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気がつけば、電池だらけ。
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携帯電話、音楽プレーヤー、ノートパソコン、テレビのリモコン、ひげそり、自動車…気がつけば、電池だらけ。みなさんのまわりはどうですか?
電池に電気は貯まっているの?
電気は貯められない、と学校でならったような気がします。
でも、電池って電気を貯めておいて取り出すように見えますよね。やはり電池には電気が貯まっているのでしょうか。
答えは、No。
上にあげたような携帯電話、音楽プレーヤー、リモコンなどにつかわれている電池は、電池内に含まれる物質の化学反応のエネルギーを電気に変えて使っています。
これを、「化学電池」といいます。
一方で、太陽電池のような、電池の外部からのエネルギーを電気エネルギーに変換するものは、「物理電池」と呼ばれています。
どちらの電池も、電気そのものが貯められているのではなく、電気を生み出すしかけをもっています。
電池の呼び方
現在の電池の原型となったのは、1800年にイタリアの物理学者・ボルタ(電圧の単位・ボルトに名を残しています)が作成したボルタ電池と呼ばれるものです。正極極(+)に銅板、負極(-)に亜鉛板を使い、希硫酸につけたものでした。その後、1836年に、ボルタ電池を改良したダニエル電池がイギリスで生まれます。電解液に電極を浸すことから、「池」という表現になったのでしょうか。
「電池」の語源と言える、電解液の中に電極を浸した形状の電池は、湿電池とよばれ、今でも自動車のバッテリーに多く使われています。

自動車のバッテリー。
英語では電池をcell(セル)と呼びます。cellには「細胞」「小部屋」といった意味もあります。電池でいうcellは、正極、負極、電解液の1組の単位を指しています。cellが複数で構成されているものは、battery(バッテリー)と呼びます。batteryは、「組」を意味する言葉です。野球のピッチャーとキャッチャーの組み合わせをバッテリーと呼びますが、これと同様の使い方です。
乾電池は通常、極と電解液は一組で構成されていますからcell、パソコンの電池などはcellが複数組み合わされているのでbatteryなわけですね。
極と電解液の組み合わせによって、さまざまな電池の特性があります。「アルカリ電池」「マンガン電池」「ニッケル水素電池」などという呼び名は、電極や電解液の名称からつけられています。
現在よく使われている電池の電極・電解液の種類
| 電池の種類 | 正極 | 負極 | 電解液 |
|---|---|---|---|
| アルカリ電池 | 二酸化マンガン | 亜鉛 | 水酸化カリウム水溶液 |
| マンガン電池 | 二酸化マンガン | 亜鉛 | 塩化亜鉛水溶液 |
| コイン型二酸化 マンガンリチウム電池 |
二酸化マンガン | リチウム | 有機電解液 |
| リチウムイオン電池 | コバルト酸リチウム | カーボン | 有機電解液 |
| ニッケル水素電池 | オキシ水酸化ニッケル | 水素吸蔵合金 | 水酸化カリウム水溶液 |
ボルタ電池では銅と亜鉛を電極に、電解液には希硫酸を使いました。電池の開発の歴史は、構成材料の組み合わせの歴史ともいえ、さまざまな材料を組み合わせて、これまでに150種類ほどの電池が商業化にいたっています。今でも電池の開発は日々進んでいます。
一次電池と二次電池
おなじみの乾電池や、携帯電話やパソコンのバッテリーなどは、化学電池が一般的です。
化学電池には、マンガン・アルカリ乾電池に代表されるつかいきりの一次電池と、ニッケル水素電池など再充電が可能な二次電池があります。
一次電池と二次電池は、再充電が可能か否かという違いの他に、放電特性にも違いがあります。
一次電池の多くは時間とともに電圧が下がっていくのに対して、二次電池の多くは、安定した放電の後、急に電圧が下がります。
電池にはそれぞれに適した使い方があり、パソコンや携帯電話などについては利用者がその選択をする余地は事実上ありませんが、こと乾電池に関しては、同じ規格でさまざまな種類の電池がありますね。単三電池ひとつみても、一次電池では赤マンガン、黒マンガン、アルカリ、二次電池ではニッケル水素、ニッケルカドミウムなどの電池があります。
さて、ここで問題。
以下の電池、またはそれに使われているものは、一次電池でしょうか。二次電池でしょうか。

アルカリ電池。これは充電不可の一次電池です。

9V電池。これも一次電池です。

携帯電話のバッテリー。これは再充電可能な二次電池。リチウムイオン電池です。

ボタン電池。これは一次電池。

ボタン電池より薄くて広いコイン電池。これも一次電池。

テレビのリモコン。これだけだと、一次電池か二次電池かはわかりませんね。リモコンのような機器は安定した長時間の電圧が不要なので、一次電池が向いています。

充電式ひげそり。充電式なだけに、二次電池です。
2009年の国内での二次電池と一次電池の生産割合は以下のとおりです。
生産総数 43.4億個 一次電池:66% 二次電池:34%
総額 6341億円 一次電池:17% 二次電池:83%
個数ベースでは一次電池が上回りますが、出荷額としては二次電池が圧倒的です。ここ数年の傾向としては、若干の増減をしつつも二次電池の割合が出荷額、個数ともに増えてきています。そういえば、身の回りも二次電池だらけです。
現代の社会では、温室効果ガスの削減を掛け声に、化石燃料での発電から、風力、太陽光などの自然エネルギーによる発電への転換が望まれています。しかし、自然エネルギーは天候に左右される不安定なものですから、これを蓄えておくための二次電池の性能向上が望まれています。ハイブリッドカーや電気自動車などでも二次電池の性能が自動車の性能を左右する重要な構成要素となっています。

プリウスの充電状況モニター。
電池に振り回される
これだけ周りに二次電池が増えてくると、その使用時間や充電時間が気になります。いざというとき、使いたい機器が使えないのは困りますよね。
また、二次電池は充放電を繰り返すと劣化して使用可能時間が短くなります。これが極度に短くなると、バッテリー交換、ということになります。
劣化とは異なる現象で、メモリー効果というものがあります。電池の容量を使い切らずに充電をすると、その放電位置を記憶(メモリー)して、その付近で電圧が低くなってしまうというものです。
過充電はバッテリーの寿命を縮めるとか、深放電は寿命によくないとか、バッテリーについてはさまざまなTipsが飛び交っています。

トホホ…またバッテリーにやられた。
たとえば、パソコンや携帯電話で主流のリチウムイオン二次電池を長く使うためのコツとして、いかのようなものがあります。
バッテリーは熱に弱い。充電しすぎることもよくない。このため、ACアダプタをつけっぱなしで使うのはよくない。
バッテリーは50%程度の充電ですずしいところに保管しておくのが良い
つぎたし充電は一時的にメモリー効果が起きることがあるが、リチウムイオンの場合は深放電(バッテリーを空っぽにすること)を行うと解消される。
実際にこんなことやっていられるでしょうか。
私たちは、バッテリーで動かす機器を使いたいわけで、バッテリーそのものを使いたいわけではないのですが、バッテリーがへそを曲げるといざというときに困ったり、交換の出費や手間もあるので、このような情報が出てくるわけですね。
ところが、たとえばipodや最近のMacなどは利用者によるバッテリーが出来ず、バッテリー交換はメーカー持ち込みというケースもあります。iphoneなどは、バッテリー交換は本体まるごと交換ということになってしまい、アメリカっぽいというか、なんというか。

ipodはバッテリー交換ができません。
直流の時代がくるか?
電流の種類には、直流(DC)と交流(AC)があります。直流は、電流の向きや大きさが一定なのに対して、交流は電流の向きと大きさが周期的に変化します。
電池は直流、いっぽう、発電所から家庭まで送られてくるのは交流によるものです。
直流と交流で有名なのが、発明王エジソンと、磁束密度の単位にその名を残すテスラとの確執です。テスラはエジソンの元で交流発電を発明しますが、エジソンは直流発電による特許権を持っていたため、交流は危険であるなどとして、テスラと決別します。しかし結果的には社会は交流を選択し、今に至ります。
ところが、昨今になって、また直流が見直されています。
電池の電流は直流によるものです。家庭用太陽電池による発電もしかり。
商用電源は交流ですから、家電も交流用に作られており、直流を交流に変換する必要があります。この変換過程で3割の電気が失われるとされています。
電気を直流のまま使えば、この変換ロスがなくなります。家庭で電気エネルギーを生み出していく時代には、直流による電気機器の利用は無視出来ないと言えるでしょう(昨年から太陽光発電による定額買取がはじまりましたので、現時点では発電分を売電することがおトク、ということになるのでしょうけれど)。
電池と安全・環境
一次電池は使い捨て、二次電池もだんだんと出力が弱り、やがて電池としては使えなくなります。これらの使えなくなった電池はどのように処理されているのでしょうか。
現在の乾電池には「水銀0使用」と書かれているものを見かけます。これは「水銀0」という物質があるのではなく、水銀を使っていないという意味です。代表的な乾電池のマンガン電池やアルカリ電池には、以前は水銀が含まれていました。しかし水銀には毒性があることから、現在は乾電池には用いられていません。
乾電池の埋立実験では水銀の流出はごくわずかだとされていますが、危険な物質が含まれていたことにかわりはありません。
現在では、危険な物質は含まれてないとして、一次電池は、自治体がゴミとして回収しています(区分は自治体によって異なります)。
家庭で使うような小型の二次電池については、資源有効利用促進法によって、電池メーカーおよび電池を使用する機器のメーカーに回収・再資源化が義務付けられています。

二次電池はリサイクルが行われています。これはリチウムイオンのリサイクルマーク。
しかし2007年度実績では販売数量に対してのリサイクル量は推定でおよそ3%と、高い数値ではありません。繰り返しつかえることからリサイクルのタイミングをはかりかねるのか、あるいは一次電池と同じように廃棄してしまっているのでしょうか。
ペットボトルは、メーカーがリサイクルをうたい、ペットボトルを使うことへの罪悪感を減らしたことで、結果として消費を増やしたという背景がありました。
二次電池のリサイクル率の低さは、メーカーがリサイクルを通じて利益をあげるモデルが確立していないことにほかならないでしょう。
また、ボタン電池については、一次電池でありながらリサイクルの対象になっています。これは、レアメタルが使われているものがあること、そして、つい最近まではすべてのボタン電池に水銀が含まれていたことが理由です(昨年、水銀を使わないボタン電池が発売されました)。
また、現在も多く用いられるリチウム電池に含まれる金属リチウムは、金属の中でイオン化傾向が最も大きいものです。そのため、水と反応すると水素を発生させ、また酸素と反応すると熱を出し、自身も燃えやすいという危険な金属でもあるのです。
二次電池が充電中に加熱、発火するというトラブルも、度々起こっています。使用方法を間違えなくても、製造上の問題などによって事故が起こり得ます。
これからもどんどん便利になり、いっそう私たちの身の回りに増えていくであろう電池。「使い方」だけでなく、廃棄・リサイクルなどの「手放し方」も知っておきたいですね。
参考
新しい電池の科学 梅尾良之著 講談社
トコトンやさしい2次電池の本 細田條著 日刊工業新聞社
電池のサイエンス 岡田和夫著 森北出版
社団法人電池工業会 http://www.baj.or.jp/






2010/8/5(木)04:41
溝口恵美子さん
コメントありがとうございます。
バッテリーの種類によりますが、二次電池の場合は原則としてはリサイクル、だと思います。
一次電池だとしたら…周囲にあげるか、発想を変えてバッテリーアートでも作るなんてのはどうでしょうか。
2010/8/4(水)22:09
使い切れたないバッテリーが山のようにあります。
捨てるのにはもったいないのですが何か使い道がありますか?