我輩は歌丸である。

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ミミとにゃんとメイのお話

前回は『みーた』のお話をしました。
実はみーたとのお別れは記憶にありません。悲しすぎて記憶から消してしまったのかもしれません。歴代猫達との出会いもお別れも百猫百様です。

二代目となる赤トラのメス猫『ミミ』はうる覚えですが私が拾ってきたのだと思います。みーたで猫の味を覚えた私にはどうしても猫が必要だったのでしょう。

ある日元気だったミミの様子が急変しました。まだ子供だったミミの細い腕には点滴が刺さりそのまま息を引き取りました。私は初めて愛する者との別れを経験しました。

その日は東京に記録的な大雪が降った日でした。冷たくなったミミを抱き帰宅した事を覚えています。

それから数年後、三代目のオス猫『にゃん』が我が家にやってきました。にゃんは父のお施主さんの愛猫でした。家を建てる際に住む間借りの家では、猫を飼えなかったので我が家で預かる事になりました。

満足げな顔のサバトラ猫

お気に入りの場所でくつろぐにゃん


私は嬉しくて抱きしめまくったので嫌われていたと思います。家族の元へ帰る日を夢見つつ新生活を楽しんでいましたが、何がどうなったか結果我が家の愛猫となったのでした。
ゴロゴロする白サバ猫のにゃん

飼い主迎えに来ないんかい!とずっこけるにゃん


『何見てんのよ!』と言いたげなキジ猫は四代目のメス猫『メイ』です。にゃんがいるにも関わらず猫中毒な私はまた拾ってきたのです。

組を守る為一歩も譲らない極妻の目をしているメイ


5月に出会ったのその猫にはメイと名付けました。当時小3だった私は『となりのトトロ』を見て5月を英語でメイと言う事を知ったからです。この名前洒落ている!と自信満々でした。

さらに大人にウケるだろうと課題の作文で『5月にやって来たメイ』を書きました。計算通り褒められました。いけ好かないガキです。


ちょっと!この赤いの何なのよ!鬱陶しい。

サンタの格好をした猫、歌丸

サンタ歌丸(かわいい)

たまにはいいじゃない。歌丸サンタが見たかったの。

サンタ?それ知ってる!欲しい物を何でもくれる都合の良いヒゲ男でしょう?

いろいろ間違ってるけど。
それより今回の先輩猫ちゃん達はどうだった?

べつに‥‥

異様な貫禄を醸し出す四代目メイはどんな猫なのか!それはまた別のお話。

著者について

永田花

永田花ながた・はな
文化学院建築科を卒業後、ステンドグラス作家の山本幸子氏(株式会社山本・堀アーキテクツ)の下で働きながら物つくりの基本を学ぶ。その後N設計室勤務。仕事をしながらクラブイベントの会場装飾・ポスターやフライヤーデザインを手がける。現在は写真を使ったオーダー雑貨のデザイン・制作を生業としている。
http://87utamaru.wix.com/tutti-cat

連載について

永田花さんの飼い猫歌丸くんの日常について綴るエッセイ。歌丸は猫っぽくない、と花さんから聞いて、それはどういうことだろう?ととても興味を持ちました。花さんと歌丸との出会いから、これまでのこと。ほっと一息つけるようなエピーソードにあふれています。