びお・七十二候

霜始降・しもはじめてふる

2008年10月23日 木曜日
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霜始降

秋の早朝に、畑を横目に散歩していると、栽培されている野菜の表面にうっすらと氷の結晶が付着していることに気づきます。霜降です。一瞬、ぶるっと寒さを感じ、秋の深まりを覚えます。虚子の句は、自分がふいと感じたことでもあって、そう思わせるところが、やっぱり巧いですね。

霜は、空から降ってくるというイメージを抱きがちですが、そうではありません。地面や物などの表面が放射冷却によって冷え,その上に空気中の水蒸気が直接、昇華して氷(結晶)ができる状態をいいます。この氷が霜です。霜降といいますが、雪のように霜が空中から降りてくるのではないのです。目に見えない空気中の水蒸気が、氷になるのです。

霜の形を虫めがね(散歩に携行するといい。望遠鏡は怪しまれますが……)で見ると、霜の形は雪の結晶と同じです。しかし、この結晶は長くは持ちません。初秋の白露と同じで、太陽が顔をのぞかせると、霜はすぐに消えてしまいます。

早暁の薄ぼんやりの状態にあって、白い霜は、季節の訪れをいち早く自分だけに知らせてくれたようで、寝坊している奴には味わえないことだと、朝の散歩者は少しばかり悦な気分になれるのです。

散歩者にとって、霜は美しいものですが、霜の降りる日は寒いわけです。それは農作物にとっても同じことで、この時期に、農作物は霜害(そうがい)にしばしば襲われます。

霜が降りるのは気温3℃以下といわれます。0℃で凍るものと思っていたら、これが3℃なのです。気温観測では3℃であっても、地表面の温度は放射冷却によって冷やされていて、地表面の温度は0℃以下となっていることがままあるのです。油断していると、霜にふいと襲われます。殊に、周囲より窪んだ地形や谷底などは、冷気が溜まりやすく霜も降りやすく、このような場所は、霜道や霜穴と呼ばれています。

そういえば、昔、ラジオしかない時代、農事暦が放送で流されていて、霜への注意を喚起されていたことを思い出しました。霜害は一夜にして広い地域に災害をもたらしますので、経済的に大きい打撃となります。農家は、ラジオに耳をそばだてて農事暦を聴いていたのですね。

春の霜害は「晩霜害」、秋の霜害は「初霜害」と言います。農作物を、この霜から守るには、地面に水をまいて湿度を上げ、放射冷却を弱めたり、送風機で風を送り、地表の冷気と高いところにある温度の高い空気を混ぜて、気温の低下を防ぐやり方があります。送風機のやり方は茶畑でやられていて、静岡県の牧の原に行くと、まるで風車畑のように、送風機がぐるぐると回っています。

1971〜2000年の平均では、初霜は、旭川で10月7日前後、東京12月14日前後、大阪11月30日、福岡12月8日頃でした。しかし、このところ遅くなる傾向にあって、1994年〜1995年の東京の初霜は2月11日でした。その分、地球は暖かくなっているのでしょうね。

俳句

参考文献

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  1. たかはしまきこさんからのコメント

    2008/10/24(金)06:02

    俳句は教科書に載っているものくらいしか読んでいないので、「七十二候」を楽しみに読んでいます。
    (あ、私は中学1年のとき俳句クラブだった。今、思い出しました。)
    先日紹介された橋本多佳子は小倉の実業家の奥さんでしたね。俳句を始めた頃、杉田久女と交流があったようです。久女の句も取り上げられるといいなあと思っています。中村汀女も。

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