ちいきのたより

Vol.82  食と農業について
島根県吉賀町柿木村 リンケン

工務店にとっては「住」が大事なのですが、今回は「食」について、、
今でこそ“オーガニック”という言葉が主流となっていますが、約40年前から有機農業を行っている此処、柿木村は普段の生活からごく自然に有機野菜を食べることが出来ます。
キャベツ

島根県吉賀町柿木村の工務店リンケンは島根県西部にある人口1,500余人 THE辺境の地。人口が少ないですから当然ですが工務店としての商圏は広くなり、広島県や岡山県までも足を延ばすこともあります。
平成17年に隣町と合併し吉賀町となりましたが、村名は残っており現在は吉賀町柿木村となっています。合併前の柿木村は高度成長に伴い過疎化に直面していました。ちなみに過疎という言葉が生まれたのはあまり嬉しくありませんが島根県です。
農業では、化学肥料や農薬を使う近代農業が急速に広まる一方で、どこの田畑にもいたミミズやモグラなどの生き物が姿を消し始めていました。「いつか、わしらもやられる」そんな漠然とした不安を農家さんは抱えていたそうです。さらにオイルショックや全国で深刻な公害問題も重なり、「自給をきちんとせずに金儲けだけを考えていてはいけない」、「どんな時でも自給をベースにしていればなんとかなる」と考えるようになっていったそうです。

手入れされた畑

そこで、大規模農業を進める町、自給運動を進める町の両方に視察へ。
その結果、村民が選んだ道は“自給を優先した食べものづくりこそ山村の豊かさ“という考え方だったのです。それからは椎茸・ワサビ・栗などの特産振興に加え、有機農業による自給運動が村全体で始まりました。物理的な幸せよりも精神的な幸せを村ぐるみで選んだ事が今日の移住者増加の要因かも知れません。

移住者の多くは有機農業や日本一に何度も輝いている清流高津川(なんと昨年映画化されました!映画「高津川」)に憧れて柿木村へやって来ます。そしてリンケンは移住者の方々から空き家を改修したいとの声を幾つも頂戴します。

高津川

20代~80代まで多くの有機農家さんが多く集うこの村は決して便利ではありませんが光ファイバーも通っているしamazonだって翌日にしっかり届きます。東京へは萩・石見空港から1.5時間のフライトで着いちゃいます。意外とインフラ整っているけど水や野菜が美味しい。災害も少ない此処はとても豊かな処だと思います。

大根畑の向こうに広がる山景色

故郷を自慢できるって嬉しいことですよね、
今は冬野菜がとっても美味しい季節です。水菜、春菊、カブ、青梗菜(チンゲンサイ)、大根に白菜、ブロッコリー、ター(サイ)、、、年間50品目程度の少量多品目を作る自給的な農家さんが多いので挨拶に行くと抱えきれないほどの有機野菜を貰います。

タアサイ無農薬野菜無農薬キャベツ

水や地域ぐるみの生き方に恵まれている柿木村。先見の明を持っていた先人の方々の想いを今後も大事にしていきたいものです。

農業イラスト

リンケン田村薫平
ちいきの記者
田村薫平 たむら・くんぺい
島根県の左端 柿木村生まれ。
趣味はランニング、養蜂、農業、お茶、棚田にランドスケープと大忙し。
田舎ならではの百姓のスキルを学び暮らしに役立てて行きたいと考えています。

 

島根県鹿足郡吉賀町柿木村柿木625-3リンケン施工事例
(株)リンケンりんけん
島根県鹿足郡吉賀町柿木村柿木625-3
TEL:0856-79-2535
URL:http://rinken-style.jp

柿木村の工務店リンケンは、OMソーラーをはじめとした環境共生技術をもったエコハウスを高津川流域の木を使い建てているちいさな工務店です。

ちいきのびお参加工務店さん全国図

ちいきのびお