興味津々

「Is there a Santa Claus?」

秋山東一(「びお」編集委員)
2009年12月07日 月曜日
 

 

この季節、わが家でも宗教とは関係なくクリスマスとなったものでした。そして、3人の子供たちはサンタクロースを心待ちにするのを常としていたものです。
「ねぇねぇ、お母さん、○○君んちにはサンタさん来たんだよ。○○デパートから」なんて言っていた次男が「お父さん、来たんだよ、サンタさん、ほら」なんて、クリスマスの朝、プレゼントを持って飛んできました……、その次男も、もう31才です。

そのように、サンタクロースからずいぶんと縁遠くなってしまいましたが、サンタさんがいるいないなんて、子供たちから聞いたり答えたり、サンタになって、プレゼントを隠したり、こっそり置いたり……、今もってご苦労なさっている皆さんがおられるんだろうと想像し、微笑ましく思い出しています。

昔々、サンタクロースの存在が新聞の話題になったことがありました。

100年以上も前の昔、1897年、ヴァージニア・オハンロンという8歳の少女がニューヨークの新聞「ニューヨーク・サン」紙に、「サンタクロースはほんとうにいるのでしょうか」という投書をしたのが始まりです。 ヴァージニアは父親にサンタさんはいるのと聞いたらしいのですが、お父さんは、それは新聞社の人に聞いたらいい、あのひとたちはなんでも知っているからねと答えたのだそうです。それで、ヴァージニアはニューヨーク・サンへ手紙を書いたのでした。

「編集長さま、わたしは8才です。 わたしの友だちにはサンタクロースなんていないんだといっている子がいます。 お父さんは「サン新聞に問い合わせてごらん。新聞社のひとがサンタクロースがいるというなら、たしかにいるんだろう」と、いいました。
ほんとうのことをおしえてください。サンタクロースって、ほんとうに、いるんでしょうか?

ヴァージニア・オハンロン
 ニューヨーク市西95番街115番地」

この手紙を読んだニューヨーク・サンの編集長は、部下のフランシス・チャーチ記者に、この子どもへの返事を書くことを命じ、それを社説として新聞紙上に掲載したのです。


ヴァージニア、あなたのお友だちは間違っています。そのひとたちは見えるものしか信じないのです。そのひとたちは、そのちいさなアタマで理解できるもの以外は存在しないと思っているのです。

ヴァージニア、サンタクロースはいるのですよ。目には見えないけれど愛と親切と献身とが存在するように。もしこの世界にサンタクロースがいなかったら、どんなにつまらないことでしょう。それはこの世にヴァージニアがいないのと同じほどつまらないでしょう。そこには、子どもらしい信じる気持もなければ、われわれに生きる望みを与えてくれる詩も夢もないことになります。子どもたちがいるからこそこの世に満ち満ちているあの永遠に輝く光が消えてしまうことになるのです。

サンタクロースを見ることは誰にもできません。しかし、それでもサンタクロースがいないということにはならないのです。この世で一番真実なものは大人にも子どもにも見えないものなのです。… この世で見えないものの中に隠されている不思議な魅力をすべて知り尽くし想像し尽くすことは誰にもできません。信仰 faith, 詩 poetry, 愛 love, romance のみがそのカーテンを押し開いて、その向こうにあるえもいわれぬ美しさ、栄光を見せてくれるのです。ヴァージニア、この世の中にはこれ以上に真実で永遠なものはないのです。

サンタクロースはいるのです。そして千年後、また千年の十倍のまた十倍の後になっても、サンタクロースは子どもの心を喜びで満たしつづけてくれるでしょう。


手紙を書いた女の子、ヴァージニア・オハンロンは学校の教師として一生を過ごし、1971年、82才の生涯を終えたそうです。

私は5年前、メールマガジンの記事でこの話を知りましたが、この季節になるといつも思い出します。

サンタクロースは実在するのか(Wikipedia)
aki’s STOCKTAKING
http://landship.sub.jp/stocktaking/

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  1. トラックバック from:aki's STOCKTAKING

    2009/12/9(水)22:45

    「びお」興味津々 /091207

    link 住まいネット新聞「びお」のコラム「興味津々」に、「Is there a Santa Claus?」なる短文を寄稿した。 1897年の8歳の少女による「サンタクロースはほんとうにいるのでしょうか」という投…

  2. AKiさんからのコメント

    2009/12/13(日)07:12

    kadoorie-aveさん、どうもです。
    私は、この話しを思い出すたびに、昨年話題になった Where The Hell Is Matt? を見た時の気持ち、この世界は……満更悪いところではないんじゃないか……と思うのです。

  3. kadoorie-aveさんからのコメント

    2009/12/12(土)14:56

    ずうっと昔、まだ高校生の頃だったでしょうか??日本語版の初版本を買いました。子供…じゃない、ティーンエイジャーごころに、「正直でまともな大人のひとがいてよかった…」と思いました。

    (それにしても、これほどわかりやすく、心の在り所のしっかりした文章を書ける人って、世界中の新聞社にどれくらいいるんでしょうか。今。(新聞社への批判じゃなく、素直な質問として。))

  4. たかさんさんからのコメント

    2009/12/10(木)11:41

    ウワッ!!!
    サンタさんからのコメントが入っている!!!
    ことしも「しあわせなクリスマス」が迎えられそうです…。
    ありがとうございます、サンタさん…。

  5. サンタさんからのコメント

    2009/12/9(水)20:15

    ここの絵は、Raymond Briggs の「Father Christmas」の表紙ですが、邦訳本は「さむがりやのサンタ」という絵本で、皆に親しまれています。

    その絵本の中で、サンタの為に用意されていたテーブルの上のワインをサンタが喜ぶシーンがあります。それ以来、当家でもテーブルの上にワインを用意するのが習わしになりました。
    皆が寝静まった後、私(父サンタ……)がちょっと飲みますので、朝、少し減っているワインを見て、やっぱりサンタさんが来たんだと、子供たちが喜ぶのでありました。

  6. サヅカさんからのコメント

    2009/12/9(水)18:52

    たかさん

    コメントありがとうございます。
    うちの子は、クリスマスの朝(夜?)、寝ぼけ眼にサンタクロースを見たことがあるそうですよ。
    羨ましい、です。

  7. たかさんさんからのコメント

    2009/12/9(水)18:32

    朝の「早い」わたしは、こどもらに「サンタさんを絶対見ちゃだめっ」と
    叱られています。
    いつまでのことかは、わかりませんが、この季節になると、とても幸せな
    気持ちになります。
    僕も「サンタさんを見た」ことはありませんが、サンタさんは僕ら大人の
    こともどこかで、見守っていてくれる、そう思っています、
    それがだれなのか、は別として…。

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