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Sliding Door 引き戸
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引き戸とは、横にスライドさせて開閉させる戸のこと。日本の住宅では引き戸は一般的な建具で、障子や襖のように引き違いになっているものや、1枚の戸を左か右の片方に引く、片引き戸、壁の中に引いた戸を収納してしまう引き込み戸もあります。
部品としての特質
「開くことと閉じること」で空間を様変わりさせることのできる日本の建具は、多くの外国人の専門家を驚かせてきました。敷居の上をスライドさせるものが多いですが、上から吊って床面をフラットにする吊り戸もあります。開き戸(ドア)のように開閉のためのスペースを必要とせず、必要に応じて開放したままの状態にでき、開閉する際に体の動きが少なくてすむなど優れたものですが、一方で、開き戸(ドア)に比べると気密性が劣ります。
軽くて簡単に開け閉めができて、建物から簡単に取り外すことのできる建具は、モヂュールが合えば別の建物にも転用できる素晴らしい建築部品です。

引き戸の「レール」は、とても特殊です。建築と「一体化」していることがほとんどで、そこにはさまざまな工夫があります。襖や障子などの建具を立て込むために開口部の下部に「敷居」があります。(溝やレールがついた水平材)敷居は上部に取り付ける鴨居と「対」のものです。強度と滑りやすさが求められる部位なので、その材料も吟味されてきました。
松が一般的ですが、他に栂や桜、檜などが好んで使われます。滑りにくい場合は、蝋を塗ったり、専用のシールテープを貼ったり、専用のスプレーを吹き付けることで対処できます。開き戸の下枠を「靴摺」と呼びます。バリアフリーの場合、レールや溝は床に直接付けられるので、敷居や下枠のない場合もあります。「敷居」は、空間を隔てる境界として、慣用句にもなっています。一般に礼儀作法では、敷居は踏んではいけないものとされています。(敷居をまたぐ)

百年を超えた住宅の解体を見たことがあります。
驚いたのは、解体で「サクラ」の敷居をはずした時の出来事です。100年を超える敷居は、見事にすり減っていましたが、なんと 柱間から敷居をはずした途端に、敷居はねじれ曲がり、とても再利用できそうにない形に変形しました。グリーン材といいますが、内部応力が安定する前に「生のまま」くみ上げ、おのおのの材がねじれ曲がる力を使って「全体をかためる」という話を聞いたことがありますが、それを見た…と思いました。
お手入れ
表面のホコリは、ブラシやハタキで掃い、建具の素材によりますが、から拭きします。手を触れる部分は特に汚れるのでこまめな清掃を必要とします。「建て付け」といいますが、動きが悪かったりガタツキを調べて必要があれば調整を行います。一般に10年毎に、戸車などの消耗品をチェックし、必要があれば交換します。毎日手に触れる引手金物は、レバーハンドルのように吟味したいものです。しっかりとした建築金物を選んでおけば、末代ものとして十分に長期の使用に耐えられます。
引き戸の場合、レールや敷居溝の清掃が日常的に必要になります。とくに埃たまりとなる部分の清掃を心がけてください。戸袋の奥などは、年に一度程度は徹底的に掃除をしたいものです。レールでなく敷居にはまっている建具は、使用頻度により摩耗する部分がありますが、しっかり作られたものであれば、長期の使用に十分耐えます。今でも、古道具、古材と同じように、リサイクルショップでいいものを手に入れることができます。
種類も様々で、中格子板戸・中細目板戸・中無双板戸・舞良戸・中無双目板戸・中二無双板戸・一枚板戸・網代戸・帯戸・柾目板戸・水屋格子戸・潜り戸…と、さまざまに工夫されてきた歴史があります。
夏戸・通風建具
京都では、夏に「夏用の建具」に模様替えすると聞きました。「よし戸」「よしず戸」など、和紙ではなく風の通り抜ける「簾戸」を保管しておいて、冬用の障子と交換する、という話です。素晴らしい「簾戸」を、木曽路、奈良井宿の旅籠で見ました。竹籤も節を吟味して屋号を表していました。






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