色、いろいろの七十二候

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寒蝉鳴・夏祭り

夏祭り、花火大会、浴衣で歩く親子
こよみの色
立秋
露草色つゆくさいろ #38A1DB
・露草の花のような青色のこと。万葉人は、露草の花を擦った汁を、衣を染める他、染色の下絵を描く際に用いた。
寒蝉鳴
浅葱色あさぎいろ #00A3AF
・あざやかな緑みの青。青色よりも緑に近い、薄い藍色のこと。新選組が羽織等で使用した色。

浅葱色は江戸時代に流行り多くの派生色が生まれた。水色がからせた『水浅葱(みずあさぎ)』、くすんだ『錆浅葱(さびあさぎ)』、花色がからせ鮮やかな『花浅葱(はなあさぎ)』など。

8月のなかばは立秋、暦の上では秋ですが、夏祭り真っ盛りの季節です。
青森のねぶた祭り、仙台七夕祭り、山形花笠まつり、徳島の阿波踊りなど、全国的に有名な祭りもこの時期ですが、それだけでなく、地域のお祭り、花火大会が週末毎に開かれています。

夏祭りの正装(?)とも言える浴衣は、もともとは入浴時に身につけるものでした。
昔の入浴は、湯船に入るスタイルではなく、蒸し風呂、いまでいうサウナのような風呂でした。その蒸気浴の際に身に着けていたのが、浴衣のはしり、湯帷子ゆかたびらです。

帷子というのは、片枚かたびらから転じた言葉です。湯を使うときの帷子で湯帷子、がいつしか当て字で「浴衣」と呼ばれるようになりました。

もともと入浴時の衣装ということで、人前で着ることははばかられるものでした(その名残りか、今でもビジネスホテルなどでは、備え付けの浴衣は室内のみ、としているところがほとんどです)。

やがて庶民の間にも今のような湯船につかるような風呂屋が普及すると、浴衣は入浴用ではなく、バスローブのような存在になります。いつしか、浴衣のまま風呂屋に行き来するようになり、そしてついには祭りに着て行く正装にまで変化します。

先に挙げた以外に、この時期の祭りで有名なものに、高知の「よさこい祭り」があります。
よさこい祭りは、戦後復興のために1950年に開かれた南国博を原点にした、人が集まってくるための祭りです。

このよさこい祭りに触発されて、北海道で「YOSAKOIソーラン祭り」が開かれると、その後各地でよさこい祭りが開かれるようになりました。

各地で開かれるよさこいに対して、歴史的背景を持たないことや、単なる祭り騒ぎ(という言葉は、祭りの例にふさわしくないですが)ではないか、という批判の声もあがります。

住まいマガジンびおの地元、静岡県浜松市でもよさこい祭りがありますし、たまたま訪れた街でよさこい祭りに遭遇したこともあります。やっぱり、お祭り騒ぎです。

けれど、もともとの高知のよさこい祭りが、人を集めたい、ということで始められた祭りであることを考えれば、そのコンセプトがヒットして、全国にうまく広まった、とも言えるでしょう。

伝統というのは、常に変わらないことだけを指すものではありません。
変わらないところもありながら、変わりつつ残ってきた、その連続性に価値があります。

浴衣は入浴着から夏祭りの正装に変化し、今は祭りの演出装置としての側面が大きくなっています。夏祭りも、さまざまな形態を取りながら消えるものあり、生まれるものあり。

家族で出かける夏祭りは、その子どもたちが親になる頃、どんな風になっているでしょうか。

※リニューアルする前の住まいマガジンびおから再掲載しました。
(2014年08月07日の過去記事より再掲載)