秋分
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しゅうぶん
昼と夜の長さが同じになる日。この日から夜長がはじまります。また、秋分は七日間ある秋の彼岸の中日にあたり、彼岸の入りから彼岸明けにかけておはぎを作って仏壇に供えたり墓参りをしたりする地域もあります。秋の彼岸に畦道や堤防に曼殊沙華が真っ赤な花を輪状に咲かせます。別名は彼岸花・死人花・幽霊花など。暑さが和らぎ涼しさを感じるなかで、亡き人に思いを馳せる季節でもあります。
- 花火師の旅してゐたり曼珠沙華
- 加藤楸邨
蟄虫坏戸
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むしかくれてとをふさぐ
虫は頭の大きな蛇をかたどった漢字です。なのでかつて虫は、昆虫ではなく蛇などの爬虫類を指していたと考えられます。この季節には蛇穴に入るといって蛇は冬眠しに穴に籠もりますが、彼岸を過ぎても穴に入らない蛇もなかにはいて、彼らを穴惑と呼びます。蛇の世界にもひねくれ者はいるようですね。坏は壊すという意味で、私たち人間の戸は閉めればふさがる一方で、蛇の穴は壊してふさがるという違いがちゃんと表現されています。
- 穴惑刃の如く若かりき
- 飯島晴子