住まいのグラフィティ

Vol.3  富水の家リノベーション
徳田英和設計事務所

築33年、延べ床面積36坪の木造住宅は、地元の設計事務所が描いた丁寧な手描き図面も残っていて、ほんの少し耐震と断熱を補強すればまだ十分に住まうことのできる状態にあった。
唯一の問題は、リビングの窓先から隣地まで2mを切る庭とはいい難いすきま、そのさきはお寺に通じる通路で人通りもあり、住まいに落ち着きをもたらすなにかが必要と感じた。
そこで、窓から少し引いたところにあえて壁をつくって開口をあけ、インナーテラスのような空間を設けた。
このインナーテラスを外装と同じ表現にすることで、あたかも庭があるように感じ、近隣とのほどよい距離感をつくり、リビングに落ち着きをもたらすことを期待している。

徳田英和

南側隣家が間近にせまり庭がないので、窓から少し引いたところにあえて壁をつくって開口をあけ、インナーテラスのような空間を設けた。

天井はラワンベニヤ目透かし貼り。既存の天井から30cm低くしている。

窓から少し引いたところに結界としての壁を設けた。開口は建具もガラスもないただの穴である。

外壁はアズキ色に塗り替えた。
サッシュは原則既存のままとし、一部インナーサッシュを追加している。

写真 安川千秋
施工 デライトフル



徳田英和  とくだ・ひでかず建築家

1969年愛知県生まれ。徳田英和設計事務所主宰。名城大学建築学科卒業。「河津の家」でOMソーラー建築デザイン賞2014伊礼智賞を受賞。「和らぎの家(稲口町の家1&2)」でパッシブデザインコンペ 2016特別賞を受賞。著書『読んで楽しい家づくりの なるほどディテール。』(共著・ オーム社)。 ブログ toku's LIFE GOES ON

連載について

この連載は、住まいづくりの最前線を伝えるコーナーです。5日に1回ほどのペースで、建築事務所や工務店の最新事例をグラフィカルに紹介していきます。今日はどんな住宅と出合えるだろう、そんなワクワクした気持ちで覗いてください。

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