森里海の色
四季の鳥「ジョウビタキ」

紋付きを着た鳥

鶲美し太陽を背に飛びうつり 原コウ子

私が持っている『俳句歳時記 第3版』(角川書店)のひたきの項に載っている最初の句です。鶲は秋の季語。広義にはツグミやオオルリなどヒタキ科の総称ですが、もとはジョウビタキを指していたようです。シベリア方面から秋にやって来て、春まで滞在する冬鳥の仲間です。

10月下旬になると、私の仕事場近くの畑に毎年やってくる雄のジョウビタキがいます。白髪頭に顔から雨覆にかけて黒く、胸は品のいい橙、翼に白斑があることから「紋付鳥」とも言われる美しい鳥です。尾羽を上下に動かしながらヒッヒッタッタッ、カッカッカッタタと鳴き、人の目の高さくらいの枝に止まり、ピラカンサやマユミ、ムラサキシキブ、アカメガシワなどの実をフライングキャッチして食べます。ヒタキという呼び名は鳴き声が火打ち石を叩く音に似ていることから付けられたと言われています。

ジョウビタキ-尉鶲

越冬期は1羽で縄張りをつくり、美しい姿に似合わず他種とも喧嘩をします。道路の曲がり角にある丸いバックミラーに映る自分の姿を競争相手と間違えて繰り返し攻撃しているところを見ると、「もういい加減にしなさい!」と言いたくなります。