旬のコラム

草屋根の日本蜜蜂の蜂蜜

文/菅徹夫(びお編集員・菅組代表取締役)
2013年08月18日 日曜日

草屋根の上の巣箱

草屋根の上の巣箱

我が家の草屋根にニホンミツバチがやってきたのは昨年の春のこと。ある知りあいから巣箱ごといただいたのです。昨年はハチミツを採取することは出来ませんでしたが、今年の春先、待望のハチミツを約2リットルほど採取することに成功しました。養蜂といっても屋根に巣箱を置いておいただけで、特に世話という世話はしていません。採蜜の際にちょっとしたコツが必要ですが、蜂に刺されることもなくはじめての採蜜に成功しました。ニホンミツバチは、よほどのことがない限り人を刺さないと言われており、私も今回の一連の作業を素手で行いましたがさされることなく作業を終えることが出来ました。今回採取したハチミツは黄金色の美しい蜜で、とても美味しくいただきました。

3段の箱の最上段を包丁で切り離します。

3段の箱の最上段を包丁で切り離します。

巣箱下部にもたっぷりつまっていそうです。

巣箱下部にもたっぷりつまっていそうです。

採れたての蜂蜜。

採れたての蜂蜜。

瓶詰めをしました。

瓶詰めをしました。

名づけて「草屋根ハニー」

名づけて「草屋根ハニー」

現在、日本に流通しているハチミツは中国やアルゼンチンからの輸入品がほとんどで、国産のものは極めて少量です。国産のハチミツの中でもほとんどがセイヨウミツバチのハチミツで、ニホンミツバチのハチミツはそのごく一部に過ぎません。ニホンミツバチ一群の蜂蜜生産量は、明治以降導入され広く普及したセイヨウミツバチの1/8。体も小さく、飛行距離も短くセイヨウミツバチとの競争に負けてしまうのです。ハチミツの大量生産に適さないため日本の養蜂はニホンミツバチからセイヨウミツバチへと移行してきたのです。
しかし、セイヨウミツバチは名前の通り外来種、在来種のニホンミツバチとちがい生態系に与える負荷も見逃せません。セイヨウミツバチは寒さに弱く人に守らなければ冬を越すことが出来ないのです。それゆえ冬に咲く野生の花の交配にニホンミツバチはかかせず、自然の生態系を維持するために重要な役割を果たしているのです。
ニホンミツバチによる養蜂を盛んにすることは、地域が少しずつ本来の自然の生態系に近づいてゆくことへつながります。セイヨウミツバチに比べ寒さに強く四季を通じて採蜜するニホンミツバチは、地域が多様な植生の在来植物の森に覆われてゆくためにとても重要な生物なのです。
まだまだ市場に出回ることの少ないニホンミツバチのハチミツですが、たまには生態系に与える影響なんかを考えながらハチミツを選んでみるのも良いかもしれません・・・。

文:菅徹夫(びお編集委員・菅組代表取締役)
菅組:http://www.suga-ac.co.jp/
ブログ:ShopMasterのひとりごとhttp://sugakun.exblog.jp/

    小 大
    ページ上へ