特集

建築家・趙海光さんのJパネル型紙「箱階段」

2014年10月03日 金曜日

箱階段

今回ご紹介するのは、現代町家の設計で知られる建築家・趙海光さんによるJパネル型紙「箱階段」。

型紙の紹介の前に、箱階段の由来を少し。


いま日本に建っている戸建て住宅の、およそ8割が2階建てです。当然そこには階段があります。3階建て以上を含めると85%ほどの戸建て住宅に階段がある、ということになります。

この階数の割合の値は全国平均で、地域によってかなり違いがあります。

3階建て以上の割合が一番高いのは大阪です。大阪の住宅密集地では、隣地とギリギリに建つ三階建ての家が見られます。けれど、昔から多かったわけではありません。昭和の終わりに法改正があり、それまで防火無指定区域に限られていた3階建てが建てられるようになったころから、急激に3階建てが増え始めます。現在大阪府で建つ戸建て住宅の2割ほどが3階建てです。

ほとんどの都道府県では2階建てが圧倒的に多いのですが、宮崎、鹿児島、沖縄の3県は、平屋のほうが2階建て以上の家より多いのです。

実際に訪れてみても、確かに平屋が多く、そして昔の家が残っている、というわけでもありません。この三県では、新しく作られる住宅でも平屋の割合が半分ほどです。当然ながら、半分ぐらいの家には階段がないわけです。

ところが、かつては平屋なのに階段がある、という時代がありました。

江戸時代には、武士を見下ろすことになる、として、町民の2階建てが禁じられていた地域があります。
名目上は平屋なわけですが、実際には中二階をつくり、使用人を住まわせたり、物置として使ったり、という空間がありました。
中二階には、普通に窓があったりすると居室に見えてしまうので、虫籠窓と呼ばれる格子状の開口部が設けられました。
明治頃まではこうした作りの家が多く、今でも保存された町家などでは虫籠窓や箱階段を見ることが出来ます。

さて、武士を見下ろしてはいけないわけなので、2階は無いことになっています。ですから2階につづく固定式の階段も設けられません。そこで考案されたのが、家具を兼ねた箱階段です。

家具ですから動かすことも出来ます。まさに箪笥としての機能を持っているため、箪笥階段とも呼ばれます。

写真のような昔の箱階段は、勾配が急で、階段としては危ないのですが、階段下はきっちり箱型の収納として効率よく使えます。

現代の家造りでは、二言目には「収納がたくさんほしい」という話が出るほど、収納に対する要求は大きく、当然階段下のスペースも収納として狙われます。
しかし、単純に階段下の三角の斜めスペースを確保をしても、その形状から、容積の割に中身が入らない、ということになります。

箱階段は、しっかり箱になっていますから、散逸しがちな日用品を収納するにも良さそうです。
箱階段を生んだ先人の知恵を現代生活に活かそうと、趙海光さんが設計しました。

建築家・趙海光デザイン Jパネル箱階段の型紙
http://tenomonogatari.jp/j-panel-choumihiko/

デザイン 趙海光

Jパネル 1000×2000×30ミリを7枚使い、型紙にあわせてカットして組み立てる箱階段です。

箱階段全景

箱階段

型紙1

型紙2

型紙3

大きなサイズの型紙は、手の物語のページからダウンロードできます。

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