特集
記憶の拡張・メモとEvernote
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記憶と記録。メモとノートはこんなに違う?
メモは英語では「memorandum」、覚書という意味で使われます。
「メモする」というのは和製英語としての使い方で、同じようなことを英語では「take note」「note down」などと表現します。
memorandumの語源は、ラテン語のmemorare(思い出す)から来ていると言われています。memory(記憶)も、同じ語源です。
いっぽうのノート(note)は、ラテン語のnota(しるし)、notare(しるしをつける)が語源です。
日本では、「メモ」が走り書き、「ノート」はきちんと記録して取っておくもの、というイメージがありますが、語源から見ると、必ずしもそんなことはないようです。
ノートは「記録」、メモは「記憶」という違い、といってもいいかもしれません。今回は、メモと記憶の話。
脳の容量はどのぐらい?

脳は1テラバイトとも、10テラバイトとも言われる大容量。
唐突ですが、人間の脳の「記憶容量」はどのぐらいか、ごぞんじですか。
1TB(テラバイト)とも10TBとも、いわれていて、もっと多いという説もあります。
最近のパソコンの、ちょっとイイヤツについているハードディスクが、1TBぐらいです。1TBと言われても、実際にどのぐらいの容量なのか、あまりピンと来ませんね。
日経新聞朝刊がおよそ0.95MB(メガバイト)だったという記事がありました。
これを、GB(ギガバイト)になおすと、0.00093GB。さらに、TB(テラバイト)になおすと0.000000908203125TB。
仮に脳の容量が1TBだとしても、日経新聞の朝刊が100万日分以上記憶出来ることになります。

我々の脳は、2000年分以上の新聞が記憶出来る、らしいですが…
100万日というのは、2700年以上。
これは容量1TBの場合ですので、もし脳の容量が10TBだったら、この10倍の、2万7000年分の日経新聞朝刊が記憶出来ることになります。
どうですか? 私たちは、こんなに凄い記憶装置を持っているのです。
短期記憶と長期記憶
人間の記憶には、おおざっぱにわけると、短期記憶と長期記憶があります。短期記憶というのは、ぱっと見た数字を覚えたりすることです。短期記憶は、どんどん消え去っていく記憶です。
それに対して長期記憶とは、ずっと覚えていられる記憶です。2700年分の新聞を覚えていられるはずの長期記憶ですが、しかし、ほとんどの人が、「そんなの無理」といえるのではないでしょうか。
長期記憶は、容量こそたくさんあっても、その検索がうまく出来なければ引き出してくることが出来ないのです。
短期記憶と長期記憶の間をつなぐのが、「メモ」といえるかもしれません。
これだけの大容量記憶装置を持ちながら、検索が出来なくて情報を引っ張りだせない。これが「忘れる」ということです。情報がなくなってしまっている場合もあるようですが、多くは検索がうまくいかず、「思い出せない」ということになります。
実際には、忘れた記憶も残っているようです。
WIRED VISION 「忘れた記憶」も脳には存続:実験で実証
http://wiredvision.jp/news/200909/2009091023.html
記憶の拡張・メモ

記憶の女神から名づけられた記憶用メモ「ニーモシネ」
さて、脳の記憶容量は実は膨大なのですが、覚えていられない(思い出せない)ことが多いので、人はメモをとります。
どんなときに紙にメモ・ノートをとりますか?
仕事の打ち合わせをしているとき、講演会を聞いているとき、授業を受けているとき、電話をしているとき、買い物を頼まれたとき…誰かの話を聞くときには、紙とペンなどをつかって記録をとることが多いのではないでしょうか。
夕ご飯何にする?とか、おはよう、とか、そういうことを記録している人は、あまりいないでしょう。
そもそも覚えておく必要のない情報とか、覚えていられる自信がある情報などは、短期記憶で済むので記録しないのですね(それでついうっかり、ということはよくありますが)。
また、打ち合わせ中にずっとノートをとっている人を見かけますが、記録としてのノートの中に、半端に自分の記憶や意見が入ってしまって、事実なのか感想なのかがわかりにくくなってしまうこともあります。
どこまで脳にたより、どこまでを外部に置いておくか。記録と記憶をどう区別するのか。気楽にとっているメモですが、こうしたことを考えながら行うことで、全然違う世界がみえるかもしれません。
Evernoteはスゴイぞ
長文はパソコンで入力することが多くなり、写真をふくめたさまざまな情報がアナログからデジタルに代わり、紙のメモはあくまでも一時的媒体という考え方があります。
入力装置としては、携帯電話・ネットブックなどにはじまり、ポメラのような文字入力に特化した機器も登場しています。もちろん長文記入にも使えるように大きなキーボードがついていますが、2秒で起動というセールストークからも、メモ的に使うことも想定されているのでしょう。
最近流行りのクラウドのなかで、メモ・ノートのクラウドとして完成度が高いのが、Evernoteです。
簡単にいうとメモをインターネットに保存しておき、複数の機器で同期できるサービスです。
windowsやmac、iphone等には専用ソフトがありますが、ソフトがインストールされていなくてもブラウザから利用できます。
このたび、日本語版が発表されました。
すでにご利用の方も多いかと思いますが、ここでご紹介します。

Evernote(日本語)
http://www.evernote.com/about/intl/jp/
登録はニックネームとメールアドレスだけ。料金は無料プランと有料のプレミアムプランがありますが、まずは無料でも十分使えます。

WEBページからノートを表示してみます。

これはMacの専用ソフトの画面。Windows用も概ね同じ機能のソフトがあります。ご覧いただいてわかるとおり、「びお」の草稿はEvernoteで書いています。複数のパソコンやiphoneでも閲覧・修正出来て便利。

iphone用。同じノートを表示しています。

紙でとったメモをスキャンして画像として登録したり、パソコンやiphoneのカメラで撮って登録も可能です。もちろん自分で文字として入力しなおすのもあり。
英文字ならば、画像内の文字まで検索してくれますが、日本語はまだ画像内の文字には対応していません。
タグ付け、複数ノートブックなど、使いこなそうとすると難しそうに思える機能もありますが、まずはひとつのノートブックになんでも放り込んで、検索するだけでも十分価値があります。
WEBクリップ機能では、気になったWEBページを簡単に登録。画像は「びお」をclipしているところ。

パソコン内に保存されたデータは、オンライン時にサーバーと同期されます。
データがネット上にあるのがセキュリティ上心配、という人もいるかもしれません。プレミアムプランではセキュアな接続もできますので、置いておく情報の質・重要度と費用を天秤にかけて決めればよいでしょう。
無料版Evernoteでは、転送量(サーバーとのデータのやりとりの量)が、月間40MBまでとなっています。写真をどんどん入れるには心もとない量ですが、文字中心なら40MBはかなりの量です(新聞朝刊が1日分で1MBに満たない程度ですから、一ヶ月分の新聞の文字が全部入るほどの容量です)。
記憶容量自体は、きっと脳のほうが多いのでしょうが、(すぐ忘れてしまう)脳より検索がやりやすいですよ!
脳・紙・Evernoteをうまく使い分けて、記憶と記録の達人を目指してみませんか。







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