SPACE SEVEN

住まいのグラフィティ

Vol.25  SPACE SEVEN
村松篤設計事務所

通り掛かりの人が思わず立ち止まる。そして、これは何だ? と凝視する。敷地を初めて見た時から目を引かせたいと考えていたことが、思いのほか上手く展開しているようだ。
浜松駅からほど近い密集地に、この建築はある。敷地間口5.6m、24坪弱の狭小地に建てられた、工務店の事務所だ。木造建築を生業としていることを木格子と植栽で、地域コミュニティの拠点でありたいことを外観デザインと色彩で、それぞれ表現している。この事務所はギャラリーを併設していて、2階建てだが6つの床レベルを持つスキップフロアの構成とした。こうした手法は小住宅の設計にも有効で、階段と吹抜を中央に配置し、高さをコントロールしながら7つのスペースを設けている。完全な個室をあえてつくらないことで、流動的なワンルームスペースが生まれた。

村松篤

 

表題写真/前面道路から見る。まちに明るさと潤いを与えるデザインが特徴的な外観

会議室

1階のギャラリー(手前)とミーティングスペース(奥)を見る。コミュニティ拠点としての活用を考えた

休憩室

リラックスルームを見る。社員の休憩だけでなく、大事な接客スペースとしても利用している

DATA
所在地 :静岡県浜松市
用途:事務所(社員数 8名)
構造:木造2階建て
敷地面積:78.18㎡
延床面積:61.23㎡
竣工年月:2016年10月
設計:村松篤設計事務所
施工:石牧建築
写真:上田明(サンスタジオ)

著者について

村松篤

村松篤むらまつ・あつし
1959年静岡県生まれ。心地良い空間で永く愛着が持てる建築を基本に据え、パッシブソーラーの設計を数多く手掛ける。日本建築学会東海賞ほか、建築賞を多数受賞。

連載について

この連載は、住まいづくりの最前線を伝えるコーナーです。5日に1回ほどのペースで、建築事務所や工務店の最新事例をグラフィカルに紹介していきます。今日はどんな住宅と出合えるだろう、そんなワクワクした気持ちで覗いてください。