火掻き棒

暮らしを映すカメラ

Vol.1  河井寛次郎記念館

8月30日。京都で開催されたWebびお養成塾の一環で、一期生のみなさんとともに、村松篤さんがチョイスされた建物巡りをしつつ写真を撮りました。
同じ場所、同じ時間を共有しながら写真を撮って、お互いにお披露目するというのは、初めてでしたしとてもいい経験でした。
特に肝いりでチョイスいただいた河井寛次郎邸は圧巻です。いままで知らなかったことを恥じています。
通り庭、吹抜、中庭・・など、建築的空間のダイナミックスさや作品群はもちろん、
彼の目にかなう蒐集品に囲まれた小宇宙にすっかり魅了されました!
次回は夕暮れ時に訪れて、仄かな室内空間を堪能してみたいと思っています。

表題写真/河井に一晩中握りしめられていたであろう、火掻き棒の取手。作品そのものとは別の河井の痕跡を写してみたいと思いました。
河井寛次郎:自在鉤

愛用のモノたちに溢れていた室内空間。そのまま画面に納めてしまうとかえって平たくなりそうな気がして、順光に照らされたいくつかのモノと逆行のシルエットで表現しようと試みました。

河井寛次郎:小さな三重塔

障子の桟が大きさの比較になります。三重塔もシルエットでの表現が相応しいと思います。
それにしてもいいフォルム。まるでイサムノグチ!

河井寛次郎:切り株のようなテーブルと椅子

椅子の座面の彫り込みが一番気になったので、そこに焦点を合わせ開放値で撮りました。

河井寛次郎:窓辺の団扇

和紙と骨組み。障子も団扇も同じ構造。透けた光が美しく・・・遠くの順光の障子と近くの逆光の障子に挟まれた団扇。

河井寛次郎:朝鮮張りの床

ちょっと思いが強く、まだなりきれていない写真ですが、河井の仕事を支えてきた象徴として、床の経年で表現したいと試みました。

河井寛次郎:縄暖簾越しに村松さん

縄暖簾ごしの景色がひたすら美しく。村松さんらしさが消えない程度に絞りました。

河井寛次郎:仏壇

床に反射したアッパーな光に照らされた薄暗がりの神棚がとても幽玄な雰囲気でした。それにしても、投入堂の様な完成度の仏壇?(平入りなので・・・)

河井寛次郎:簾と障子

葦簀と障子と格子の響き合い。うっすらと見える机上の盆。影とも光とも付かない景色に惹かれて撮りました。



松澤穣  まつざわ・みのる建築家

1963年東京生まれ。建築家。松澤穰建築設計事務所代表。多摩美術大学環境デザイン学科教授。東京芸術大学卒業・同大学院修了。代表作に、欅の家、里山住宅博のヴァンガードハウスなどがある。父親の影響で幼い頃からカメラに親しみ、ライカのレンズを愛用。

連載について

松澤さんは、カメラにもとっても詳しい建築家の一人です。気ままに撮っていますと言いながら、愛用のライカのレンズで安定感のある写真を撮影されるので、ちっとも気ままに思えません。8月にWebびお養成塾で担当された写真講座では、参考になった!もっと写真を見たい!など、受講生からの反響も大。そこで、Webびおでも松澤さんの写真講座をお願いすることになりました。松澤さんは、どんなことを考えながらカメラのファインダーを覗いているのでしょうか。

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