森里海の色
柿木村の一輪挿し「アキノアジサイ」

秋色紫陽花

もう秋色に衣替えをしたのかと思ったのに
純白の紫陽花が目を惹いた。

夏の間は煩いくらいに咲いていた紫陽花が
今の時期に見かけると妙に愛おしくなる。

枯れ色の山紫陽花も風雅ではあるけど
このくらい見事に清廉潔白な姿形だと思わず拍手を贈りたいぐらいだ。

空気の清々しい朝はシャンと背筋を伸ばして今日も頑張ろうと思う。

著者について

田村浩一

田村浩一たむら・ひろかず
建築
1954年生まれ。株式会社リンケン代表取締役。中国山脈の辺境の地で、美しい森や川や棚田に囲まれながら木と建築の仕事を展開。山野辺の四季の移ろいを感じながら、酒を愛し、野の花を愛で、暮らしに寄り添う棲家とは何かを考えながら生活している。一輪挿しはライフワークのひとつ。