住まいのグラフィティ

Vol.8  奏でるSumai
アトリエ樫

ご主人はオーボエ、奥さんはフルートを奏でます。音楽好きの二人が求めたのは、音楽室を併設した小さな住まいでした。
今回の計画をスタートする以前に、ご夫婦が購入を検討された土地を、じつは二カ所ほど調査しています。偶然かもしれませんが、どちらも周囲に竹林が広がる、台地の縁のような場所でした。最終的に購入を決めたこの敷地の南側にも、深い竹林が広がり、周囲の環境からは隔絶した静けさがあります。「音楽室を併設した住まいを求める」という物理的な要求があるのと同時に、「静寂に包まれて、楽器を奏でたい」という内なる想いが、つねに二人にはあったのだと思います。
全体配置としては、音楽室を併設したこともあり、敷地南側の静寂に対して住まいを開き、散歩などの人通りのある敷地北側に対しては、少々閉じた構成となりました。音楽室は音場を考慮して不定形平面としています。

坂田卓也

天井高を低く抑えた2階部分。吹抜けを介し、1階の居間とつながる。

外部の明るさを室内に導く、白く塗り込めた軒天井。

撮影=坂田卓也



坂田卓也  さかた・たくや建築家

1963年静岡県生まれ。筑波大学芸術専門学群建築デザインコースを卒業した後、増沢建築設計事務所に勤務。1997年の春、高知県生まれのパートナー 坂田洋子とともに一級建築士事務所アトリエ樫を開設。1999年には「東若林の家(自邸)」で、第6回OM地域建築賞・優秀賞を受賞。趣味は子育てと料理。https://www.a-kashi.com/

連載について

この連載は、住まいづくりの最前線を伝えるコーナーです。5日に1回ほどのペースで、建築事務所や工務店の最新事例をグラフィカルに紹介していきます。今日はどんな住宅と出合えるだろう、そんなワクワクした気持ちで覗いてください。

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