色、いろいろ。

青桐

版画/たかだみつみ 文/小池一三
2011年07月23日 土曜日
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青桐版画

青桐は、箪笥や下駄になる桐とは別の樹木です。葉の茂っている様子が「キリ」に似ていて、樹皮が青々としているので青桐と名付けられました。
枝ぶりは単調で、しみじみ観賞する木でもなく、また、桐のうす紫の花とは違いうす黄色の花が咲きますが、別段、美しい花というほどではありません。高いところに咲きますので目立たず、咲いたらすぐに落花するようです。
ただ、すくすくと伸びていて、青々とした樹皮が印象的な木です。日本では、街路樹として植えられています。
中国の古代人は、青桐の葉がいっぱいに茂ると、農耕生活に豊穣をもたらすと考えました。青桐の中国名は「梧桐」といいますが、梧(ご)には「壮大なさま」という意味があり、中国の古代人の願望が込められています。
俳人に、河東碧梧桐(かわひがし へきごとう)がいますが、名前に「梧桐」を用いています。どうしてこの俳号をつけたのか定かでありませんが、子規は、「碧梧桐は冷やかなる事氷の如し」と評しました。高浜虚子と碧梧桐は、子規門下の双璧と謳われましたが、碧梧桐は、守旧派として伝統的な五七五調を擁護する虚子を嫌っていました。子規は、「虚子は熱き事火の如し」と評していて、二人は正反対であったようです。

梧桐の夏をすがしみをりをりは畳の上にねまく欲りすも  長塚節
青桐の向こふの家の煙出し  高野素十
青桐の花しゃんしゃんと鳴る如し  川崎展宏
青桐や母屋は常にひっそりと  中村汀女

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