我輩は歌丸である。

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結局、寂しんでしょっ

今年の夏はとっても厳しかったけどぼくを成長させたよね。でもさ。雷は怖いのよ。ゴロゴロピカピカ!なんなのよ。あれ。大嫌いよっ!

ぬいぐるみと遊ぶハチワレ猫

猫人形と戯れる暑苦しい歌丸


時々様子を見に行きましたが、相変わらずダラダラと暑苦しく寝ているだけで何が成長したのか私には分かりません。

変化した事と言えば第6回で紹介した外猫の『みかん』が突然行方不明になり、新入りが登場しました。

この子はみかんやクロちゃんの食べ残しを狙いに来ていました。当時は白毛長猫(しろけながねこ)という注釈の様な仮りの呼び名でしたが、空いた餌席におさまり『 チロ 』という正式名まで手に入れました。

外猫のチロとクロ

新入りのチロちゃんと常連のクロちゃん


餌席確保に成功したチロ。まるで激戦区のおバカタレント枠にスッと入り込んだ、元なでしこJAPANのあの人のようです。お見事!

みかん!これを読んだらいつでも帰っておいでよ。寂しいんだから。

話は歌丸の愚行に戻ります。

ちょっと!またぼくの悪口を世界発信するわけっ?愚行って何よ。言わないでよっ!

歌丸は朝カリカリ・夜缶詰という食生活です。食べ残す事はありません。しかし実家へ行くと食べない・残すは当たり前。ご飯の時間以外にピギャーとおねだり、ふてくされてトイレ以外でシッコをするなど、やりたい放題なのです。

当たり前でしょ!ここではわがままがまかり通るの。『 食べないならご飯抜き! 』とか言われないの。ちょっと可愛くすればいろんなご飯もらえるんだよ!
シッコするのはぼくを置いて出かけるからであって悪くないもん。

そうなんです。歌丸は母の事を完全になめています。おねだりに負けてしまう母も悪いのですが、シッコに関しては歌丸が完全に悪いです。
なめてる割には母にべったりで甘えた顔で見つめ、寝る時は必ず母のそばへ行きます。世渡り上手!憎たらしい。

朝日を浴びる猫

夏休みが楽しくてしかたない歌丸


でも楽しそうにお庭を眺める顔や朝日を浴びて気持ち良さそうにしている姿を見ると連れて来て良かったと思います。

次回は連載1年記念回です。どんなお話にしましょう。それはまた別のお話。

著者について

永田花

永田花ながた・はな
文化学院建築科を卒業後、ステンドグラス作家の山本幸子氏(株式会社山本・堀アーキテクツ)の下で働きながら物つくりの基本を学ぶ。その後N設計室勤務。仕事をしながらクラブイベントの会場装飾・ポスターやフライヤーデザインを手がける。現在は写真を使ったオーダー雑貨のデザイン・制作を生業としている。
http://87utamaru.wix.com/tutti-cat

連載について

永田花さんの飼い猫歌丸くんの日常について綴るエッセイ。歌丸は猫っぽくない、と花さんから聞いて、それはどういうことだろう?ととても興味を持ちました。花さんと歌丸との出会いから、これまでのこと。ほっと一息つけるようなエピーソードにあふれています。