色、いろいろの七十二候

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啓蟄の色

啓蟄
花とてんとう虫

画/柴田美佳

啓蟄

(けいちつ)

3/5 ~ 3/19
少しずつ暖かくなり、冬眠をしていた虫が穴から地上へ這い出してくるという意味です。また、草木が芽吹く頃でもあり、春の到来を感じられます。

こよみの色

ねこやなぎいろ
猫柳色

猫柳の花芽のような淡く繊細な、ややくすみのある淡い黄緑色。猫の尾に例えられた花序(かじょ)の、柔らかな感触と色は、早春の初々しき陽射しのよう。
  • 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)

    3/5 ~ 3/9
    蟄虫啓戸てんとう虫

    土の中で冬眠していた昆虫たちが、戸(穴)を啓(ひら)いて出てくる──<啓蟄>を迎えると、山々や野原に沈丁花や木蓮、スミレやレンゲの花が咲き始め、虫たちとの合従連衡が始まります。そうして春の気配が一気に高まるのです。

    こよみの色

    若緑(わかみどり)

    みずみずしい松の若葉のような明るく浅い黄緑色のこと。『老緑(おいみどり)』の対色。

    よもぎもち
    季節の一皿
    よもぎ餅

  • 桃始笑(ももはじめてさく)

    3/10 ~ 3/14
    桃始笑桃の花

    日本語の「もも」は、多くの実をつけることから「百(もも)」などの諸説があります。中国では長寿を示す吉祥図案で、邪気を祓う力があると考えられました。春の季語に「山笑う」がありますが、笑顔は、やわらかな春の代名詞です。

    こよみの色

    若葉(わかば)

    明治以降の近代になって登場した色。伝統色の中では『苗色なえいろ』がもっとも近い色といえる。夏前の草木の若葉のようなやわらかい黄緑色のこと。夏の季語。春の色である『若菜色わかないろ』よりも少し青みが強い色で、夏前の爽やかな木々の葉を表す範囲の広い色になります。

    菜の花
    季節の一皿
    菜の花と角麩の辛子和え

  • 菜虫化蝶
    (なむしちょうとなる
    )

    3/15 ~ 3/19モンシロチョウ菜虫化蝶

    青虫が蝶になる季節となりました。「菜虫」は、ダイコンやカブラを食べる昆虫の総称で、特にモンシロチョウの幼虫を指します。黄色い菜の花が咲き、その上を白いモンシロチョウがひらひらと舞い始めると、まさに春本番の到来です。

    こよみの色

    青磁(せいじ)

    青磁に似た薄い緑色のこと。神秘的な美しさがあることから秘色とも呼ばれる。青磁は青緑色の釉薬ゆうやくを掛けた磁器じきの一種で、釉薬に含まれる鉄分により独特の灰みを帯びた青緑色になる。源氏物語では「あおじ」と呼ばれており、「せいじ」と呼ばれるようになったのは明治以降から。

    新たまねぎのオニオンスープ
    季節の一皿
    新たまねぎのオニオンスープ