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あるものを、残さずに使う。
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私たちが使っているものは、何らかの加工がされて手に届きます。例えば住宅の木材は、丸太のまま使うわけではありません。食べ物にしても、料理という形になって口に入るまでには、料理の工程という加工が加わることがほとんどです。
では、私たちの手に、口に届かなかったものは、いったいどうなるのでしょうか。
食べ物の話
農林水産省の平成21年度食品ロス統計調査によると、世帯の食品ロス率(廃棄率)は、3.7%。このうち、割合として一番多いのは「過剰除去」です。

食品ロス率(農林水産統計より)。一番多い原因は過剰除去です。
過剰除去の定義は、
「調理におけるだいこんの皮の厚むきなど、不可食部分を除去する際に過剰に除去した可食部分をいう。」とあります。
さて、ここで疑問に思う人もいるかもしれません。
大根の皮って、そもそも不可食部分でしょうか?
多くの野菜は皮ごと食べられます。皮には農薬が残留しているとか、汚れているから嫌だという意見もありますが、皮こそおいしいという人もいます。
玉ねぎのような、なかなか食べづらそうな皮も、干したり煎ったりしてお茶にするなど、丁寧に手を入れてあげれば活用できるのです。
普段は捨ててしまうようなピーマンのヘタや種も、よく炒めればおいしいおつまみの出来上がり。

ちょっとゴツイ、ゴーヤーの種も食べられます。
参考記事
びお ハレの日の旬・ケの日の旬 「ゴーヤーで夏バテを吹き飛ばそう! 」
鯨漁が盛んだった頃、鯨は捨てる所がない、と言われていました。

肉や皮は食用として、骨は狩猟具や工芸品に、髭はぜんまいや操り人形のバネ等に、油は灯りや石けんなどに用いられました。
残った部分は肥料にして使い、まさに余すところ無く活用していたのです。
鯨は大型の動物なので、こうした加工が簡単だったことも理由かもしれません。プラスチック等の材料が普及し、鯨漁が制限されている今では、こうした知恵が活かされることが少なくなっているかもしれませんが、忘れたくない日本の伝統的な知恵です。
鰊もかつては食用の他、油や肥料など様々な用途に使われ、鰊自体が一つの大きな産業として根付いていました。
おせち料理に欠かせない数の子は、日本での鰊漁獲の激減に伴って、今はロシアや北米からの輸入品がほとんどです。
これらの地域では数の子の食慣習がありませんでした。従来捨てていたものを、他の国が買い取ってくれる。経済的にはよい話ですが、数の子の歴史を考えると、少々複雑な思いですね。
木を残さずに使う
現在日本の木造住宅で使われている一般的な柱や梁は、断面が正方形や長方形の製材です。
木は当然こういう形で生えているわけではありませんから、加工をした結果です。
樹皮はグランドカバーとして利用されることもありますが、ペレットにするなどのバイオマス燃料としての働きが期待されています。
間伐材や残材利用としては、「びおハウス」でも取り組んでいる「木繊維断熱材」も挙げられます。いまある資源をうまく使おうという取り組みです。

木には木目があります。木の中心に向かって挽くと、年輪が平行な柾目となり、中心からずれて挽くと、板目になります。
柾目は美しく人気があるのですが、その性質上、一本の木から取れる歩留まりが悪く、値段が高くなります。
柱をとった後の残材を捨ててしまうにはあまりにも惜しい、ということで、板目の板の断面方向をうまく活用して、柾目のボードとして開発された製品もあります。
私たちのそばにある、木という資源を残さずに使う、という取り組みの一つです。

日光八溝檜・檜柾目ラミナボードを床材に使った例。
このような考え方は、必ずしも製造時だけのことではありません。

畳や襖は再利用可能。
畳は、畳表を裏返して使い、それでもダメになったら畳床はそのまま使い続けるという、もったいない精神にあふれた素材でもあります。
建築に古材を利用するということは古くから行われています。建て替えの際に思い出として新築住宅に取り入れるケースもあります。
スケルトン&インフィルの考え方では、インフィルは生活に合わせて可変性を持っています。このインフィルも、畳のように使い切ることが出来るかもしれません。
あるものを使い切る
ある産業で必要のなかったものが、別の産業では必要になることがあります。あるいは、ある地域では必要なかったものが、他の地域では必要になることがあります。
「こちら」で使っていたものを、今度は「あちら」でも使えるかもしれません。
捨ててしまう前に、「これは何かに使えるのでは・誰かが使えるのでは」と考えてみる。なかなか楽しい行為ですよ。家庭でも、ビジネスでも、考えてみて欲しいテーマです。





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