、市販の日本蜜蜂のハチミツのシェアって・・ご存知ですか?
約93%が中国等からの輸入品、国産蜂蜜の約6%が西洋蜜蜂、日本蜜蜂のシェアに至ってはなんと1%未満!

私は、そんな日本蜜蜂の養蜂に取り組んでいます。

しかし、彼女たちは逃亡癖が凄いんです。
やれ、家の中が暑い、
やれ、スズメバチやクマが来た、
やれ、人間がハチミツ取り過ぎた
etc..
少しでも気に喰わないとすぐに一家(約1.5万匹)であっさり退去してしまうわがままっ娘達。思春期の女子高校生みたいです。

幸い昨年は我が家が気に入ったのか、逃げる事無く無事家賃としてハチミツ約4ℓを頂きました。

生産効率や採蜜方法から見ると圧倒的に西洋蜂の方が楽なのですが、何故そこまでして日本蜜蜂にこだわるのかというと、
「超美味しい」「日本蜜蜂の家がカッコいい」「めちゃくちゃ美味しい」からです。

重箱式のマンションタイプもありますが日本の原風景、柿木村に合うのはやはり丸太をいて屋根を付けただけの蜜洞(丸胴)でしょう。


農家さんが各々漬物石を載せてみたり肥料袋やトタン板で雨を凌いでみたり個性が現れます。今年は手作り蜜洞を10本程度作ったので、自分なりにカッコよくカスタマイズしてみます。
日本ミツバチの巣丸蜜洞を肥料袋とブロックで補強
しかしながら夏は暑さ対策、冬は寒さ対策にも(ミツバチは巣の中で越冬します)なかなか手が掛かります。
是非、蜜洞専用びおソーラーを開発して欲しいものです。

物件探し中の探索蜂がフラッと立ち寄って頂く為に高価なフレグランスを用意し、蜜蝋WAX済みの構造見学会も早々に即入居契約と言う短期決戦。まるで引越しシーズンの目の血走った不動産屋さんみたいになる日がしばらく続きます。
ニホンミツバチの蜜洞タイプの巣
おわり

リンケン田村薫平
ちいきの記者
田村薫平 たむら・くんぺい
島根県の左端 柿木村生まれ。
趣味はランニング、養蜂、農業、お茶、棚田にランドスケープと大忙し。
田舎ならではの百姓のスキルを学び暮らしに役立てて行きたいと考えています。

 

島根県鹿足郡吉賀町柿木村柿木625-3リンケン施工事例
(株)リンケンりんけん
島根県鹿足郡吉賀町柿木村柿木625-3
TEL:0856-79-2535
URL:http://rinken-style.jp

柿木村の工務店リンケンは、OMソーラーをはじめとした環境共生技術をもったエコハウスを高津川流域の木を使い建てているちいさな工務店です。

ちいきのびお参加工務店さん全国図

ちいきのびお