未分類

水引(みずひき)

版画/たかだみつみ
2017年08月07日 月曜日

二十四節気は「立秋」を迎えました。
暦の上ではもう秋、というフレーズがあちこちで聞こえてきます。
けれど、当然のことながら、日本各地がいっぺんに秋になるわけではありません。

8月6日の各地の気温を見てみましょう。

アメダスの観測地点最北端、稚内では、最高気温が22.8℃、最低気温が16.7℃でした。
沖縄・那覇では最高32.7℃、最低29℃。
北と南でこれだけ違いますが、単純に南が暖かい(暑い)わけではないのは、みなさんご存知のとおりです。

6日は、島根・益田で最高気温39.3℃、同・浜田で38.5℃、この他ベスト10まで島根の観測地点が5箇所入る、島根が暑い日でありました。この5地点すべてが、観測史上1位の値を更新しています。
台風特有のあたたかい空気が流れ込み、山越えの風が吹き降りて、山陰方面が暑くなった、ということのようです。気温がすべて、というわけではありませんが、まだ多くの地域では、秋の訪れは先のようですね。

こんなふうに、各地で気候はさまざまです。今回の版画・ミズヒキは、北海道から沖縄にかけて広く分布しています。花が咲くのはちょうど今頃ですが、地域によってはもう終わっているかもしれませんし、まだこれから、というところもあるでしょう。

漢字では「水引」と書きます。小さな赤い花の穂が、ご祝儀袋などの「水引」のようだとつけられた名前です。

ご祝儀の方の「水引」は、中国からの輸入品に赤と白の縄が縛り付けられていて(実際には輸出用の目印だったらしい)、それを贈答に用いる習慣と勘違いして日本に取り入れた、という説や、魔除けだった、神聖な地域と俗世間を区切るためのものだった、など諸説あり、はっきりしていません。ただ、植物のミズヒキという呼び名は、少なくとも万葉の時代にはなかったようで、万葉集には登場しません(植物の皮を水に浸して剥ぐ「水引」は出てきます)。

世界で見つかる新種の生き物は、毎年15000以上もあるそうです。先日は、マンボウの新種が125年ぶりに見つかりました。8月6日には、ゲンゴロウの新種が西表島で発見されたことが発表されました。ひょっとして、ミズヒキは、そんな新種として、比較的近年に発見されたのでしょうか。植物の名前の由来は、こんな風に、いつも私たちを楽しませてくれます。

    小 大
    ページ上へ