芒種
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ぼうしゅ
稲の穂先のようなノギのある穀物を種まきする時期。具体的には粟や黍や稗などの雑穀類のことです。特に粟は狗尾草を原種として、古代中国や古代日本で主食となっていました。米や麦などと混ぜて食べられていたようです。正月に食べる七草粥はもともと七種粥と書き、これら雑穀に小豆や胡麻などを入れた雑穀粥でした。梅雨に入り、湿度が高くなり体のつらいころ、これら雑穀を見直したいものです。
- 稗蒔の蒔き疲れたり谿の空
- 村上しゆら
腐草為蛍
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くされたるくさ
ほたるとなる
腐った草が蒸れて蛍と化す。むかしは腐った草が蛍になると思われていました。蛍の別名を「腐草」(くちくさ)というくらいです。蛍は幼虫のころも蛹のころもある昆虫で、幼虫のときからずっと酵素の働きで光ります。なので腐草が蛍になることは当然ありません。でも腐った草が蛍になるという伝説ができたのは、水生の蛍は成虫になれば水しか飲めず、そのため水草の臭いを全身から放つから。
- あなたきつとわすれる腐草蛍になる
- 上田信治