里山の色

蛇の髭(じゃのひげ)

版画/たかだみつみ
2017年01月05日 木曜日

二十四節気の小寒、寒の入りです。
小寒は、暦便覧では「冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故益々冷る也」とされています。
冬至は太陽高度がもっとも低いため、一年の間で一番日が短い日として知られています。
「一陽起こる」とあるように、冬至を境に太陽高度は上がり始め、日も少しずつ長くなっていきます。

日が長くなるのだから暖かくなる、と思いたいところですが、そう単純ではありません。
太陽から降り注いだ熱(入射)は、やがて宇宙に放熱(放射)されることで、地球の平均気温は15℃程度に保たれています。けれど、この入射と放射は同時に起こっているわけではなくて、海や大地、大気にも熱が蓄えられ、いくらかのタイムラグがあって、やがて宇宙に放熱されていきます。
冬至のころが、もっとも少ない入射となりますが、それより後の今頃のほうが寒くなるのは、太陽熱の「入と出」のタイムラグも理由の一つです。

一日、という単位でもタイムラグが生じます。気温が最も低くなるのは、一般的に明け方です。日没後、気温はだんだん低くなっていきます。日の出を迎えると、日射による放射で暖かく感じるものの、それが気温に反映されるまでは少し時間がかかりますから、日の出のころが一番寒い、という現象が起こります。

長いスパンでみても、一日、というスパンで見ても、熱エネルギーがどのように入ってきて、どのように出ていくかで、気温が変動していることがわかります。
熱というのは、しばらく留まりながら、やがて拡散して、宇宙に還っていくのです。

これは家に対しても同じことがいえます。
どのぐらいの熱が入ってくるか(集熱)、熱を留まらせる能力(蓄熱)、熱の拡散を防ぐ能力(断熱)のバランスが取れていれば、得られた熱を朝方まで残した暖かな家が作れます。逆に、このバランスが崩れれば、昼間だけ暑くなったり、夜はすぐに寒くなってしまったり、ということになるわけです。

こうして考えると、地球が気温を保つ仕組みが非常によく出来ていることがわかります。

冬には葉を落とす植物も多い中、ジャノヒゲは乾燥に強く日陰でも育ち、冬には青紫の綺麗な実をつけます。寒い冬でも、植物たちは自分たちの戦略を貫いています。自然の摂理からは、まだまだ学ぶことがたくさんあります。

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