びおの珠玉記事

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あなたは初鰹派?
それとも戻り鰹派?

※リニューアルする前の住まいマガジンびおから珠玉記事を再掲載しました。
(2009年05月05日の過去記事より再掲載)

初鰹

江戸時代には、「女房を質に入れても食べたい」といわれた初鰹。古くから日本人に親しまれている、初夏を告げる食材です。
カツオ
「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」という有名な句があります。鰹は古くから日本人に親しまれて来た魚で、こと江戸時代には、初鰹が珍重され、「女房を質に入れても食べたい初鰹」などといわれるほどで、安永五年(1776年)に出版された「初物評判福寿草」という初物番付では、最高位の「極上上吉」に、夏の初鰹が選ばれています。
鰹を食した歴史は古く、縄文時代には釣りをしていた形跡があると言われます。また、鎌倉時代の「徒然草」には、「此の魚、おのれら若かりし世までは、はかばかしき人の前へ出ずること侍らざりき」とされ、兼好法師の若い頃には上流階級の食卓には上らなかった、といわれていますので、逆に中流層には普及していたと見てもよいでしょう。
カツオ
鰹は、他の多くのサバ科の魚と同じ様に、暖かい海にすむ回遊魚です。黒潮にのって初夏に日本に近づき(上り鰹)、秋頃は逆に南下(下り鰹・戻り鰹)をはじめます。
上り鰹の最初の水揚げを初鰹と呼びますが、この時期にとれる鰹はすべて初鰹と呼ぶ傾向もあるようです。
夏の間に餌をたっぷり食べ、北上して水温の低い海水で過ごすため、戻り鰹には脂がのっており、初鰹の3〜5倍ともいわれます。
最近では、こってりした食べ物が人気で、鰹も、さっぱりした初鰹よりも、脂ののった戻り鰹のほうが人気があるようですし、冷凍・低温輸送技術が発達して、年中食べられる様になった鰹ですが、旬を楽しむために、あえて「初鰹」を楽しみましょう。

初鰹に適したレシピは?

カツオの刺身
初鰹、上り鰹に適した料理をあげてみました。

銀づくりとからし酢

銀づくりとからし酢

新鮮な初鰹は、まずはなんといっても刺身。
鰹の皮は好まない人もいますが、美しい皮と身の間に旨さがあります。

鰹といえば、生姜やにんにくを添えることが多いのですが、おすすめの薬味は「からし」。
からし酢やからし醤油で、食べる鰹も、なかなかの旨さです。

ガワ汁

鰹ガワ汁
冷えた味噌汁に氷と鰹の刺身、薬味をいれて食べます。
氷がガラガラという音が転じて「ガワ汁」になったといわれます。
氷で味が薄くなるので味噌汁は濃い目につくるほうがいいです。

生利なまり

なまり節
生利節は、鰹の節を茹でたり蒸したりしたもの。
鰹節のように堅くないので、簡単に料理出来ます。
脂の多い戻り鰹より、初鰹のほうが生利節に向いているといわれています。
なまり節のサラダ
生利節のサラダ。大根ときゅうりを塩揉みしたものと和え、ポン酢で。

酒盗

カツオの酒盗
鰹の内臓で作った塩辛のことを酒盗といいます。酒の肴にぴったりで、酒を盗んでまで飲みたくなるから酒盗といわれますが、実は、酒は塩辛の味を、塩辛は酒の味を互いに盗りあうことから、十二代土佐藩主・山内豊資が名付けたといわれます。
これも脂の少ない上り鰹で作ったものが良品とされますが、3ヶ月から半年ほどねかせるため、今年の初鰹で作ったものが味わえるのは、もう少し先ですね。

鰹節

かつお節
鰹節は、カビ付けすることで、鰹の中の脂を分解します。
このため、鰹節にも、脂が少ない上り鰹が向いているといわれます。

関連記事:びお珠玉記事 第26回「鰹節」
https://bionet.jp/2018/11/20/katsuobushi