びおの織り子たち

立冬・山茶始開のまとめ読み

2018年の「立冬(りっとう)の初候・山茶始開(つばきはじめてひらく)」は今日までです。今候から暦では冬ということですが、みなさんの地域では冬を感じられましたか?
山茶は「つばき」と読みますが、山茶花(さざんか)のことも指します。両方ツバキ科ツバキ属の樹木でよく似ています。
椿は、「花が散る時に花首から落ち」、山茶花は、「花が散る時は花びらが落ちる」違いがあります。咲いている時の見分け方は椿は、「花がやや筒状で立体的で厚みがあり」、山茶花は、「花が椿に比べて平面的で薄い」です。
・・・咲いている時はちょっと見比べるのが難しそうですね。散る時まで見続けてみましょうか。

びおの歳時記

立冬 11/7~11/21 山茶始開 11/7~11/11

立冬・山茶始開

こよみの色

立冬 黄蘗色 #FEF263
山茶始開 鬱金色 #FABF14

ちいきのたより

ドライヴ トゥ ザ ウエスト&落ちてきた空

ドライヴ トゥ ザ ウエスト&落ちてきた空

大分県大分市 木楽舎 あんどう住宅設計室さん

ちいきのたより第9回目は、大分県大分市 木楽舎 あんどう住宅設計室さんでした。「大分の中心部から5kmずつ離れてみた」として秋晴れのとある休日、地元大分市の中心から癒しを求めてドライブへ。なんでもない暮らしの風景を楽しむドライブもいいものですね。また、「おおいた大茶会」のプログラムの一つ、別府公園で開催中の「アニッシュ・カプーアIN別府」も紹介いただきました。おおいた大茶会は11/25までの期間限定ですが、お近くの方はぜひどうぞ。盛りだくさんのアートが楽しめます。

2018.11.7公開

森里海 木版画が彩る世界

マユミ

マユミ

版画 たかだみつみさん

マユミは、漢字では「真弓」と書きます。ちょうど今頃のマユミの実は、ピンク色のサイコロのように可愛い。その後、熟すと中から種子が飛び出し、もっと寒い真冬には枯れてしまいます。
そんな風に植物が色づく理由は、やっぱり太陽にあるのだそう。

2018.11.8公開

我輩は歌丸である。 第14回

結果オーライ

結果オーライ

永田花さん

前回縫い針を飲み込んでしまった歌丸を病院へ連れて行った花さん。歌丸のお腹から無事に針を取り出せるのでしょうか!?そして「先生がおじさんかおばさんか判別できない問題」は解決するのでしょうか!?前回から気になって仕方なかったあなた、今回その結果が判明しますよ。

2018.11.9公開

住まいのグラフィティ

Vol.42  森林公園の家

Vol.42  森林公園の家

HAN環境・建築設計事務所さん

森林公園に隣接し、三方を樹木に囲まれた南傾斜地に計画された「森林公園の家」。「パッシブデザイン」を実現するため、家全体が繋がった開放的な空間、細部まで計算された住宅です。

2018.11.10公開

以上、立冬・山茶始開のまとめ読みでした。

霜降・楓蔦黄 のまとめ読み

2018年の「霜降(そうこう)の末候・楓蔦黄(もみじつたきばむ)」は今日までです。次は立冬になるので秋は今日までということになります。
紅葉(こうよう)は、季語では「もみじ」または「もみぢ」と読みます。黄葉も同様に「もみじ」または「もみぢ」と読みます。
植物分類上ではカエデとモミジは区別はしません。 植物学的にはモミジもカエデも「カエデ」と言い、どちらも分類上カエデ科のカエデ属の植物です。
北国や山々はすでに紅葉に染まっている頃ですが、紅葉前線が日ごとに南下してくる晩秋には、平地でも美しい秋の景色が楽しめます。

びおの歳時記

霜降 10/23~11/6 楓蔦黄 11/2~11/6

霜降・楓蔦黄

こよみの色

霜降 鶸色 #D7CF3A
楓蔦黄 刈安 #F5E56B

ちいきのたより

城のある町で生まれたから

城のある町で生まれたから

香川県丸亀市 和住宅さん

ちいきのたより第8回目は、香川県丸亀市 和住宅さんでした。さだまさしさんの「城のある町」という曲をご存じですか?香川県丸亀市の市制施行100周年を記念して作られた歌です。そのくらい丸亀市民にとっては丸亀城は心の支えでもあります。そんな丸亀城は西日本豪雨の影響で、三の丸の石垣が少し崩れてしまったのですが、その後の度重なる猛烈な台風に見舞われ、ついに大崩落してしまいました。作者はどんな思いでお城周りを散策したでしょうか。

2018.11.2公開

住まいのグラフィティ  vol.38

開く高断熱住宅
株式会社マクス一級建築士事務所

開く高断熱住宅 株式会社マクス

株式会社マクスさん

静岡県小山町に建築された森の中に佇む自然素材の家。建築主は、もみの木や山桜に囲まれた森の中の斜面の土地と運命的に出会い、周囲の景観に溶け込む家を株式会社マクスの鈴木克彦さんに託しました。鈴木さんはどんな風景を作り上げたでしょう。

2018.11.3公開

ぐるり雑考 第23回

自分でつくる文化

自分でつくる文化

西村佳哲さん

西村佳哲さんが6割いると言う四国の山あいのまち。西村さんはそこで行われた「現代の野良着づくり」を見ました。そう、自分で野良着を作るのです。自分でミシンを使って自分が着る服を作る。これはほんの数十年前には普通のことでした。現在は物を手に入れるための動作が「どう効率的にお買い物をするか」に移行しています。一心不乱にモンペを作る人たちを見て、西村さんは憂いの沼から生還できたようです。

2018.11.4公開

びおの珠玉記事

ハレの日の旬・ケの日の旬、主役級の名脇役・ネギ

ハレの日の旬・ケの日の旬 主役級の名脇役・ネギ

びお編集部

ムロツヨシさん、佐藤二朗さん、鈴木浩介さん、ドラマバイプレイヤーズでも活躍していた大杉漣さん。脇役だけどこの人が出ていたら見ちゃうって好きな脇役(バイプレイヤー)はいませんか?脇役なのに主役級の味と意味をなすのが名脇役。お野菜の名脇役は何と言ってもネギでしょう。これからの季節に欠かせないネギ。でもいつも脇役扱い。これがないとお鍋もお味噌汁もなんだか足りないってなるのに。。。名バイプレイヤーのネギに注目してみました。

2018.11.5公開

以上、霜降・楓蔦黄のまとめ読みでした。

霜降・霎時施のまとめ読み

2018年の「霜降(そうこう)の次候・霎時施(こさめときどきふる)」は今日までです。
小雨は晩秋から初冬にかけて、ぱらぱらと降ったりやんだりする小雨、「時雨(しぐれ)」のこと。晴れていたかと思うとさっと降り、傘をさす間もなく青空が戻ってくる通り雨。
そんな空模様を写した「黄身時雨(きみしぐれ)」。めちゃ美味しいです。

びおの歳時記

霜降 10/23~11/6 霎時施 10/28~11/1

霜降・霎時施

こよみの色

霜降 鶸色 #D7CF3A
霎時施 濃紫 #3E214C

ちいきのたより

ひろ〜い北海道!自然がいっぱい

ひろ〜い北海道!自然がいっぱい

北海道岩見沢市 武部建設さん

ちいきのたより第7回目は、北海道岩見沢市の武部建設さんでした。いわみざわ公園にあるバラ園で開催していた『いわみざわローズフェスタ2018秋』に行ってきた様子を紹介してくださいました。バラがキレイだし、妖精のトムテさんたちもいるし、広くて一日中楽しめそうなすごく行ってみたい公園です。

2018.10.28公開

「ていねいな暮らし」カタログ 第20回

「ホリスティック」に暮らしを考える——『murmur magazine』

「ホリスティック」に暮らしを考える——『murmur magazine』

阿部純さん

ロハスやフェアトレード、エシカルファッション。そんなワードが好きなら絶対読んでみたいmurmur magazine(マーマーマガジン)。環境を意識した暮らしを実現できたら。この雑誌の面白いところは実践者インタビューや座談会などから構成されているところでもありそうです。

2018.10.29公開

ちいさな二十四節気

霜降・どんぐりいろいろ

霜降・どんぐりいろいろ

画 祖父江ヒロコさん

祖父江ヒロコさんによる二十四節気ごとの絵と文で綴る「ちいさな二十四節気」。今では子供のおもちゃが主な役割のようなどんぐり。でも、どんぐりこそが、「土地本来のいのちの森のキーワード」なんだそう。それの理由を探ります。
「かつて、縄文時代の人々は、どんぐりを主食にしていました。私たちがどんぐりを拾いたくなるのは、もしかするとその頃から遺伝子に刷り込まれているからかもしれません。」
だから子供はやたらどんぐりを拾ってくるのか〜、遺伝子に組み込まれているんですね!

2018.10.30公開

びおの珠玉記事

旬のコラム イチョウと銀杏

旬のコラム イチョウと銀杏

びお編集部

銀杏(いちょう)、銀杏(ぎんなん)。一緒だと私のように頭が悪い人は混乱してどうしたもんやろか。。あ、そうか銀杏の葉を飲めばいいってことですね。

2018.10.31公開

以上、霜降・霎時施のまとめ読みでした。

霜降・霜始降のまとめ読み

2018年の「霜降(そうこう)の初候・霜始降(しもはじめてふる)」は今日までです。
霜は、昼の間空気中に含まれていた水蒸気が、夜になって気温が下がった時に、氷の結晶となって地面や植物などの表面に付着したもの。
霜が降りるのは気温3℃以下の時が多いそうです。気温は地上1.5mくらいで観測されますが、地表はもっと寒いためだそうです。
犬や猫など地面に近いところで生活する生物には、人よりもっと早く寒い冬が来ているってことですね。

びおの歳時記

霜降 10/23~11/6 霜始降 10/23~10/27

霜降・霜始降

こよみの色

霜降 鶸色 #D7CF3A
霜始降 錆桔梗 #695F88

ちいきのたより

四谷の千枚田

四谷の千枚田

愛知県豊川市 綺の家建業さん

ちいきのたより第6回目は、愛知県豊川市の綺の家建業さんでした。愛知県の東部にある東三河には、「四谷の千枚田」と言われる棚田が残されています。
古代から『穂の国』と呼ばれていたこの地域を紹介してくださいました。

2018.10.23公開

ぐるり雑考 第22回

いつものうたを、ちがうまちで

いつものうたを、ちがうまちで

西村佳哲さん

好きなバンド「GUIRO」のライブを聴きに、そのまちのコーヒーショップにライブを聞きに来た西村さん。その場で感じた既視感とは。

2018.10.24公開

里山の色

金狗尾(きんえのころ)

金狗尾(きんえのころ)

木版画 たかだみつみさん

キンエノコロは、エノコログサの一種で、イネ科の一年草です。いつもあたる牧野日本植物図鑑には、「ゑのころぐさ」とあるが、実はこのときは「ほもの科」とされている。後に発行された牧野新植物図鑑では、「いね科」とされている。「ほもの」は形態をあらわし、「いね」は代表する植物を指す。漢字では「金狗尾」、金色の犬の尻尾のような草という意味。何はともあれ、「ネコジャラシ」です。

2018.10.25公開

びおの珠玉記事

旬のコラム ハロウィンと冬至

旬のコラム ハロウィンと冬至

びお編集部

ハロウィンは実は日本の冬至との共通点が多い!?成り立ちから探ってみました。

2018.10.26公開

以上、霜降・霜始降のまとめ読みでした。

寒露・蟋蟀在戸のまとめ読み

キリギリスが戸の辺りで鳴く季節。蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)。
今は「蟋蟀」を「こおろぎ」と読みますが、昔は「こおろぎ」のことを「きりぎりす」と呼んだんだそう。「りぃ〜りぃ〜りぃ〜」と鳴く虫の声、聞こえたでしょうか。
2018年の「寒露の末候・蟋蟀在戸」は今日までです。
読み忘れ防止に今候のびおの記事をまとめました。一気読みができますよ。

寒露・末候蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)

寒露・蟋蟀在戸

こよみの色

寒露 コスモス色 #F85CA2
菊花開 葡萄色 #640125

ちいきのたより

広島木造応急仮設住宅

木造応急仮設住宅

広島県広島市 大喜さん

平成30年7月広島豪雨災害によって被災された方たちのために、全国木造建設事業会を通じて広島県工務店協会と全国建設労働組合協力により県内初の木造応急仮設住宅が完成した様子を紹介いただきました。県産材利用の無垢の木は目にも触感にも暖かく、心と体にぬくもりが届きますよう祈ります。

2018.10.18公開

住まいのグラフィティ

南信州の平屋

南信州の平屋

新井建築工房+設計同人NEXTさん

長野県の南部の飯田市は実は気候が厳しく、夏40℃、冬場の晴天率は高いが-10℃を記録する。都合、50℃の気温差に対応する家造りが求められる。そんな厳しい条件をクリアした美しい住宅がびおソーラーを搭載してできました。

2018.10.19公開

びおの珠玉記事

ハレの日の旬・ケの日の旬
秋の味覚・キノコ

ハレの日の旬・ケの日の旬
秋の味覚・キノコ

びお編集部

秋に美味しいきのこ。
野菜売り場で売られていますので「秋の野菜」に取りあげていますが、きのこは野菜でも果物でもありません。それどころか、実は植物でもありません。ではきのこは何の仲間なのでしょうか?美味しく食べるお料理方法も紹介しています。

2018.10.20公開

「ていねいな暮らし」カタログ

動物たちに目を向ける——『SとN』

動物たちに目を向ける——『SとN』

阿部純さん

自然との共生やありのままに暮らすことを考える時に、動物の暮らしぶりに着目するのは当然のことのように思います。もちろん、動物と一緒に暮らす・飼うことは並大抵のことではないので、誰しもが体験できることではないのですが、暮らしを「飼いならすことの難しさ」を根本的に見直すという意味でも、人だけでなく動物に目を向けるということは非常に示唆的な転換だなと思えてしまったのでした。

2018.10.21公開

以上、寒露・蟋蟀在戸のまとめ読みでした。

寒露・菊花開のまとめ読み

菊の花が咲き始める季節になりました。菊は日本人の生活に定着していますが実は外来種なんですね。
2018年の「寒露の次候・菊花開」は今日までです。
菊花開では美味しい秋の野菜を掲載したり、札幌のイベントをマルワホーム企画さんが紹介してくださいました。

寒露・次候菊花開(きくのはなひらく)

寒露・菊花開

こよみの色

寒露 コスモス色 #F85CA2
菊花開 二藍 #915c8b

ちいきのたより

さっぽろ大通り公園

食べ歩きで感じる秋っていいでしょ

北海道札幌市 マルワホーム企画さん

北海道胆振東部地震に遭われたマルワホーム企画さんから近況と元気な札幌の様子を紹介いただきました。みんな元気に頑張っているそうです。どんどん観光客も増えるように祈って。

2018.10.13公開

びおの珠玉記事

旬のデータ 秋の野菜

旬のデータ 秋の野菜

びお編集部

住まいマガジンびおが2017年10月1日にリニューアルする前の、住まい新聞びお時代の珠玉記事から再掲載しました。美味しい秋を満喫できるよう、秋が旬の野菜の栄養素や美味しい野菜の選び方を調べました。

2018.10.14公開

住まいのグラフィティ

入政建築Sukura外観

Sukura大久保(車椅子でも暮らせる2世帯の家)

入政建築さん

いくつもの建物が合わさったような外観。見晴らしの良い立地から遠目にカフェに間違えられることも。屋根に見えるのは、びおソーラーの集熱パネル。冬もふんわり暖かいその住宅にはどんな工夫があるのでしょうか。

2018.10.15公開

びおの珠玉記事

たかだみつみ木版画きづた

里山の色 木蔦(きづた)

木版画 たかだみつみさん

壁面緑化でよく見かけるツタの「木蔦」。やわらかく広がるその様子は、たかだみつみさんの手にかかるとまるで美しくまとまったブーケのようにも見えます。

2018.10.16公開

以上、寒露・菊花開のまとめ読みでした。

寒露・鴻雁来のまとめ読み

地震や台風の被害が大きかったですが、みなさんの地域では大丈夫でしたでしょうか?
肌寒くなり、秋の空を鳥が渡り北から冬鳥が渡ってくる季節になりました。
2018年の「寒露の初候・鴻雁来」は今日までです。
読み忘れ防止に今候のびおの記事をまとめました。

寒露・初候鴻雁来(こうがんきたる)

こよみの色

寒露 コスモス色 #F85CA2
鴻雁来 江戸紫 #745399

ぐるり雑考

月夜

モノ、うつわ、呼吸

西村佳哲さん

本当は秋分の水始涸最終日の更新でしたが人気連載のため、ぜひおすすめしたく特別に紹介しました。今回は物を所有する上での理想と現実・生活のはざまのお話。物を買う・手放すきっかけや頻度についてどう西村さんは考えたのでしょうか。

2018.10.4公開

ちいきのたより

キリンのウイスキー工場

本日から二十四節気は【寒露】

(株)マクス 鈴木克彦さん

ちいきのたよりとは、「ちいきのびお」に参加している各工務店さんから、それぞれ地元のお話をしていただく企画です。七十二候ごとに役に立つ、面白い、お知らせなどが届きます。
ちいきのたより第三回目は、静岡県富士市のマクスさんです。二十四節気のお話かと思いきや、富士山のおいしい水で作られるウイスキーのお話が展開されます。工場見学ツアーでの楽しい体験談、参加してみたくなりますね。

2018.10.8公開

吾輩は歌丸である。 

猫が針を飲み込んだレントゲン写真

簡単には吐かないよ

永田花さん

大変!歌丸が針を飲み込んでしまった!?大丈夫!?先生何とかして〜の巻!今回は連載1年を記念して、歌丸がまだ小さかった頃のある事件についてのお話です。大事件が起きていてもケロッとしている歌丸は、やっぱり可愛いですね。

2018.10.9公開

ところかわれば

パリのマルシェ

フランスの食の「びお」事情

森弘子さん

フランス・パリ在住の森弘子さんの連載「ところかわれば」。毎回フランスの建築事情をご紹介いただいていますが、今回はフランスの食の『びお』事情についてです。パリの名物マルシェのお話も出てきますよ。

2018.10.10公開

住まいのグラフィティ

春霞の家

春霞の家

小野 剛さん

人気連載「住まいのグラフィティ」。太平洋を木の間に臨む丘陵地に建てられた春霞の家。「人と自然をとり結ぶ場としての建築」をと、小野剛さんは考え設計されました。

2018.10.11公開

以上、寒露・鴻雁来のまとめ読みでした。

他人から与えられた正解で生きるの? 岡啓輔『バベる!』ブックレビュー

バベる! ─自力でビルを建てる男

他人が正解をくれるのを待っている社会は終わる、だろう。

建築も、正解があるように私は思い込んでいた。プロである建築士が正解の家を設計し、プロである工務店が正解の家を建てる、素人はその正解に手を触れてはならない、そんな方程式があると思っていた。いや、思い込んでいた。

でもこの『バベる』を読んで、私のなかの方程式は崩れた。

「技術の値段が明らかになり、プロが緊張感をもって建築に臨み、素人とプロの健全な競争が起これば、建築はいい方向に向かう。ホームセンターの登場によって、そういう変化が起こる」(本書第一章「激闘! セルフビルド」)

建築は、家は雨風をしのげれば、それが正解なんじゃないのかな。正解の基準は他人ではなく、自分のなかにあるんじゃないのかな。そう、思うようになった。

こんなことは他にもある。例えば、法律が許す範囲で一パーセント未満の低アルコール飲料をつくる。材料は、イオンなどのスーパーマーケットに行けばすぐに全部手に入る。
人は問う。
「どうなったら正解なんだか、分からないじゃないですか」
私は答える。
「飲んで、うまい、と思ったら正解です」

自分でつくるということはそういうことだ。自分で正解を決める。

むしろコンクリートに余計な水を入れたり、建材に有害物質をまいたり、手抜きをしたりするのは仕事としてやっているプロだった、ということもある。そうだ、採算を度外視した素人の作品がプロの作品を凌駕することだってあるじゃないか!

岡啓輔の手書き文字

挿絵の手書き文字から岡さんの人柄がにじみ出る

本書は随筆としても逸品だ。岡さんが対峙した材木屋や不動産屋とのお金のやりとりの生々しさ、高山建築学校周辺の人たちとの体温のある会話が、岡さんの建築への情熱を際立たせる。読み終わったら、岡さんのファンになっていることに気づく。きっと、熱狂に巻き込まれている。

そればかりではない、本書を読んだ人は、自分の手で何か作りたくなる。手を動かして、自分の手の中へ真実を、正解を引きもどしたくなる、そんな読書体験が、本書にはある。(甲)

バベる! ─自力でビルを建てる男
著者 岡啓輔
構成 萱原正嗣
販売 筑摩書房
(献本いただきました)

住まいの主体性を回復せよ!

 人生を変える住まいと健康のリノベーション

住まいに求められる根源的な機能の一つ、「暑さ、寒さをしのぎたい」という欲求は、二次的に「光熱費を抑えたい」という形で表現されるようになってきた。

そういう観点で書かれている断熱本は多い。だが、何しろタイトルに「人生を変える」とうたっているのだから、単なる断熱本ではあるまい、と見渡すと、帯の後ろにヒントがあった。

「1.熱環境を改善する」
「2.外環境を活かす」
「3.まちとつなげる」

新築住宅では当たり前になった高断熱だが、既存住宅の熱環境はまだまだ悪い。日本にいま現在建っているほとんどの家は、決して高くない現行の省エネルギー基準を満たしていない。ここを改善すべし、と訴える。

しかし、その理由は決して「エネルギー問題」とか「基準がこうだから」という話ではない。暮らしの場の熱環境が改善されれば、これまで活用されてこなかった北側なども含めた、住まい全体を活用できるようになる。住まい手の活動量も増える。限られた環境にじっとしているのではなく、身体を動かす生活に変化する。

そうやって身体性を回復するとともに、訴えるのは主体性の回復だ。住宅は「商品化」して、高機能な設備機器が、ほうっておいても快適な環境をつくってくれるように見える。そこに暮らすと、知らず知らずのうちに、快適な生活は誰かが用意してくれる、という依存感覚を起こす。

そんな状況に陥らないよう、主体性をもつべし、という提案の一つは、エアコンの冷房に頼らずに住まいを改善してみる、ということだ。外部の環境を断ち切ってエアコンを使う、という「依存」から、外部環境を能動的に活かして楽しむか、という「主体」への変化を誘う。

商品化して利便性が高い住まいに暮らせば、地域コミュニティのような面倒なものはいらない。若いうちはそのように思い、実際にそうやって暮らす人が多いだろう。だが人は必ず歳をとる。積極的に外に出かけるばかりの人生から、身体も衰えて、やがて暮らしの場たる住まいに、ある意味縛られるような時期がやってくる。それまでに地域コミュニティという居場所も耕しておくのだと訴える。

建物というハードウェアだけにこだわることは、実のところ見えない誰かに依存しつつも、将来の帰属先を失わせることになる、そんなメッセージが通底している。

若い世代には、ここまでの想像力が持てないかもしれない。むしろ高性能な機器に囲まれて、快適な生活を送りたい、と思う人が多いのかもしれない。
本書のターゲットは、セカンドステージからサードステージへむかうシニア層である。しかし、人生も住まいも100年時代であるからこそ、若者にも一読を促したい。(佐塚)

人生を変える住まいと健康のリノベーション
著者 甲斐徹郎・星旦二
販売 新建新聞社
(献本いただきました)

びお編集部の「ゆる〜く住まい談義 」(3)

住まいマガジン びおの企画会議の中で、編集部の3人(編集の林・デザイナーの阿部・編集長の尾内)の共通点はなんだろうと考えたところ、「まだ持ち家がない」3人であるということがわかりました。それぞれに結婚し家庭を持ちながら、マンション住まい。そんな持ち家がないメンバーだからこそ伝えられることは何か。私たちの等身大の視点を大事にした企画作りがしたい。そこで、まずはどんな住まい感・住宅感を持っているのか話をしてみようというゆるい会です。

第1回はこちらから。
第2回はこちらから。

今回は、林さんの理想を聞くことで家ってなんだろう? と考えました。
(さらに…)

びお編集部の「ゆる〜く住まい談義 」(2)

住まいマガジン びおの企画会議の中で、編集部の3人(編集の林・デザイナーの阿部・編集長の尾内)の共通点はなんだろうと考えたところ、「まだ持ち家がない」3人であるということがわかりました。それぞれに結婚し家庭を持ちながら、マンション住まい。そんな持ち家がないメンバーだからこそ伝えられることは何か。私たちの等身大の視点を大事にした企画作りがしたい。そこで、まずはどんな住まい感・住宅感を持っているのか話をしてみようというゆるい会です。

第1回はこちらから。

今回は、持ち家に対する常識とそれを打ち破ろうとする動きについて。

(さらに…)

びお編集部の「ゆる〜く住まい談義 」(1)

住まいマガジン びおの企画会議の中で、編集部の3人(編集の林・デザイナーの阿部・編集長の尾内)の共通点はなんだろうと考えたところ、「まだ持ち家がない」3人であるということがわかりました。それぞれに結婚し家庭を持ちながら、マンション住まい。そんな持ち家がないメンバーだからこそ伝えられることは何か。私たちの等身大の視点を大事にした企画作りがしたい。そこで、まずはどんな住まい感・住宅感を持っているのか話をしてみようというゆるい会です。

今回は、現状の様子とそもそも家に対する憧れについて話しました。

(さらに…)

「ヤドカリプロジェクト」第1号お披露目&セミナーに参加してきました

先週末、以前びおで紹介させてもらった「ヤドカリプロジェクト」の第1号が完成したというので、
そのお披露目会と、今後中古住宅を取得しようと考えている人向けの住宅取得セミナーに参加してきました。

ヤドカリプロジェクトとは、①空き家を買う。②資産価値を回復させるため空き家を全面的にリフォームする。③自宅兼事務所として使用したあと転売し、利ざやを元手に次の空き家を買う。これを繰り返しヤドカリのように移動しながら空き家を次々によみがえらせていくプロジェクトです。

こちらがそのプロジェクトの1号目のお宅。浜松市の市街地からも徒歩圏内の住宅街にあります。

 

外観。とても急な坂の中腹にあります。この坂のことを白坂さんは「がんばり坂」と言って、小さな頃から親しんでいたとのこと。


(さらに…)

パンクに語る住まいの改装体験記『リフォームの爆発』町田康 (著)

リフォームの爆発

町田康が好きです。芥川賞作家なのでそれなりに有名かもしれませんが、僕にとってはパンクバンド「INU」のボーカリスト、町田町蔵です。

その町田康(マチーダ)が、自宅のリフォームを行った際の記録が出版されました。
(リノベーションでしょ、と突っ込みたくなりますが、『リノベーションの爆発』よりも『リフォームの爆発』の方が売れるタイトルですよね)

とはいえ、ただの工事記録ではないのです。
(さらに…)

落ち葉のプール

風の冷たさをひときわ感じる一、二月。
毎年子どもたちを集めて、落ち葉のプール遊びをする。

この時期に落ち葉遊びというと、
「こんな寒い冬ではなくて、秋なんじゃないんですか。」
と、言われることが多い。
秋、落ち葉、10、11月、という刷り込みイメージがあるのだろう。

しかし、実際に静岡県あたりの里山では、秋よりも1月あたりがもっとも落ち葉が豊富だ。
たっぷりの落ち葉を熊手で集め、プールに見立てた枠の中にためる。
小枝を取り除いたら、あとは飛び込むだけ。

遠慮深い日本人だが、勧めると、好奇心旺盛な親は、子どもと一緒に落ち葉の中に飛び込む。
あとは、落ち葉をかけあったり、埋もれたり、飛び込んだり。
全身埋もれて目だけを出していると、自分が大地の一部になったかのような気分だ。

ポケットの中身をカラにしておくことをお忘れなく。
カギや腕時計、財布、メガネなどをプールの中に落としてしまうと、探すのはとてつもなく困難で泣きそうになる。

落ち葉の中は存外暖かい。
中で暴れる子どもたちは汗だくだ。

ホカホカと湯気立ち上る子どもたちの姿を見て、こんな商品を思いついた。

『落ち葉のダウンジャケット』
羽毛(ダウン)の代わりに落ち葉をギュッと詰めたジャケットは、植物由来の自然素材で保温性抜群。

アラカシ100%。
今年の流行りはコナラだぜ!
サクラだと香りがいいよね、なんて。

もちろん、中身は毎年詰め替える。
自然派のあなたに、ぜひオススメしたい逸品だ。
ちなみに、製造・販売の予定は……、ない。

[よねむし]

「堀部安嗣 建築の鼓動」上映会と堀部安嗣展

「住まいのグラフィティ」で2回登場いただいた堀部安嗣さん。彼が手がけた建築作品を紹介する堀部安嗣展、そして14の建築作品を紹介する短編ドキュメンタリー映画「堀部安嗣 建築の鼓動」の上映会と堀部安嗣さんを囲む会が静岡県浜松市で開催されます。

堀部安嗣展

日時 2018年3月15日(木)~2018年3月18日/13時~17時(最終日16時まで)
住所 静岡文化芸術大学西棟1階ギャラリー(静岡県浜松市中区中央2-1-1

映画上映と堀部安嗣さんを囲む会

日時 2018年3月16日(金)17時~20時30分
上映会と囲む会の詳細はこちら(静岡文化芸術大学のホームページ)まで。(甲)

画像と情報は静岡文化芸術大学の「堀部安嗣 建築の鼓動」上映会と堀部安嗣展を開催します(3月15日から)より。

住まいのグラフィティ

Vol.1  guntû(ガンツウ)  堀部安嗣建築設計事務所
Vol.12  鎌倉大町の家 堀部安嗣建築設計事務所

<スケール>から日常をとらえる
POWERS OF TEN

あるとき、ふと大学時代に授業で視聴した一本の映画を思い出した。

POWERS OF TEN(パワーズ・オブ・テン)

この映画を作ったのは、チャールズ及びレイ・イームズ。
家具や建築のデザインで有名なデザイナーである。
公開は1968年だというから、今からちょうど50年前のことになる。

このPOWERとは「力」のことではなく「べき乗」という意味だ。
POWERS OF TENは、10のべき。科学的な話の中では必ず出てくる言葉である。

スケールは、建築家にとってなくてはならないもの。
それぞれのスケールでは何が見えるのか、スケールとスケールの関係性はどうなっているのか、
常に建築を巡る世界をとらえるために使用している。
そんなスケールの移動を、この映画は実現して見せてくれる。

今目の前の日常を、この映画のようにスケールを移動しながら見つめ直すことができたら、
どんな発見があるだろう。
そんな想像の旅に誘い出してくれるPOWERS OF TEN。

建築に携わる人だけでなく、どんな人でも新鮮な驚きを持って楽しめる映画だと思う。

ちなみに、この映画は書籍としてもまとめられている。

 

POWERS OF TEN
宇宙・人間・素粒子をめぐる大きさの旅
フィリップ・モリソン、フィリス・モリソン、チャールズ
およびレイ・イームズ事務所 著
村上 陽一郎、村上 公子 訳

歩くことでわかること

こんにちは。びお編集長のおないです。
本格的な冬となり、暖かい飲み物が手放せなくなりました。

私にとって先週末は、びおオープン後初めて訪れた平穏な休日だったような気がします。
そんな大げさなことを、と自分で思いながらも、久しぶりに感じる心の余裕が新鮮でした。

ただ、それは単に時間が空いたという、ことだけではなく、身体的なことも影響しているのだと思います。

この日、まだ「この冬一番の寒気」が襲う前のほがらかな陽気の中で、私は近所を散歩していました。
最近はもっぱら車通勤となり、休日も出かけることが多かったため、近所の病院まで気分転換も合わせて歩いて行くことにしました。

浜松市に流れる馬込川沿いを、下流に向かって歩くのがいつものコース。
そこで、いつもつい立ち止まってしまうポイントがあります。
大きく川が蛇行するこの場所。
夏に見たときと変わらないアングル、でもどこか冬のそれは哀愁を感じる風景でした。

馬込川

私たちは普段の生活で、目的地に最短でたどり着くことばかり考えてしまいます。
その方が効率は良いし合理的だし、結果がすぐわかれば次の手を打てるからです。
ですが、たとえ同じような道を歩いていても、わずかな違いに感銘を受けたり、心が動くことがあります。
ゆっくり歩けば普段気づかなかったものに気づくこともできます。
そこに意味を見出したり、記録して共有しようと誰かの顔を思い浮かべたり、そんな時間の豊かさに、
私は心を寄せていくことが好きです。

びおはオープンして三ヶ月が経とうとしています。
ハッピーバースデー!と誕生を盛大に祝っていただいてから、赤ちゃんのびおは毎日をマイペースにでも確実に生きています。
びおが変わらず、二十四節気や七十二候のこよみをもとに、淡々と時を刻み続けることが、
読者の人たちの生活の平穏に少しでも寄与できるように。

これからも町を歩くようにしながら、
びおが心から良いと思って伝えたいと思えるような記事を、少しずつ発信していきたいと思います。

年末感のあるブログでした!

びお俳壇【大雪】募集!

大根引き大根で道を教へけり 一茶

古くから日本人は季節の言葉を使ってあいさつをしてきました。俳句が季語を使うのは季節のあいさつをするため。
「大雪の折」や「大雪の候」など、手紙で使う形式化された時候のあいさつは、そんな季節のあいさつの名残りです。

住まいマガジンびおは二十四節気や七十二候のこよみをもとに、住まいと生活の視点から旬な話題を届けてきました。
これって、あなたへ季節のあいさつをしてきたということ、です。
もうそろそろ、あなたから季節のお便りをいただきたいな、なんて思いました。
そこでこの「びお俳壇」を企画しました。二十四節気ごとに十七音の俳句をあなたに応募していただき
おもしろいな! たのしいな! すごいな! かっこいいな! こんなことあるの!と思った俳句を選んで掲載させていただきます。
そんな思いつきに、参加してみませんか?
というわけで、あなたの投句をお待ちしております。(甲)

応募要項

テーマ 冬の季語を使う。
締 切 2017年12月6日(水)23時59分
掲 載 冬至、2017年12月22日(金)12時に特選1句・入選3句程度を住まいマガジンびお (http://www.bionet.jp/) で掲載します。特選受賞者には賞品として粗品を贈呈いたします。
選 考 びお編集部員が選考し、寸評をつけます。

下のフォームから投句をお願いいたします。

ボジョレー・ヌーヴォーは初冬の季語?

お酒のお話。毎年11月の第3木曜日にワインのボジョレー・ヌーヴォーの一般販売が解禁されます。今年は11月16日(木)に解禁されました。ボジョレー・ヌーヴォーとは、フランス共和国ソーヌ=エ=ロワール県のボジョレー地方で採れた葡萄でつくられたボジョレーワインのヌーヴォー(新酒)のこと。
びお編集部にもボジョレー・ヌーボー2017が届きました。

ボジョレーヌーボー

このボジョレー・ヌーヴォーの解禁は毎回イベントになり、販売業者のキャッチコピーが日本のネットユーザーの間で楽しまれています。「新酒」は晩秋の季語ですが、「ボジョレー・ヌーヴォー」は初冬の季語として歳時記に載ってもいいくらい、かもしれません。今年の出来はドン・キホーテさんによれば「豊満で朗らか、絹のように しなやか。しかもフレッシュで輝かしい」とのこと。
私は下戸で、しかもワインは苦手なのですが、皆さんはどのように味わいましたか?(甲)

ぷち たつの

今年8月に京都でびお養成塾が開催されました。
その1期生である兵庫県たつの市の池尻朋子さん(池尻殖産株式会社)が中心となって「ぷち たつの」が更新中、小京都たつのの情報を発信しています。

ぷち たつの
http://www.ikejiri.jp/blogall

先月末に完結しましたが「香山村の猫の復讐」というむかしばなしの連載もあります。絵をご自身で描かれていて、方言をふんだんに使っていて。むかしばなしを使った地域紹介、おもしろいですね!(甲)

愛着が湧く柱

『日本人とすまい』(上田篤、岩波新書、1974)は「屋根」や「柱」や「庭」など住まいの部位ごとに書かれた評論24本が載っている。「柱」を読んだ。階(キザハシ)や梯(ハシゴ)と同じく「離れたものへ渡すもの」を意味するハシを語源とする柱(ハシラ)である。

今年の夏まで、損害保険代理店の社員だった。火災保険は、おおまかに言えば建物の柱が鉄筋コンクリートか鉄骨か木骨かで保険料が変わる。駆け出しの研修生のころ、保険会社の社員さんと同行して横浜にあるバイク屋さんの物件を見た。一階建だったけれど天井の高い店舗だった。社員さんは見るなり
「鉄筋コンクリートだね」
と言った。私はびっくりして
「こんなに細くて鉄筋コンクリートなんですか。鉄骨じゃないんですか」
と訊いた。でも社員さんは
「建物が大きいからね。鉄筋コンクリートだね」
と繰り返し言った。
社員と研修生が同行して保険内容を説明した場合、説明責任はすべて社員にある。だから私は鉄筋コンクリートの料率で計算し契約した。
8月のお盆休み、バイク屋さんから「保険金の下りない契約をさせられた」とクレームがあった。前回同行した社員さんは休みをとっていて、私は一人で横浜へ謝りに行った。
「これコンクリートじゃないよ。鉄骨だよ」
と言って中東系のバイク屋さんは鉄骨の柱を蹴った。もう少しで死海に沈められるところだった。柱の苦い記憶である。

中学生のとき、先生から「おまえは林ではなく柱だ」と言われた。もしかしたら褒め言葉だったのかもしれない。
「俺は柱なのかもしれない」
私は恋人を撫でるように、教室の隅にある鉄筋コンクリートの白い柱を何度もさすった。柱の甘い記憶である。

柱というと諏訪の御柱祭が思い出される。ご存知のように、御柱祭は7年に一度寅と申の年に、樅の大木を16本切り出して木落し・川越し・里曳きののちに諏訪大社の4つの宮の四隅に建てて神木とするお祭りだ。なぜ神木を立てるのは分かっていないけれど樹木信仰が根底にあることは間違いないだろう。

古事記には天の御柱の話がある。淤能碁呂オノゴロ島に建てた八尋殿で伊邪那岐イザナギ伊邪那美イザナミが天の御柱のまわりを巡って日本列島を作った。 本書にも書いてあるが伊勢神宮正殿の床下中央には、天の御柱を模しただろう「心の御柱」が建つ。

上田篤はコルビュジェの言葉をもじって「日本の建築の歴史は、柱との格闘の歴史である」と書いた。だが、神話では、日本の創世記ではすでに「天の御柱」が建っていた。

他にも本書には「いまでも古い家では、柱に家神がやどるとされ、商家の大黒柱などでは、子供がこれにもたれることすらゆるされない」とある。そういえば神様や遺骨も柱で数える。木の生命をいただいて建てた柱、愛着が湧いた先はそんな柱の神格化なのかもしれない。

江戸時代の俳諧について書かれた『古句を観る』から柱の発句。

年々のもたれ柱や星迎 白雪

星迎は七夕のこと。一年に一回の七夕の行事にあたり、毎年その柱にもたれる。一年に一度だけ七夕の夜に彦星と織姫が出会うという神話があるが、この人は織姫に逢うかの如く一年に一度だけ柱にもたれるのだ。たぶん恍惚の表情で、もたれるだろう。
ここまで愛着を以て語られる柱はほかにない。あなたもこの人のように、今お住まいの家や実家に愛着が湧く柱はありませんか? 私はあります。(甲)

屋根はなぜ根なのか?

『日本人とすまい』(上田篤、岩波新書、1974)は「屋根」や「柱」や「庭」など住まいの部位ごとに書かれた評論24本が載っている。「屋根」を読んだ。

屋根は変な言葉だ。屋根は家の上にあるのに、「根」は物の下の方を指す言葉だからだ。屋、すなわち家の上にあるのに、字面の意味は家の下である。漢和辞典を調べると「屋」は家を示すが「やね」とも読み、屋根の意味も持っている。屋上という言葉も「屋上屋を架す」ということわざも「屋」が屋根の意味を持っていることを教えてくれる。

万葉集には大伴家持の歌で「板蓋之黒木乃屋根者」(板葺きの黒木の屋根は)とあり、奈良時代から「屋根」の使用例はある。

国語辞典を調べると、「屋」は家全体を示した。そして屋根の「根」は垣根や羽根の根と同じ接尾語に過ぎず、地面などにしっかり根付いているもののことらしい。どうやら、屋が家を示すのではなく屋根が家を示していたようだ。

つまり、屋根という言葉は屋根=家がしっかり地面に付いていた時代の名残りで家そのものを示す、そして柱と壁によって屋根が地面から離れてもなお屋根と呼んだ、ということらしい。屋根の示す範囲が家全体から雨をしのぐ部位へと小さくなった。冒頭の「屋根は変な言葉だ」は、柱と壁のある家が普通だと決めつけていた私の思い込みに過ぎなかったのだ。

ちなみに屋根が家そのものである好例は平安時代まで農家のスタンダードだった竪穴式住居である。

屋根=家

『日本人とすまい』で上田篤は「日本における建築の近代化の歴史は、屋根除去の歴史である」として近代化とともに屋根が少なくなっている事態を嘆いている。確かに屋根こそが日本の家屋そのものだった歴史を思えば、屋根のない建築物は根なし草だ。

昔、北海道札幌市に住んでいたとき新千歳空港駅から札幌駅へ快速エアポートで赴くたびに「車窓から見える街が寂しい」という印象をもった。雪国で曇り空が多かったのもそうだが、サイコロ型の屋根のない無落雪建築が内地出身の私に寂しいという印象を与えたのだろう。一方で「柿木村の一輪挿し」の企画のために島根県を訪れた時、インターチェンジから見えた集落がみな石州瓦で屋根を葺いていて、赤褐色が目に映えた。(甲)

家の歴史を考えた

『プロセスでわかる住宅の設計・施工』(鈴木敏彦+半田雅俊、彰国社、2016)を建築初心者の立場で読んだ。あの「F・LL・ライトに学ぶヴィンテージな家づくり」を連載している半田雅俊さんの著書である。といっても読んだのは基礎編の「良質な住まいをつくるための知識と視点」だけ。

興味深かったのは「日本の住まいの歴史から考える」。日本の住まいの歴史を縄文時代から現代にいたるまでたどっている。町屋や農家は構造形式が決まっていて「人が建物に合わせて使う」こと、明治時代の家の板ガラスはすべて輸入品であったこと、大正時代は性別就寝が普通だったこと、太平洋戦争による空襲で大都市が焼けるまでは都市部では借家住まいが普通だったこと、などが私には新鮮だった。今の日本の都市部における家づくりの伝統は戦後に作られた比較的歴史の浅いもので、それまでは江戸時代から脈々と続いた借家暮らしが伝統だったようだ。今の若い人が借家に親近感を持って、新築一戸建てに違和感を持つのは先祖帰りかもしれない。

浜松市の蜆塚公園で縄文晩期の家と旧高山家という19世紀半ばの家を見ている。

縄文時代の竪穴式住居は空気を循環させ排煙できるように茅葺屋根の下に換気口があいているのと入り口があるのだけのシンプルな間取り。
旧高山家は『プロセスでわかる住宅の設計・施工』にも書いているような「田の字プラン」よりもっと単純な「円の字プラン」。こういう単純な間取りを見ると三大欲求のうち食欲・睡眠欲は大丈夫だろうけれど、性欲はどうやって発散したのか気になる。老夫婦にその息子夫婦でどうやって夜を営んだのだろうかとか、外で営んだのかとか、夜這は特に気にしない習慣なのかとか、家のプライバシーの問題ってほとんど性欲に行きつく気がする。日本人は9月に生まれた人が多いらしいけれど、誕生月の多さと住まいの関係について調べたら何か分かってくるかも。縄文人はどの季節に多く生まれたんだろう?

旧高山家で気になったのは縁側がなかったこと。

縁側のない旧高山家

伝統的な家づくりというと「縁側」が思い浮かぶけれど、それもまた現代に選び直された例外的な過去の記憶に過ぎないのかもしれない。(甲)

綺の家建業株式会社さんを訪問

台風は過ぎたけれど風の残る火曜日。
愛知県豊川市にある綺の家建業株式会社さんを編集長と2人で訪問しました。
浜松と豊橋・豊川は三遠とくくられることもあり、近いですね。
綺の家建業さんを訪ねたのは、web女子一期生の原さんと打ち合わせをするため。

打ち合わせといってもほとんど撮影会。
社屋の外や内で小物を使った撮影をしました。

そうそう、綺の家建業さんがinstagramを開設しましたよ。
題して「プチプラ七十二候」。
原さんの好きなプチプラ・ファッションと綺の家建業さんが使うタイルなどの資材がインスタ画面のなかで化学反応を起こします。
つまり、原さんのセンスが工務店さんのお仕事に彩りを添えるのです。(甲)

今切変遷図

おはようございます。びお編集部の林です。
編集部のある浜松は今日も秋雨で肌寒いです。

浜松市文化遺産デジタルアーカイブ追加資料搭載のお知らせ、と浜松市立図書館のホームページに書いてありました。
それで浜松市文化遺産アーカイブの存在を知り、はじめて訪れました。むかしの浜松市の姿をデジタル画像で見ることができます。
たとえば遠江州敷知郡浜松御城下略絵図の真ん中下、びお編集部(浜松市中区南浅田)の近くにある「光福寺」が木々に囲まれて描かれ、集落のかたわらに「浅田村」と書かれています。「浅田村」は南浅田のもとになった地名でしょう。そして、いつもは馬込川と呼んでいる川が「太子渕」と書かれています。

一番興味をもったのは浜名湖の今切変遷図
もとは淡水湖だった浜名湖が地震による津波で太平洋とつながり、その決壊した場所は今切いまぎれと呼ばれ魚がたくさん釣れると編集人から聞きました。災害とともに変わっていった今切の移り変わりを、今切変遷図では貼り付けた付箋ふせんをめくった状態で一覧できます。古代、浜名湖から出る浜名川が太平洋にそそぎ、平安時代には浜名橋という橋が架けられていました。浜名橋は四大橋と呼ばれ平安貴族にも歌枕として人気だったそうです。

霧はるる浜名の橋のたえだえにあらはれわたる松のしき浪 藤原定家

その外にも『浜松市史』や絶賛放映中のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で有名になった井伊直虎の関連資料が公開されています。
みなさんの町の図書館もこのような地域資料がデジタルアーカイブで公開されているかもしれません。ご自宅で手軽にお住いの地域の歴史に触れることができますよ。(甲)

南浅田でみつけた祠

編集部のプチ引っ越し

新びおも創刊して二週間が経ちました。
先日は、編集部のスタッフが一つにまとまって作業できるように、
社内でプチ引っ越しをしました。

編集長な私は奥の窓際。外を眺めながらお仕事します。
寒さ暑さ、色々ありそうですが、良い気分転換になりました◎

引っ越し前

引っ越し後