Whole House Catalog
Mortar モルタル
- 小
- 中
- 大

モルタル塗りは、サイディングが登場するまで、我が国の木造住宅の外壁の主流でした。モルタル(mortar)は、砂(細骨材)とセメントと水とを練り混ぜて作る建築材料。木造の不燃化もあって、かつては住宅の外壁材として広く使用されていましたが、湿式工法であるため、工程が複雑で、施工日数が20日前後かかります。コスト、時間の問題からサイディングによる外壁に取って代わられたと言えます。
従来の製品は、施工後数年ごとに再塗装が必要でしたが、最近では、光触媒効果を利用して、太陽光や雨水により汚れを落としやすく加工したものや、耐久性・耐候性を高め、メンテナンスとして必要な再塗装の間隔を長くとれるようにしたものが開発されています。
施工後に亀裂が入りやすいという欠点があるため、今では、大手ハウスメーカーが標準工法としてモルタル壁を採用することは極めて少なくなっています。モルタル自体は非透水性ですが、クラック(亀裂)からの浸水の問題があるので、防水のために施工後に塗装するのが一般的です。平成20年4月30日、財務省令第32号として、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」が出されました。この中に、「機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数表」がありますが、これによると、「減価償却耐用年数」は、構造が「鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造のもの」は、「事務所用は50年、住宅用では47年」また、構造が「木骨モルタル造のもの」は、「事務所用は22年、住宅用・店舗用は20年」とされています。「減価償却耐用年数」と物の寿命の話は別物ですが、資産価値を問題とすると無視できないものがあります。骨組みが木組みで、外壁の表面をモルタル(セメントに砂を混ぜたもの)を塗りつけた構造を「木造モルタル」と呼びます。「木造モルタル」と区別して、単に「木造」と呼ぶときは、骨組みが木組みで、外壁の表面を木板またはプラスチック材などで仕上げた構造を指します。
下地
モルタル壁の下地は普通柱と間柱の間に小幅板(ザラ板・ラスなどと呼びます)かボード類を張り、その上に黒い防水紙を張ってその上にモルタルをなじませるメタルラスを張りつけてできた下地にモルタルを塗りつけるのが基本です。最近では、下地のザラ板とメタルラスの役割をまとめた、ラスボードという建材が使われます。ラスボードを通気工法で施工して、モルタルを塗ります。木造モルタルのメンテナンスは、ひび割れ部分をシーリングして塗るだけですが、サイディングの場合、劣化したシーリングをはがして打ち直しをしなければなりません。
ひび割れのメカニズム

コンクリートやモルタルは、材料が乾燥する過程で必ず縮む(収縮)という物理的性質を持ちます。収縮するときにある長さを境として、どちらかの方向に縮みます。その際に出来て分かれた部分がひび割れとなって残ります。コンクリートに鉄筋を入れるのは、強度を持たせると同時にひび割れを抑制させる目的もあります。同様に、モルタルにメッシュをいれるクラックレス工法は、そのメッシュ筋(ファイバーグラスメッシュなど)にモルタルを固着させることで、収束部分を多く作り、自由に動く面積を少なくさせ、ひび割れを生じにくくするものです。モルタルの宿命はひび割れです。モルタルのひび割れを抑制させる添加剤などもあり、昔ほど必ず発生するというものではありませんが、これだけ科学技術が進歩しても根絶されていません。モルタルを使う以上、避けて通れない宿命です。
モルタル壁の地震被害…
3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震は、地震波分析から推定して、揺れによる建物被害は少ないという見解を境有紀筑波大教授(地震防災工学)が発表しましたが、その余震とされる4月7日23時32分に起こったM7.4の地震も加わり、仙台周辺では瓦やモルタル壁の壊れた家が少なくありません。モルタルが壁面に固定されるためには、メタルラスが壁に固定されていなければいけませんがクラックからの浸水がメタルラスを腐食させ強度を失っていたことが推測されます。
隔離脱落する壁が通行人を傷つけることも考えられます。場所によっては応急措置で危険な場所に近づけないようにする必要があります。

モルタルなどの湿式工法の外壁下地材は、吹付タイル、リシン、スタッコなどの吹付工事で仕上げます。

吹付タイル
複層仕上げ材で、主に外装用として使います。コンクリートやモルタルなどの湿式工法下地に、下塗りをして、主材のベースを吹き付けてから、模様吹きの上塗りをして、3段階の工程を経て陶磁器質タイルの風合いがあります。仕上げは、ローラーやコテ、コンプレッサーなどを使って表面にクレーター状の凹凸模様を付けて仕上げます。また、凸部を押え仕上げした「凸部処理仕上」もあります。主に合成樹脂などの結合材とけい砂、寒水石、軽量骨材などが主原料で、アクリル系が安いのですが、汚れにくく、水洗いができ、ひび割れしにくい、シリコン系がお勧めです。また防水性を高め、モルタルなどの湿式工法の下地材のヘアークラックにも追随できる弾性タイルもあります。施工が簡単で、下地への密着性、耐久性に優れています。
リシン吹き付け
建物の外壁などに用いる吹付け仕上の一種。モルタル刷毛引の上に合成樹脂系やセメント系の砂壁状の吹付材を吹き付けて仕上げます。リシン吹付も、吹付タイルと同様に、アクリル系、シリンコン系とがあります。また防水性を高め、モルタルなどの湿式工法の下地材のヘアークラックにも追随できる弾性リシンもあります。 汎用的な経済タイプの外壁吹付材です。好みに応じて任意の調色が可能です。作業性に優れています。
メンテナンス
5年単位程度の点検で、ひび割れの有無、剥離の有無を調べます。ひび割れ部分からの浸水は下地や躯体の劣化を早めますので、ひび割れ部分をシーリングして仕上げます。
防水層の上に施工しているため、ひび割れ部分から漏水があっても問題になりにくいものですが、水を含むことでモルタルの劣化を早めたり、ひび割れを拡大する危険があります。見た目の劣化は、塗装そのほか、気象条件等その地域の事情によりますが、7〜15年で劣化してきます。性能上は外装材として機能しますが、見た目の劣化が自然素材と違って年月を経て風合いを増した状態にならない素材です。見た目の劣化対策は、洗浄して塗りなおすのが一般的ですが、上からサイディング等を張って新築風にリニューアルする手法もあります。






コメントはこちらから!