森里海の色
木版画が彩る世界「ジャノヒゲ」

冬には葉を落とす植物も多い中、ジャノヒゲは乾燥に強く日陰でも育ち、冬には青紫の綺麗な実をつけます。寒い冬でも、植物たちは自分たちの戦略を貫いています。


 
二十四節気は小寒、寒の入りを迎えた。小寒は、暦便覧では「冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故益々冷る也」とされている。一番日の短い冬至より「一陽起る」のに、どうしてより寒くなるのだろう。

太陽から降り注いだ熱(入射)は、やがて宇宙に放熱(放射)されることで、地球の平均気温は15℃程度に保たれている。
しかし、この入射と放射は同時に起こっているわけではなくて、海や大地、大気にも熱が蓄えられることでタイムラグが生まれる。
冬至の頃が、一番入射が少ないはずなのに、今頃のほうが寒くなるのは、太陽熱の「入と出」のタイムラグのせいともいえる。

一日、という単位でもタイムラグが生じる。気温が最も低くなるのは夜、と思いがちだけど、実は明け方だ。
日没後、気温はだんだん低くっていく。日の出を迎えると、日射による放射で暖かく感じるものの、それが気温に反映されるまでは少し時間がかかる。だから日の出のころが一番気温が低い、ということになる。

ただ、夜の「しんしんと冷える」感覚は、これも放射によるものなので、「気温が低い」のと「寒い」のは、かならずしもイコールではない。気温は目安の一つでしか無いのだ。

暑い日も寒い日もありながら、地球は概ね同じぐらいの気温を保っている。入ってきた熱が、しばらくとどまりながら、やがて宇宙に帰っていくのだ。

実は家も同じだ。どのぐらいの熱が入ってくるか(集熱)、どのぐらい熱を留めておけるか(蓄熱)、どのぐらい熱の拡散を防げるか(断熱)、このバランスがよければ快適になる。当たり前の話、なのだけど、断熱の話まででストップしてしまうことが多い。ぜひとも、その先へ。

文/佐塚昌則