色、いろいろの七十二候

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大雨時行・御神輿

神輿を担いで祭りだわっしょい
画/いざわ直子
こよみの色
大暑
向日葵色ひまわりいろ #FCC800
・ヒマワリの花のようなあざやかな赤みの黄色。
大雨時行
水色みずいろ #BCE2E8
・水のような明るく淡い青色のこと。『水浅葱(みずあさぎ)』をやや淡く藍がからせた色。『万葉集』には『水縹(みずはなだ)』、平安文学には「水の色」と記述がみられるなど、古くから親しまれてきた色。また江戸時代には、『空色』や『浅葱色(あさぎいろ)』と共に単(ひとえ)仕立ての夏の麻の着物、帷子(かたびら)の地色として流行した。

御神輿おみこしは、その名の通り、神が乗っている輿こしの一つです。

現在は自動車で移動するのが当たり前ですが、時代を遡ると、明治には人力車、江戸時代には駕篭かご、室町時代は馬、平安時代は牛車など、人力や動物の力をつかった乗り物が主流でした。このうち輿は、奈良時代までを代表する乗り物だったといえるでしょう。
「日本書紀」には神武天皇が乗用に使ったという記述のほか、高貴な人の乗用具としての記録が残されています。

時代の主流の乗り物が変わる中、天皇の乗り物は一貫して輿のまま、明治初期まで利用されてきました。明治以降は、西洋文明が導入され、天皇の乗り物も馬車、そして自動車へと変化していき、乗用としての輿は見られなくなっていきますが、高貴な乗り物、としての輿は、神が乗る御神輿へと転化し、今に至ります。

秋の祭りは、五穀豊穣を祝うものが多いのに対して、夏の祭りは、疫病や災害を鎮めることや、亡くなった方の鎮魂を目的にしているものが多いようです。
御神輿は、神社から宮出しされ、地域の御旅所おたびしょ(1)へ渡御し、神事を行い、また神社に戻ります。この渡御が、「わっしょい」に代表される、御神輿担ぎです。

古くから日本では「万物に神が宿る」と考えられてきました。
モノが使い捨てになり、なんでも制御できる、と考えがちな現代に対して、万物に感謝しながら畏れも抱く、という教訓にも思えます。

参考:
「輿」ものと人間の文化史(櫻井芳昭著 法政大学出版局)

※1:神社の祭礼で、仮に神輿を鎮座しておく場所。神輿所と呼ぶ地方も。神輿宿り。仮宮。旅の宮。おたびどころ。たびしょ。

※リニューアルする前の住まいマガジンびおから再掲載しました。
(2012年07月22日の過去記事より再掲載)