Whole House Catalog

Flooring フローリング

文/武山倫
2010年07月23日 金曜日

フローリング

「Whole House Catalog」連載開始のごあいさつ

一般に英語のフローリング (Flooring) は、「床仕上げ」全般を指します。ここでは日本の建築用語として「板の間」の床仕上げを「フローリング」と呼んでいます。その歴史は古く、1913年、北海道から主にヨーロッパに輸出されたナラ材の端材を処理するために製造が始まったとされています。

フローリング 表

材料と特質

下足での使用を前提にすると、広葉樹の楢、オーク、チーク、花梨などの硬い木が選ばれることが多いですが、素足で暮らす日本のライフスタイルから、檜、桐、杉、カラマツ、アカマツといった質感のよい木材を好んで使います。また、物差しみたいですが、竹を積層したフローリングもあります。長さ、幅は様々ですが、厚さは12mm~15mmが一般的です。一般的には、本実(ほんざね)加工(一方の側面が凸、他方の側面が凹になった形状)を行った木材で、これを噛み合わせることで、床全体を隙間無く覆います。表面保護のためワックスを塗布しますが自然派の選択は、エゴマ、蜜蝋ワックス仕上げです。ワックスかけは自分でできます。カーペットや畳と比較して、光沢があるために見た目の高級感があり、平滑なため清掃しやすく、ハウスダストやダニなどを低減することができます。強度、耐磨耗性などの点でも床材として優れているとされています。

お手入れ

ワックスがけ

日常のお手入れは、ほうき、掃除機での清掃、3ケ月から6ケ月毎のワックス掛けが基本とされています。傷み具合によって部分補修が可能ですが、フローリング材の種類によっては、表面の突板(表面に貼られた0.3~2mm程度の厚さの木の単板)が痛むと下地のベニアが露出してみすぼらしくなるものもあります。また、針葉樹系のフローリングの場合、裂けるように割れる場合があります。在来工法では、大引・根太上に合板の捨て張りをして接着剤を併用で施工します。無垢の場合、材料の乾燥具合、施工の時期(木材の含水率)と使用環境が異なる場合、乾燥して隙間が空き、その結果材料同士が擦れる音(床鳴り)がするなどクレイムの対象となります。この現象は無垢ならではの魅力ともいえますが、トラブルを回避するために、複層フローリング、MDF床材などの「新建材」が開発されてきました。下地材の施工状況にもよりますが、各種マニュアルを見ると、10年目に「床鳴り」「傷み具合」の点検を必要とし、使用状況(傷み具合)にもよりますが、張替の目安は、20年~30年とされています。
コロコロ自然素材の塗料メーカーがお手入れ用に、ワックス掛けとクリーニングを同時にこなすお手入れグッズを販売しています。両面テープがついたコロコロでほこりやゴミを取り去るもの、汚れたら交換に来てくれる化学ぞうきんや、簡単に汚れ吸着部分を付け替える使いまわし風のモップ、歩きながら掃除をしようという変なものから、ロボットまで、広々としたフローリングのお掃除を楽しくしてくれるアイテムがいろいろあります。

掃除

一口にフローリングといいますが、その素材の構成は様々です。

単層フローリング

一般に「無垢材」と呼ばれるもの(全部が1枚の木から構成されたもの・何も足さない何も引かない)無垢ならではの風合いがあり、経年変化によってより深い趣を演出することができます。乾・湿による狂い(変形)が大きく、施工時に注意が必要とされます。また、施工後のメンテナンスが、状態に大きな影響を与える事があります。全く表面処理をしないもの(ワックスを除く)・施工後表面処理(研磨・塗装等)するもの・表面処理を施したもの(塗装・焼き等)に大きく分けられます。

単層フローリング

複層フローリング

数層の下地合板の上に、0.3~2mm程度の厚さの木の単板を張ったもの。狂いが無垢材と比較すると少なく、施工・メンテナンス・取り扱いも無垢材に比べると容易です。塗装されているものもありますが、カラーバリエーションも豊富ですが着色塗装品の場合質の悪い木を染めたというような印象があります。また、見かけ上は60mmとか100mm幅のフローリングに見えていても300mm幅の下地材に貼り付けてある広幅のものがあります。広幅に加工されたフローリングは大工さんの貼り手間が少なくて済むので施工費が安価になります。また、無垢材を複層にした製品もあります。無垢材に比べ加工賃が加算されますが狂いは少なくなります。

複層フローリング

WPC床材

天然木単板にWPC(Wood Plastic Combination)処理を施して仕上がりの美しさと高い耐久性とを付加した製品です。歩行頻度の高い場所にも耐えられる硬度があるので、特に店舗用に適しています。手入れが容易で安価で、傷(表面上の擦り傷程度に限る)にも強いですが、木の質感は劣ります。無垢材と比較すると狂いが少なく、施工は、複層フローリングと同様で、メンテナンス・取り扱いは容易です。木に見えてもプラスティックです。燃やすと黒煙が発生、その燃え方はあきらかに木とは異なるものです。しかし、丈夫で長持ち…加えて安価となると巷にあふれます。土足仕様に使ったことがありますがくたびれない感じにちょっと違和感を抱きました。

WPC床材

集成フローリング

板ではなく集成材を加工したフローリングです。木材を集成する過程で材料は人口乾燥によって確実に乾燥されます。そのため無垢材に比べて施工後の狂いは少ないと思われます。
加工工程を経るため、無垢材のフローリングに比べて価格は高くなります。

集成フローリング

MDF床材

複層フローリングの下地合板に代え、MDF材を使用した床材。基本的には、複層フローリングと同様。MDF (medium density fiberboard) 木材チップを蒸煮・解繊したものに接着剤となる合成樹脂を加え板状に熱圧成型したもの。湿気に弱く、湿気を吸うと紙のようになります。そのほか、特殊なものとして、遮音性能を高める為に、複層フローリングの裏にゴム・ウレタン等のクッション材を貼り付けたフローリング材(遮音機能付き床材)があります。マンションの場合、階下への遮音性能により等級があります。(遮音等級)クッションに馴染む様にフローリング材裏面にスリットが入っている為に柔らかい。(この為に、施工後暫くは、曲りに木が馴染むまで音鳴りする事があります。又、床材どうしが、擦れ合い音鳴りする事がある。)元々は、マンションでの施工を目的に作られたものですが、直張りで施工が安価になる事が多い為、他にも用いられています。

そのほか、床暖房対応フローリング、シックハウス症候群の予防に対応した製品としての低ホルムアルデヒド製品などさまざまな製品があります。建築基準法により、F★★★★等級以下の製品は使用制限がある為、低ホルムアルデヒドについては、殆どの製品が対応しています。

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  1. rinさんからのコメント

    2010/7/29(木)10:00

    「浮づくり」とは木材の年輪を引き立てて見せるために、主にスギなどの針葉樹の板表面、〝春目(はるめ)〟と呼ばれる柔らかな部分を磨いてへこませ、木目の部分を浮き立つようにした仕上げ方法。のことです。最初から古色を帯びた使い込んだ板の表情を持ちます。年月を経た板と同様に、摩耗による劣化過程を経ているため、調子の出てきた感じ(この先何年も変わらないぞ~という安心できる表情)と実力を兼ね備えていると言えます。ツガの「浮づくり」の板を拭きウルシで仕上げて階段の踏み板に使ったことがあります。浮きあがった冬目が適度なノンスリップ感を醸し、これぞ100年階段という風格に仕上がりました。お手入れは無垢の木材と同様です。新築の家に採用される場合、一点豪華主義のお宝として話題の中心になると思います。その先も大切に皆に見守られます。

  2. Pikaさんからのコメント

    2010/7/29(木)07:04

    床の仕様で「浮づくり」という言葉を耳にします。
    興味があるのですが、どうなのでしょう。
    機能(質感・お手入れetc)の観点から解説していただけると幸いです。

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