森里海の色
四季の鳥「スズメ」

最も身近な野鳥

10月下旬、近所の里山を歩いてると、刈り入れの済んでいない田んぼからスズメの大群がいっせいに飛び立ち、近くの電線にとまりました。秋の季語に稲雀があります。芭蕉も子規もこんな光景を詠んだのでしょう。

稲雀茶の木畠や逃げどころ 芭蕉
稲雀稲を追はれて唐秬とうきびへ 子規

スズメは日本人にとって最も身近な野鳥です。1年を通して人家のある地域で暮らしています。日本にどのくらいの数のスズメがいると思いますか?

スズメ-雀

ある研究者が地域毎のスズメの個体数密度を測定し、それに面積をかけて割り出した数は2008年の段階で1800万羽です。ところが、このスズメがこの20年足らずの間に半減しているという報告があります。なぜ激減しているのか。考えられる原因として、気密性の高い家が増えてスズメが巣をつくる場所が減った、未舗装の道路や空き地が減って町中で餌を採りにくくなった、米の収穫が効率化されスズメが稲にアクセスできる時間が減少、特に幼鳥が冬を越せない、などの理由を研究者は挙げていますが、この他に農薬の影響も少なからずあるだろうと思います。

ある朝、ベッドで目を覚ましたら外からスズメの声がしないなんて日が来たらと思うと、私はゾッとします。皆さんはどうですか?



真鍋弘

真鍋弘  まなべ・ひろし編集者

1952年東京都生まれ。編集者。東京理科大学理学部物理学科卒。月刊「建築知識」編集長(1982~1989)を経て、1991年よりライフフィールド研究所を主宰。「SOLAR CAT」「GA」等の企業PR誌、「百の知恵双書」「宮本常一講演選集」(農文協)等の建築・生活ジャンルの出版企画を多く手がける。バードウォッチング歴15年。野鳥写真を本格的に撮り始めたのは3年前から。

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