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Slate tile スレート瓦

文/武山倫
2011年05月16日 月曜日
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スレート瓦というと、一般に天然のスレートでは無く、人造のスレートを指すようです。人造のスレート瓦の歴史は古く、1900年(明治33年)にオーストリアのハチェックの発明と言われています。製造法は湿式で、セメント、石綿等の原材料を水に分散させてスラリー状にし、紙を漉くように漉きだし手作ります。原料の石綿(アスベスト)は天然に産する繊維状鉱産物で、自然界にも空気1立米あたり3本のアスベスト繊維が浮遊していると聞いたことがあります。スティーブ・マックイーンは、アスベストが原因の中皮腫を発症していましたが、その原因は海兵隊時代に乗務した戦艦の船室の内装に多用されたり、趣味のレースで当時使われたアスベスト製の耐火服・耐熱フェイスマスクから長期にわたりアスベスト繊維を吸引したのが原因ではないかといわれています。
私が小学生の時には未だ理科の実験で「石綿金網」が使われていましたが、1975年(昭和50年)9月に吹き付けアスベストの使用が禁止。2004年に石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止、2006年には同基準が0.1%以上へと改定され、2006年9月の労働安全衛生法の改正により、潜水艦の特定部品への使用、断熱材としては国産ミサイルの部材、およびそれらシールと断熱材など原材料代替品が確立していない特定のものを除いて全面製造禁止となりました。現在市販されているものは「ノンアスベスト」商品です。

スレート瓦メンテナンス表

エピソード

東京駅工事現場に掲示の完成予想図

東京駅工事現場に掲示の完成予想図

天然素材としてスレートはとても魅力的な材料です。ピレネー山脈のふもとスペインのPanticosa村は美しい天然スレート屋根の景観が素晴らしいところです。日本でも天然スレートが牡鹿半島の雄勝町、登米市、岩手県の陸前高田で産出します。東京駅の屋根も創建当時は雄勝石、戦災からの復旧時に登米石になり、重要文化財となってから今年の大修理でも国産の天然スレートを使用して屋根を葺く準備が進められていました。

復元工事の様子

復元工事の様子

工事現場の説明中にこんな記載が。

工事現場の説明中にこんな記載が。

今回の大修理では、石巻市(旧北上町)で多くの文化財の茅葺きをしてきた熊谷産業が赤煉瓦の東京駅の修復のため、屋根瓦をていねいに外して、北上に運び、使えるのと使えないのを選別して、汚れを取り、結束して東京へ持っていく直前に 311大震災に被災し、津波で2万枚は回収不可能、4万5千枚は無事でしたが、塩水に浸かってしまい、そのまま使えるかどうか心配されています。さらに、一時は、被災したスレートの使用をやめてスペインから輸入する…という話も聞こえてきて、「赤レンガの東京駅を愛する市民の会」の多児貞子さんを中心に、国産天然スレートで東京駅の屋根を葺くことを4/15(金)JR東日本へ要望しました。
これに対しJRも被災をまぬがれたスレートを使うことを伝えました。

朝日新聞 4/16
http://www.asahi.com/national/update/0416/
TKY201104160164.html

読売新聞 4/16
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/
20110415-OYT1T01191.htm

東京新聞 4/16
http://www.tokyo-np.co.jp/article/
tokuho/list/CK2011041602000048.html

毎日新聞 4/23
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/
news/20110423k0000e040022000c.html

歴史

我が国の石綿スレートの歴史は明治37年(1904年)に始まりますが、需要が拡大したのは関東大震災後、軽量屋根材としてトタンの需要が増え不足した為、代替品としてこの石綿スレートが増えました。スレート葺きと言えば、この石綿スレートを意味するくらいになったため、天然産の物を天然スレートと区別するようになりました。

カラーベスト

カラーベストというのは、Colored Asbestos Cement Board からの造語で化粧石綿スレートの商品名の一部です。昭和32年(1957年)旧・久保田鉄工が米国のマンビル社と技術提携し4年後、コロニアルという商品名で発売されました。屋根業界では新たに生まれたということから「新生瓦」と当時は呼びました。JIS規格は昭和51年に取得されましたが、現在は名称変更され、「住宅屋根用化粧石綿スレート」になっています。

カラーベスト

葺き替え工事の様子

葺き替え工事の様子

屋根のメンテナンス

屋根のメンテナンスでは雨漏り防止が一番のポイントです。雨が漏った場合、どこから雨が漏ったのかを調べることが先ず必要ですが、その場合、頭から雨漏りと決めてかからないで、結露の可能性も考えて調べることが必要です。これまで、施主から屋根工事店に対する雨漏り苦情の多くが、実は結露であったという調査結果(日本屋根経済新聞社 全国調査より)もあります。
野地板を貫通した釘の先の結露や、谷樋の裏に結露した水を雨漏りと間違えた例が数多く報告されています。大抵の雨漏りは屋根の下地防水がしっかり施工されていれば防ぐことが出来ます。防水層自体の重ね幅が不十分な場合、豪雨の場合に雨水が重ね目から裏に回ることがあります。また、毛管現象でも雨水が屋根材の裏側に回り、雨漏りの原因になる場合があります。棟は軒近くに比べると雨量は少ないですが、風が一番強く当たる場所だけに、雨が隙間からき込む恐れがあります。
定期点検が大切です。屋根は建物を覆う大切な場所です。信頼出来る工事店に依頼して時々点検してもらうようにしましょう。

メンテナンス

スレート瓦の場合、色褪せ、コケが繁殖しやすいというデメリットがあります。また合わせの部分から水が入りやすく、10年ほどでメンテナンスが必要になります。屋根の上は、危険なだけでなく、乗る場所によっては、屋根自体が破損してしまう場合もあります。
点検・掃除などは、バルコニーや地上、しっかり固定した梯子などの安全な場所から、目や手の届く範囲にとどめましょう。(梯子を使用する際には、軒樋などを傷つけないよう、布などを巻きつけて下さい)汚れや異常が気になる場合も、自分で屋根にあがるのはやめて下さい。

台風通過後の点検・お手入れ

台風が通過した後は、屋根や樋に、ゴミ、ズレ、破損、ゆがみなどがないか、必ず点検するようにしましょう。屋根の破損を放置すると、雨漏りの原因となり、建物全体に深刻な影響を与えることにつながりますので、必ず、信頼できる専門業者に点検・補修を依頼するようにして下さい。最近のコロニアル屋根は、5〜7寸勾配屋根が一般的です。その一番の要因は、 “毛細管現象”に対処するためのようです。毛細管現象とは、塗装した際にコロニアルの重なり合った部分を塗料がふさいでしまうことで、屋根の内部に入り込んだ雨水などが行き場を失い、真空状態になり、傾斜とは逆の方向に水が上がってしまう現象です。勾配が緩やかだと水が貯まりやすく、そして上がりやすいため、5〜7寸勾配が多くなっています。
毛細管現象は、塗料の選択や施工方法(塗料の塗り方)により防ぐことができます。また“縁切り(えんぎり)”という、コロニアルが重なり合った部分をふさいでいる塗料を除去する作業によって防ぐことも可能です。コロニアルの重なり部分が塗料でふさがれると、この部分からの水の侵入が行き場を失い、毛細管現象や、内側で結露が起きてしまい、ときには雨漏りを引き起こすこともあります。

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