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町の工務店ネットの長期優良住宅先導事業・平成22年度版

2010年07月18日 日曜日
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町の工務店ネットの提案していた二つの申請が、平成22年度長期優良住宅先導事業に採択されました。
長期優良住宅制度の普及に寄与する先導的提案を取り入れた住宅に対して、最大200万円の補助金が受けられるという制度です。

今回は、町の工務店ネットの提案の概要とあわせて、認定制度のスタートから1年が経過した長期優良住宅について、おさらいをしてみます。

まずは、出来たばかりの長期優良住宅のご紹介。

長期優良住宅 島根県益田モデル

設計・施工/(株)リンケン 基本設計/秋山東一(ランドシップ)
写真/市川かおり

島根モデルハウス外観

竣工ホヤホヤの建物です。
この17日から一般公開がはじまっています。
長期優良住宅は、耐震や、省エネや、耐久などの性能の高さばかりが強調されますが、こういう美しい建物もあるのだ、ということを知ってほしくて掲載しました。
デッキとバルコニーに、たくさんの人がいます。1階と2階の隔てなく、みんな楽しそうに過ごしています。外に、いくつものリビングがあるような、そんな住まいです。
室内に目を移すと、木と白い壁(北海道のホタテ漆喰壁)などの自然素材が用いられています。清楚な空気感が漂っていて、ゆっくり過ごしたい気分を誘われます。

島根モデルハウス内観

益田は島根県の西部にあります。街にいっぽんの川(高津川)が流れていて、この川は清流日本一に選ばれた川です。この川を遡ると、津和野があり、リンケンの本社がある吉賀町柿木村があり、山を越えると広島です。県庁の松江に行くよりも、広島や山口の萩の方が近いという地理条件です。
遠くからモデルを見に来る人も少なくありません。
津和野や萩、石見銀山にいらしたら、ぜひ、お立ち寄りください。

リンケン
http://rinken-style.jp/index.html

長期優良住宅とは

日本の住宅は、欧米諸国に比べて寿命が短いといわれています。欧米の住宅が100年を超える寿命を持っているのに対して、日本ではおよそ30年で取り壊してしまいます。
ご自分の家や、お知り合いの家、周囲の家のことを思い出してみてください。20年程度で建て替え、というケースは珍しくないはずです。

結果、欧米では中古住宅の流通が当たり前となっていますが、日本ではまだまだ進んでいません。
下のグラフは、既存住宅流通シェアの国際比較です。

既存住宅流通シェアの国際比較

日本の資料は平成15年のものですが、全流通住宅のうち、中古住宅はわずか13%に過ぎません。アメリカ、イギリス、フランスは60%以上の割合で既存住宅が流通していることと比べると、日本はいかに「作って壊す、壊してはまた作る」が定着しているかが想像できます。

こうした背景を踏まえ、「いいものを作って、きちんとお手入れをして、長く大切に使う」ための制度として、平成21年6月より、長期優良住宅の認定制度がスタートしました。

2011年6月には、戸建住宅(持ち家、分譲戸建て住宅)の2割に相当する数の住宅が、この認定を受けています。

参考資料
国土交通省報道発表資料:長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づく長期優良住宅建築等計画の認定状況について(平成22年6月末時点)
http://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_000176.html

性能もさることながら、「長く大切に住みたい」と思えるような住宅を、そしてなんらかの理由で住宅を手放すことになったとしても、きちんと流通できる価値のある家をつくることーー決して認定制度だけにとらわれずに、そうした視点を忘れたくありませんね。

建築基準法と長期優良住宅

日本の建物は、建築基準法に基づいて建てられています。
建築基準法の目的は、第一条で以下のように定められています。

この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。

あくまで建築基準法は「最低の基準」というわけです。建築基準法は昭和25年に定められました。その後、社会的な背景等から改正を加えながら運用されています。震災や耐震偽装を背景とした構造関連の見直し、シックハウス対応などが行われてきています。

目的は「国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資すること」とあります。

これに対して、長期優良住宅の目的は、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の第一条で、以下のように定められています。

この法律は、現在及び将来の国民の生活の基盤となる良質な住宅が建築され、及び長期にわたり良好な状態で使用されることが住生活の向上及び環境への負荷の低減を図る上で重要となっていることにかんがみ、長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備について講じられた優良な住宅の普及を促進するため、国土交通大臣が策定する基本方針について定めるとともに、所管行政庁による長期優良住宅建築等計画の認定、当該認定を受けた長期優良住宅建築等計画に基づき建築及び維持保全が行われている住宅についての住宅性能評価に関する措置その他の措置を講じ、もって豊かな国民生活の実現と我が国の経済の持続的かつ健全な発展に寄与することを目的とする。

建築基準法に比べると、ずいぶん長いですね。
「豊かな国民生活の実現と、我が国の経済の持続的かつ健全な発展に寄与すること」が目的です。
要約すると、「スクラップアンドビルドは環境負荷も高いので、きちんと暮らせる長持ちする家を建てて、都道府県に認めてもらって、豊かに暮らして、景気も良くしよう」ということですね。

建築基準法は、守らなければいけない基準です。これに対して、長期優良住宅の普及の促進に関する法律は、あくまで長期優良住宅に限った法律で、それ以外の家に対しての強制力はありません。

例えば、建築基準法では省エネルギーに対する基準はありません(将来の基準化は昨今話題になっています)。これに対して、長期優良住宅では省エネルギー性能についても基準が定められ、これをクリアしなければ認定が受けられません。他にも、いくつかの基準が定められています。

長期優良住宅の認定基準(概要)

国土交通省配布資料より。
戸建住宅・共同住宅によって認定項目に違いがあります。
具体的な内容は、「長期使用構造等とするための措置及び維持保全の方法の基準(平成21年国土交通省告示第209号)」をご確認下さい。

性能項目等 概要
劣化対策 ○数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できること。・通常想定される維持管理条件下で、構造躯体の使用継続期間が少なくとも100年程度となる措置。
〔鉄筋コンクリート造〕
・セメントに対する水の比率を低減するか、鉄筋に対するコンクリートのかぶりを厚くすること。
〔木造〕
・床下及び小屋裏の点検口を設置すること。・点検のため、床下空間の一定の高さを確保すること。
耐震性 ○極めて稀に発生する地震に対し、継続利用のための改修の容易化を図るため、損傷のレベルの低減を図ること。
・大規模地震力に対する変形を一定以下に抑制する措置を講じる。
〔層間変形角による場合〕
・大規模地震時の地上部分の各階の安全限界変形の当該階の高さに対する割合をそれぞれ1/100以下(建築基準法レベルの場合は1/75以下)とすること。
〔地震に対する耐力による場合〕
・建築基準法レベルの1.25倍の地震力に対して倒壊しないこと。
〔免震建築物による場合〕
・住宅品確法に定める免震建築物であること。
維持管理・更新の容易性 ○構造躯体に比べて耐用年数が短い内装・設備について、維持管理(清掃・点検・補修・更新)を容易に行うために必要な措置が講じられていること。
・構造躯体等に影響を与えることなく、配管の維持管理を行うことができること
・更新時の工事が軽減される措置が講じられていること等
可変性 ○居住者のライフスタイルの変化等に応じて間取りの変更が可能な措置が講じられていること。
〔共同住宅〕・将来の間取り変更に応じて、配管、配線のために必要な躯体天井高を確保すること。
バリアフリー性 ○将来のバリアフリー改修に対応できるよう共用廊下等に必要なスペースが確保されていること。
・共用廊下の幅員、共用階段の幅員・勾配等、エレベーターの開口幅等について必要なスペースを確保すること。
省エネルギー性 ○必要な断熱性能等の省エネルギー性能が確保されていること。
・省エネ法に規定する平成11年省エネルギー基準に適合すること。
居住環境 ○良好な景観の形成その他の地域における居住環境の維持及び向上に配慮されたものであること。
・地区計画、景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定等の区域内にある場合には、これらの内容と調和が図られること。
住戸面積 ○良好な居住水準を確保するために必要な規模を有すること。
〔一戸建ての住宅〕
・75㎡以上(2人世帯の一般型誘導居住面積水準)
〔共同住宅等〕
・55㎡以上(2人世帯の都市居住型誘導居住面積水準)
※一戸建ての住宅、共同住宅等とも、少なくとも1の階の床面積が40㎡以上(階段部分を除く面積)
※一戸建ての住宅、共同住宅等とも、地域の実情に応じて引上げ・引下げを可能とする。ただし、一戸建ての住宅55㎡、共同住宅等40㎡(いずれも1人世帯の誘導居住面積水準)を下限とする。
維持保全計画 ○建築時から将来を見据えて、定期的な点検・補修等に関する計画が策定されていること。
・維持保全計画に記載すべき項目については、①構造耐力上主要な部分、②雨水の浸入を防止する部分及び③給水・排水の設備について、点検の時期・内容を定めること。・少なくとも10年ごとに点検を実施すること。

長期優良住宅のメリット

長期優良住宅の普及促進のため、税制優遇措置や補助制度などが準備されています。

●所得税

住宅ローン減税の拡充があります。

一般住宅の控除率 1.0% → 長期優良住宅の控除率 1.2%
(平成23年までに入居の場合)

平成23年以降も、控除対象借り入れ限度額が一般住宅より1000万円多く設定されます。

住宅ローンを借り入れない場合でも、性能強化費用相当額の10%相当額を所得税から控除する制度があります(投資減税型)。

●登録免許税

所有権保存登記 一般住宅特例税率 0.15% → 長期優良住宅 0.1%
所有権移転登記 一般住宅特例税率 0.3% → 長期優良住宅 0.1%

●不動産取得税

課税標準からの控除額が増額されます。

一般住宅 1200万円 → 長期優良住宅 1300万円

●固定資産税

新築時の固定資産税減額期間が延長されます。

戸建一般住宅 3年間1/2 → 長期優良住宅 5年間1/2

これらの制度は適用の要件や期日などが定められています。
詳しくは国土交通省のサイトにてご確認ください。

国土交通省:長期優良住宅法関連情報
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000006.html

●補助金

長期優良住宅を対象とした補助金制度があります。

「木のいえ整備促進事業」は、長期優良住宅を対象に100万円、地域材を活用するとさらに20万円の補助が受けられます。

木のいえ整備促進事業(長期優良住宅普及促進事業)
http://www.cyj-shien22.jp/

町の工務店ネットでは、あらかじめ提案申請を行い、採択された事業者のみが行える「長期優良住宅先導事業」
にも取り組んでいます。
こちらは、制度の普及や技術の発展に寄与する提案に対して、最大200万円の補助が受けられる制度です。

長期優良住宅先導事業とは

この制度は、長期優良住宅の認定基準が定まる前の平成20年度からスタートしました(当時の名称は「超長期住宅先導的モデル事業」)。
平成21年度は「長期優良住宅先導的モデル事業」、平成22年度からは「長期優良住宅先導事業」と名を変えています。

この事業は、あらかじめ提案申請をし、採択を受けた事業者しか取り組めません。
町の工務店ネットでは、これまで3年連続で採択を受けています。

平成20年度
「BeVstandard 超長期モデルプロジェクト」「近くの山の木で家をつくる会」
この他、共同提案として「杉三層パネルを使った地域材民家の普及事業」「木造建築病理学・「既存ドック」システム」が採択されました。

平成21年度
この年は提案を一本化し、「近くの山の木で家をつくる会」現代町家憲章として提案、採択を受けました。

平成22年度
「現代町家」の取り組みが本格化したことから、再度提案を分けました。
「近くの山の木で家をつくる会」「山と工務店、建築家の協働による「現代町家」システム」の2つを提案、採択されました。

平成22年度の提案については、ただいま対象となる物件を募集しています。
平成22年度の募集は定数に達したため終了いたしました。ありがとうございました。

平成22年度長期優良住宅の先導事業・町の工務店ネットの提案概要

長期優良住宅先導事業は、長期優良住宅の認定を取得した上で、さらに先導的な要素を満たして申請する必要があります。
町の工務店ネットの2つの提案の先導的要素の一部をご紹介します。

共通
  • 森を選ぶ4つの基準
    森日本の林業と住宅は本来切っても切れない関係にあります。林業を守り、森林資源を適切に利用していくために、以下の基準を定めました。
    「放置林の木を使わない」「切り捨て間伐の山の木を使わない」「皆伐の山の木を使わない」「高密度作業路網に取り組む山の木を使う」
  • 一坪里山
    一坪里山外来種や、国内でのむやみな植物の移動によって、在来の植物が危機を迎えています。家庭の庭で、地域の植生を守り、育てていく「一坪里山」に取り組みます。

    特集:一坪里山をつくろう!
    http://www.bionet.jp/2010/06/hitotsubo/

  • 「いえかるて」の活用
    家は完成したときがすべてではありません。適切なお手入れをすることで、長く住むことが出来ます。住み続けていくと、なおしたり、改修したりという箇所が出てきます。こうした履歴を記録し、お手入れの時期を教えてくれる「いえかるて」を活用します。
近くの山の木で家をつくる会
  • 町工断熱基準
    断熱性能を向上させることで、冷暖房負荷を減らして省エネルギーに貢献します。
  • ウッドマイルズ評価
    木材の輸送エネルギーを評価し、「近くの山の木」の優位性を評価する仕組みです。

    ウッドマイルズ研究会
    http://woodmiles.net/

現代町家
  • ルールに基づくプランと構造
    2種類の設計マニュアルを定め、設計の自由度を残しながら、プランやルールについて明快なルールを定めました。

    現代町家
    http://gendaimachiya.jp/

上記は先導的要素の一例です。補助金の申請にあたってはこの他にも条件が必要となります。

平成22年度内に着工する物件が対象です。お問い合わせは町の工務店ネットの工務店まで!

町の工務店カタログ
http://www.bionet.jp/machinet/member/

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  1. [...] 町の工務店ネットの長期優良住宅先導事業・平成22年度版 | 特集 …長期優良住宅の認定制度が始まり1年あまりが過ぎました。町の工務店ネットが採択された平成22年度の長期優良住宅 [...]

  2. [...] This post was mentioned on Twitter by 清里の風, 住まいネット新聞びお サヅカ. 住まいネット新聞びお サヅカ said: 長期優良住宅制度が始まって1年あまりが過ぎました。今年度の先導事業とあ [...]

  3. サヅカさんからのコメント

    2010/7/20(火)21:29

    たかさん

    コメントありがとうございます。
    長期優良住宅は一部では「当たり前」になっていますが、世の中ではまだまだ「なんとなくしっている」レベルのようです。この説明ではまだまだ伝わらないところがあると思います。実際のところは、町の工務店で、実物を見ながら語れたらいいなあと思っています。
    このモデルハウスは、私も実物は拝見できていないのです…写真は未公開のものがあるんですけど、それはまたのお楽しみ。
    お近くの方は、是非実物を見に行ってください。

  4. たかさんさんからのコメント

    2010/7/20(火)08:18

    総括的な「特集」となっていていいですね。
    あたまのなかも「整理」できて(笑)。
    また、リンケンさんのモデルハウスも「内と外」の関係性が
    でていてとても、ステキです。

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立春といわれても、まだ冬だよ、といわれる寒波がこの列島を襲っています。けれど、日脚を見ると一日一日伸びていて、木々を見ると芽吹いていて、なるほど立春なのだ、春は立っているのだと思います。

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