色、いろいろの七十二候

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乃東生・ゆず

ゆず風呂
こよみの色
冬至
土器色かわらけいろ #C37854
・江戸時代の色名。厄除けの願いを込め皿を投げる「かわらけ投げ」は伝統の遊び。
乃東生
中紫なかむらさき #846582
深紫(こきむらさき)浅紫(あさむらさき)の中間の紫色のこと。半色(はしたいろ)の別名。平安時代は「位色」という規定があり、深紫深紅のような濃い色は高貴な身分にしか使用を許されない禁色(きんじき)だった。しかし浅紫などの薄い色や中間に位置する色は許色(ゆるしいろ)と呼ばれ使用が認められ、もともとはどんな色とも呼べない中途半端な色の意味でしたが、人気が集まったため色名として定着していった。

窓の外は凍てつく寒さでも、お風呂に柚子を浮かべると、ホカホカとした気分を味わうことが出来ます。誰が一体、こんなことを始めたのでしょうか。冬至と柚子との関係を、少しばかり調べましたが、よく分かりません。
湯治(とうじ)冬至(とうじ)の語呂合わせで、御身息災であれば融通(ゆうずう)が利くという、まことしやかな説がありますが、そんな理屈から始まったとは思えません。
けれど、端午の節句の菖蒲湯(しょうぶゆ)と並び、冬至の日の習慣として定着しているのはなかなかの話であって、この国の文化度の高さを示していて、うれしく思います。

柚子は、平安時代には、ただ一言「ユ」と呼ばれたそうです。「ユズ」と呼ぶようになったのは、江戸時代以降のことだそうです。「柚」に「子」が付いた「柚子」は、「柚(ユ)の実(ズ)」という意味で、植物そのものが「ユ」、その果実を「ユズ」というのが本来の形なのでしょうね。
柚子湯は効能が高く、冷え性や神経痛、腰痛などを和らげる効果があるそうです。果皮に含まれるクエン酸やビタミンCにより美肌効果も高いそうで、薬湯とされます。この薬湯という文字は「くすりゆ」と読みたくありません。「やくとう」がいいですね。湯茶のようで。

柚子湯してあしたのあしたおもふかな  黒田杏子

「桃栗三年、柿八年、梅は酸い酸い十三年、柚子は大馬鹿十八年」といわれるように、この樹は成長が遅いことで知られます。

古家や累々として柚子黄なり
荒壁や柚子に楷子す武家屋敷

ともに子規の句です。柚子は直立性の大木になる樹木ですが、そこまで成長するには気が遠くなるほどの時間が掛かります。この句は、そういう柚子の性格がよく踏まえられていて、子規は、ものをしっかり見る人だったと、改めて思いました。
柚子は暑熱に弱いけれど、耐寒性が強く、他の柑橘類より手が掛からないそうです。また、消毒の必要がなく、無農薬栽培が比較的簡単にできる利点があるそうです。それを聞いて、家の庭に一本植えようと思っています。

文/小池一三

※リニューアルする前の住まいマガジンびおから再掲載しました。
(2010年12月22日の過去記事より再掲載)