色、いろいろの七十二候

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玄鳥去・ほうきやぞうきんでお掃除

猫と掃除
画/いざわ直子
こよみの色
白露
素色そしょく #EAE5E3
・晒さない未漂白の繊維そのものの色。フランス名でベージュ・エクルーと同じ意味。
玄鳥去
緋色ひいろ #D3381C
・やや黄味の赤。植物のアカネの根を原料とする茜染の一種。養老律令衣服令には、四位は深緋(こきあけ)、五位は浅緋(うすあけ)とあり、それより下の位の官人には着用できない禁色となった。以後、緋色は中級官人の色として知られるようになり、多くの文学作品にも登場した。武士にも用いられ『平家物語』などに緋の腹巻や緋威(ひおどし)の鎧が登場する。庶民の衣装にも広く用いられるようになったのは江戸時代。

「家事」という言葉の後ろに、「労働」がつくことがよくあります。もうひとつの「労働」である職業が優先され、家事はあとまわし、ということも、よく耳にする話しです。

LIXIL住宅研究所が先日行った調査によると、日常の家事に負担を感じているミセスは76%、特に負担と感じる家事の総合1位が、お風呂・トイレを含めた掃除です。

「家事と家族の協力」についてのアンケート結果発表 その1|ouchi*club-住まいの情報サイト「おうち*くらぶ」
http://www.ouchiclub.com/result/result36.htm

かつての中流家庭では家事労働を女中が行っていました。その後、家事労働の主役は主婦に移ります。それからまた数十年。冒頭のアンケートからも、「ミセス」にまだ家事労働が集中していることが伺えます。

昔の住まいは、気密性が低い、というより隙間が大きく、砂埃などが家の中に入ってくるため、はたき掃除や拭き掃除が必要でした。

住宅の隙間が減り、じゅうたん・カーペットが導入されるようになると、それにあわせて掃除機も普及していきます。

家の気密性があがり、建材も変化していくと、今度はカビ・ダニや室内空気質など、以前とは違った問題があらわれてきます。掃除の仕方も、時代とともに、変化していきます。

掃除の主役は、はたきや雑巾、ほうきから、掃除用の薬品と掃除機に移って久しくなります。

電気掃除機は、その仕事量は2000万分の1ともいわれ、投入した電気の量に対して、動かすゴミ・埃の量は微々たるものです。機種にもよりますが、掃除機の消費電力は1kWを超えるものもあります。本来カーペット向けといえる掃除機で、家中あちこち掃除するのは、電力の無駄遣いといえそうです。床ならほうきで掃いても、時間もそんなにかわりません。

禅の修行では、「一に掃除、二に掃除、三、四がなくて五に座禅」などといわれます。掃除を通じて、環境をきれいにするだけでなく、精神を磨くという考えです。

家事は修行とはまた違いますが、掃除に限らず、その家の文化・価値観を次の世代に受け継いでいく、その家の歴史でもあります。機械をとめて、手を動かしてみると、なおさらそんなことが思い浮かびます。

※リニューアルする前の住まいマガジンびおから再掲載しました。
(2012年09月07日の過去記事より再掲載)