旬のデータ

冬の野菜・果物

2009年12月07日 月曜日

だいこん(大根)

だいこん(大根)

スープの味をよく吸い、煮物の具として大変人気の高い野菜。一年中出回っているが、冬が旬。夏の大根は辛みが強く、冬は甘みが増して水分が多い。「すずしろ」の異名でかぶ(すずな)とともに「春の七草」のひとつに数えられ、重要な根菜とされてきた。
あまりにも古くから栽培されているため、起源や原産地などが定まっていない。栽培種は中央アジアが起源地の一つと考えられている。
古くから日本人に親しまれてきた野菜である。古名は「おおね」で、「大根」の字が当てられていたが、のちに音読みされて「だいこん」になった。日本での記録は、『日本書紀』(720年)の仁徳天皇の歌に「於朋泥(おほね)」として登場するのが最初。江戸時代前期にはいくつもの品種が成立し、栽培法も確立していった。
これまでに非常に多くの品種が生まれており、日本はその数が最も多いとされるが、店頭でよく見かけるのは青首大根。冬期には、わずかながら地方の在来品種も登場する。
根の部分は淡色野菜でビタミンCと消化を促進する酵素類が多い。デンプン分解酵素ジアスターゼ・脂肪分解酵素リパーゼ・タンパク質分解酵素プロテアーゼなど豊富な酵素が働き、胃の調子を改善する。ただし、これらの消化酵素は加熱すると効果が失われるので、胃もたれなどの解消にはおろしなど生で食べるとよい。脂ののった焼き秋刀魚に大根おろしの組み合わせは合理的である。
葉の部分は緑黄色野菜で、ビタミンCやカロテン、カルシウム、鉄、カリウムなどが豊富。葉もぜひ食べたい。
大根は葉に近いほど甘みがあり、先端にいくほど辛みが強くなるという特徴がある。甘くかたい葉の近くは大根おろしやサラダ、うま味の強い真ん中はおでんなどの煮物、辛みが強く水分の多い先端は味噌汁や漬物、というように用途によって使い分けるとよい。また、繊維質なので、縦に切るか横に切るかで大根の味が違ってくる。サラダなどでシャキッとした食感を味わいたいときは、繊維に沿って縦に切る。一方、味噌汁や煮物などは、繊維に対して横に切ると、早く火が通って味がしみ込みやすくなる。
皮の近くにビタミンCが集中しているので、皮は薄くむくとよい。
選び方
ツヤと張りがあり、太く、肌が白くすべすべで毛穴の少ないもの、ヒゲ根の少ないものを選ぶ。葉はみずみずしく張りのあるものがよい。
葉つき、泥つきのものがあったら迷わずそれを選ぶ。カットされた大根は鮮度の低下が早いので注意する。
選び方
びお・七十二候「小寒/雉始雊・きじはじめてなく」

かぶ(蕪)

かぶ(蕪)

大根と同様、古くから日本人に親しまれてきた野菜。味や食感が大根とよく似ているが、かぶの方が甘く、やわらかいのが特徴。「すずな」の異名で大根(すずしろ)とともに「春の七草」のひとつに数えられ、重要な根菜とされてきた。旬は晩秋から初冬にかけて。この時期のかぶは春のものよりも甘くなる。日本全国で地方品種が多く栽培されている。(聖護院かぶ、天王寺かぶ、津田かぶなど)
原産地はアフガニスタン説と地中海沿岸説がある。日本では『日本書記』(720年)にすでに記録があり、かなり古い時代に中国または朝鮮半島からもたらされたと考えられている。
栄養的にも大根ととてもよく似ている。根は淡色野菜で、ビタミンCや消化酵素などを含む。根に含まれる消化酵素アミラーゼには、胃の不快感を取り除く作用がある。ただ、アミラーゼは加熱すると効果が失われるので、効果を生かすためにはサラダやおろして食べるとよい。かぶはアクが少なく甘みもあるので、生でもおいしく味わえる。加熱する場合も、短時間で素早く仕上げるとよい。
また、根の辛み成分はガン予防に効果がある。
葉は緑黄色野菜で、根よりも栄養価が高く、カロテンやビタミンC、カルシウム、鉄分、食物繊維などが豊富に含まれている。炒め物や煮物、和え物や浅漬けにするなどして、葉も捨てずに利用したい。
選び方
根の部分がより白いもの、肌のきめが細かく、張りとツヤがあるもの、葉の緑が鮮やかで、葉先がみずみずしくピンとしているものを選ぶ。葉の付け根がしっかりしているものがよい。
肌に茶色の傷やシミのあるもの、葉が茶色くなっているものは避ける。

はくさい(白菜)

はくさい(白菜)

鍋物や漬物に欠かせない、冬の食卓で大活躍する人気の野菜。炒め物・煮物・蒸し物・シチューなどにしてもおいしく食べられる。また、大根、豆腐とともに「養生三宝」とされ、精進料理に欠かせない野菜でもある。クセのない味とやわらかい食感が親しまれており、生産量も多い。
古代中国北部で栽培されていたかぶの仲間がチンゲンサイの仲間と交雑して生まれた野菜。中国を中心に古くから栽培されていたが、日本への導入は比較的新しく、明治初期とされる。
寒さに強く、水分を多く含んでいるのが特徴。霜が降りるほど寒くなると、寒さへの抵抗力を高めるため細胞内の糖度を上げ、甘みが増しておいしくなる。日本では白菜といえば結球したものを指すが、半結球や不結球のものもある。(結球していない白菜は漬け菜と呼ばれる。)気候や風土に合わせて改良されるため、多くの品種が出回る。
白菜の成分の95%以上は水分だが、風邪予防に効くビタミンCや利尿作用があるカリウムも豊富に含む。ビタミンCやカリウムは水溶性なので、鍋物や煮物にして煮汁ごといただけば、栄養を逃すことなく食べることができる。消化がいい野菜なので、胃弱体質や病人の食事にもよい。
選び方
葉先までかたく巻いていて、葉がぎっしりつまっているもの、葉先に弾力があり、ずっしりと重たいものを選ぶ。根元の切り口が変色しておらず、白くみずみずしいものがよい。外葉は緑色が濃く、黄ばんでいないものがよい。
半分にカットされたものは、断面が平らで、葉がつまっているものを選ぶ。(断面が盛り上がっているものは古い可能性がある。)
選び方
びおハレの日の旬・ケの日の旬 「まるごと使いたい・白菜の話」
びお特集「冬はやっぱり鍋でしょう!」

ほうれんそう(菠薐草)

ほうれんそう(菠薐草)

ビタミン、ミネラルが豊富で、緑黄色野菜の中でも特に栄養価が高い野菜。寒さに強く、霜に当たると甘みが増すといわれている。旬である冬に露地栽培されたものは、一段と栄養価が高く(冬ものには、夏ものの3倍近いビタミンCが含まれている)おいしい。
原産地は中央アジア。大きくは西洋種と東洋種に分けることができる。日本へは江戸時代に中国から東洋種が伝わり、その後明治時代になって西洋種が導入された。現在では、両種を掛け合わせた交配種が主流になっている。また、最近では生食に向くサラダほうれんそうも出回っている。
鉄分の含有量は野菜の中でもトップクラス。また、鉄分の吸収を高めるビタミンCやカロテン、葉酸も豊富に含んでいる。ビタミンB群やカルシウムも多い。造血作用があるため、貧血に悩んでいる人には最適の野菜。
お浸し・和え物・汁の実・炒め物・鍋物・グラタンなど、用途も幅広い。繊維がやわらかく消化吸収がいいので、赤ちゃんの離乳食、老人や病人の栄養食にも適している。アクが強いので、下ゆでしてから調理する。サッとゆで、ゆで上がったらすぐ冷水にとり、サッとさらしてアクを流す。
「ポパイ」でお馴染みだが、これでアメリカの子どものほうれんそう嫌いが直ったとか。
選び方
葉の緑色が濃く、ピンと張っていてツヤがあり、みずみずしいもの、茎がしっかりしているもの、根の切り口が新鮮なものを選ぶ。
根の赤色が鮮やかなものほど、鮮度がよい。

しゅんぎく(春菊)

しゅんぎく(春菊)

栄養価が高く、香りがよく、ほろ苦さが好まれる冬野菜。耐暑性と耐寒性がとても強いため1年中栽培されているが、冬が旬。
原産地は地中海沿岸地方。食用としているのは日本を含む東アジア一帯のみで、ヨーロッパでは観賞用として栽培されている。日本へは室町時代に伝わり、江戸時代に食用としての栽培が始まった。葉の形が菊に似ていて、春になると菊のような黄色い花を咲かせることからこの名がついた。関西では「きくな(菊菜)」と呼ばれている。
ビタミン類、カロテン、カルシウム、カリウム、鉄などを多く含む。独特の香りがあるが、この香り成分にはアルファピネンやペリルアルデヒドなどが含まれており、咳止めや消化促進、食欲増進に効果があるとされている。
特に鍋物との相性がよい。天ぷらや和え物、お浸しにしてもおいしい。独特の香りや苦みを楽しみたいが、加熱しすぎると香りが失われ、さらにはアクが強まるので注意する。
選び方
葉の緑色が濃く、肉厚で、香りの強いもの、葉がシャキッとしていてみずみずしいもの、葉と葉が密生しているもの、茎があまり太くなく、みずみずしいものを選ぶ。
葉が根元から発生していて、黄色の葉が混じっていないものがよい。
選び方
びお特集「冬はやっぱり鍋でしょう!」

こまつな(小松菜)

こまつな(小松菜)

シャキッとした歯ざわりで、ほうれんそうと同様、冬の青菜の中でも代表格。1年中出回っているが、冬の寒い時期が旬。寒さに強く、霜に当たることによって葉が厚くやわらかくなり、甘み、おいしさが増す。かぶから葉野菜用に品種改良されたものといわれている。もともとは中国から伝来したものだが、江戸時代の中期に江戸の葛西付近で改良され「葛西菜」と呼ばれていた。その後、江戸の小松川(現在の東京都江戸川区周辺)で改良・栽培されたことからこの名で呼ばれている。東京の特産品ともいえる野菜で、現在でも関東を中心に多く栽培されている。
カルシウムの含有量は野菜の中でもトップクラスで、ほうれんそうの約3倍以上。そのため、骨粗しょう症予防に効果的。また、ビタミンK、ビタミンC、カロテン、鉄などを豊富に含んでいる。ほうれんそうよりもアクが少なく、下ゆでの必要がないので、より使いやすい野菜といえる。色と食感を生かすためにも、加熱はサッと短時間にするとよい。和え物・炒め物・お浸し・煮物・汁の実・漬物など、幅広い用途で利用できる。東京では正月の雑煮に欠かせない野菜で、雑煮を鮮やかに彩る。
選び方
葉の緑色が鮮やかでツヤがあり、葉肉が厚く、葉の先までピンと張りがあるもの、茎に張りがありみずみずしいもの、株が大ぶりで、根がしっかりと張っているものを選ぶ。

みずな(水菜)

日本固有の品種で、みずみずしくシャキシャキと心地よい歯応えが魅力。1年中出回っているが、晩秋ごろからおいしくなる。旬は冬で、霜に当たるとやわらかくなる。京野菜の一種。京都で古くから栽培されていた。江戸時代初期に発刊された食べ物の百科事典『本朝食鑑』に、既に水菜が登場している。東寺のある京都・九条の辺りで、肥料を使わず水と土だけで栽培されていたためにこの名になったとされる。関東方面では京都からきた野菜ということで「京菜」と呼ぶ。現在では全国各地で栽培されている。水菜の変種に「みぶな」があり、これは葉に切れ込みがなく、丸く細長いのが特徴で、水菜と同様に使われる。
ガン予防に効く抗酸化作用のある水菜のビタミンE含有量は、小松菜や春菊を上回る。また食物繊維を含むので、腸内の悪玉菌を排泄する。葉にビタミンC、カロテン、鉄分、カルシウムなどを豊富に含み、緑黄色野菜ならではの栄養価の高さを誇る。
全国に広まってからまだ日が浅いが、鍋に、サラダに欠かせない野菜になりつつある。鍋物や煮物、炒め物にしてもその食感が失われにくく、また、水菜特有の香りと辛みは、肉や魚の臭みを取る効果もあり、アクも少ない万能な野菜。シャキシャキとした食感を生かすため、さっと手早く加熱するのが基本。生食は、きざんだものを軽く塩もみするとしんなりして食べやすい。最近では欧米でも、和名のまま「みずな」と呼ばれ食べられている。
選び方
葉がピンとしてしおれておらず、葉のギザギザがみずみずしいもの、葉の色が濃い緑色で香りの強いもの、茎は細く白くシャキッと張りのあるものを選ぶ。付け根は白く、株の切り口の断面が小さいものほどよい。

ブロッコリー

アクがほとんどなく、ゆでるとほのかな甘みがあり、キャベツやカリフラワーに似た味わい。鮮度のよいものほどやわらかい。
原産地は地中海沿岸。イタリアで野生キャベツを品種改良したものである。日本へ入ってきたのは明治時代だが、本格的に栽培が始まったのは第二次世界大戦後から。特に1980年代以降に普及が進んだ。近年は重要な緑黄色野菜の一つになっている。
花蕾の部分は濃い緑色が一般的だが、黄緑、紫、白などの品種もある。寒暖に強く、耐病性にも優れている丈夫な野菜。一年中出回っているが、旬は冬。
ほうれんそうに並ぶほど栄養価の高い緑黄色野菜で、その栄養価の高さから人気がある。特にビタミンCが豊富で、ブロッコリー3分の1個で成人の1日あたりに必要なビタミンCを充分に補給することができる。またカロテン、カリウム、カルシウム、鉄分なども多く含んでいる。ガン予防にも効果的。
サラダやシチュー、グラタンなど幅広く利用できる。茎の部分には甘味があり、栄養も同じように含まれるので、捨てずに食べるようにしたい。(かたい部分は皮をむけばよい。)ゆで時間を長くして加熱しすぎると栄養素が逃げてしまうので、手早く調理する。
選び方
つぼみが小さく粒ぞろいでツヤがあり、こんもり盛り上がっているもの、粒がぎっしり詰まっており、きれいな緑色のもの、株の切り口がみずみずしいものを選ぶ。
葉がついている場合はピンとしているものを。
黄色く変色しているものは古い。

カリフラワー

ブロッコリーと同様に扱われることの多い野菜だが、近年ではブロッコリーの人気に押されて生産が減る傾向にある。ブロッコリーに比べて、ほのかな甘みと独特の食感があるのが特徴。
もともとは地中海沿岸で生まれたキャベツの一変種。ブロッコリーの突然変異によって生まれたという説もある。日本へ導入されたのは明治時代だが、1960年代に入ってから普及した。一般的にはクリーム色(白)だが、紫色やオレンジ色の花蕾をつける品種も作り出されている。真夏を除いた通年出回っているが、旬は冬。
ビタミンCが多量に含まれている。カリフラワーのビタミンCは、加熱しても失われにくいのが特長。
少しかためにゆでてサラダ、グラタン、クリーム煮、スープ、ピクルス、和え物、炒め物などに。アクが強いのでたっぷりの湯でゆでる。
茎の部分にもたくさんの栄養素(特にビタミンC)が含まれている。茎は食感がかたいために捨てられることが多いが、外側の皮をむけば、小房部分とは違った食感の食材としておいしく活用できる。
選び方
持ったときにずっしりと重みがあるもの、白いつぼみが開花しておらずぎっしり詰まっているもの、変色や粉ふきがないものを選ぶ。外葉がしおれておらず濃い緑色のものが新鮮。

ねぎ(葱)(根深ねぎ)

ねぎ(葱)(根深ねぎ)

さまざまな場面で活躍し、日本人の食卓に欠かせない人気のある野菜。食用として、また薬用野菜として日本人の生活に古くから関わってきた。寒い時期になると、甘味が強くなり、おいしくなる。
中国西部またはシベリア原産といわれる。中国では紀元前から栽培されていたという古い野菜で、日本へは6世紀頃に伝来したとされる。ねぎを大きく分けると、土寄せしないで育て、長くてやわらかい緑の葉の部分を食べる「葉ねぎ」と、根が伸びるにつれて土寄せし、葉鞘を軟白化させてその部分を食べる「根深ねぎ」がある。以前は関東では根深ねぎが、関西では葉ねぎが主流だったが、最近では全国どこでも両方を入手できるようになった。根深ねぎは「長ねぎ」とも呼ばれ、関西では「白ねぎ」が一般的な名である。群馬県下仁田地方特産の「下仁田ねぎ」は有名。葉ねぎは「青ねぎ」とも呼ばれる。九条ねぎ・万能ねぎ・あさつき・わけぎなど。
ねぎ特有の香りのもとになっている硫化アリル(アリシン)という成分は、体にたまった老廃物を排出し、疲労回復に役立つ。また、食欲を増進させるとともにビタミンB1の吸収効率を高める働きもあるので、豚肉や大豆、鶏レバーなどのビタミンB1を多く含む食品と一緒に調理するとよい。葉にはカロテンやビタミンC、カルシウム、鉄、カリウムなどが豊富。ねぎには血行をよくし体を温め粘膜を丈夫にする作用、解熱や消炎効果があり、風邪予防にも効果的。薬効の高い野菜である。
特有の強い香りがあるが、いったん加熱するとその香りは消え、とても甘くなり、トロリとした食感になる。鍋物や炒め物、汁の実、ぬた、薬味など、幅広く利用できる。薬味の代表格であり、殺菌・食欲増進などの効果がある。
選び方
(根深ねぎ)
張りとツヤ、弾力があるもの、巻きがしっかりしているもの、表面がみずみずしく、締まっているものを選ぶ。葉先までピンと張って、葉と根の部分の境がはっきりしているもの、切り口がきれいでみずみずしいものがよい。泥つきのものは、新鮮で栄養を蓄えている。

れんこん(蓮根)

れんこん(蓮根)

ハスの地下茎がれんこん。シャキッとした歯応えがクセになる和風野菜。一年中出回っているが、冬に太くおいしくなり、おせち料理の時期が最盛期。おせち料理に多く使われるため、正月には需要が増えて価格も上がるが、この時期のものが最もおいしいとされている。その穴から「先が見通せる」とされ、縁起のよい食べ物とされている。
原産地は中国ともエジプトともいわれている。中国ではその葉や実、花も食用とされている。日本に入ってきたのは1500年以上前とされているが、食用として本格的に栽培が始まったのは明治時代以降。他の野菜のように品種改良はあまりされておらず、生産されている品種も数種類だけである。大きく分けると日本れんこんと中国れんこんとに分けられるが、現在出回っているれんこんのほとんどは病気に強い後者である。
昔から喉の痛みの緩和、咳止め、むくみ解消、消化促進などの薬効があるといわれている。
糖質が多く高カロリーで、ビタミンC、食物繊維も豊富に含んでいる。茶色く変色する原因となっているタンニンはポリフェノール成分で、抗酸化作用がある。そのほか炎症を鎮める作用があり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍にも効果があるといわれている。さらに粘りの成分であるムチンはタンパク質や脂肪の消化を促進し、胃腸の負担を軽くする。
おせち料理や炒め物、酢の物、天ぷら、また味がよく染み込むのを生かして煮物などに。さっと火を通すとしゃきしゃきした歯ざわりが残るが、さらに火を通すと主成分のデンプンが糊化して、もっちりとした食感になる。調理によって食感が異なる特性を楽しむとよい。
選び方
ふっくら太っており、すじが少なくてまっすぐ伸び、手に持つとずっしり重いもの、肉質が柔らかいもの、表面にツヤがあり傷がないものを選ぶ。
穴の大きさが小さめで揃っていると良品。肉厚で粘り気のあるものが甘味があっておいしい。
青黒いアクのしみが出ていないものを選ぶ。切り口が乾いたり茶色く変色しているものは古いので避ける。

くわい

お正月料理に登場する野菜。大きな芽がまっすぐに伸びることから「芽が出る」=「めでたい」に通じ、お正月の縁起物として使われる。いも類に似たホクホクした食感で、独特のほろ苦い味が特徴。
原産地は中国で、日本には奈良時代に伝わり、定着した。イモのような形をしているが、水生の植物で、地下茎の先端が肥大した塊茎を食用とする。葉と葉柄の形が「鍬」に似ているイモのようなものだから「鍬芋」、それを略して「クワイ」、というのが名前の由来。旬は春だが、最も需要の多い正月に向けて栽培され、出荷は年末に集中している。
青藍色の青くわい、大型で淡青色の白くわい、小粒の吹田くわいがあるが、一般にくわいといえば青くわいのこと。
主成分は炭水化物だが、タンパク質も多く、さつまいもの5倍、さといもの4倍を含む。ナトリウムを排泄し、むくみや高血圧予防になるカリウムを多く含む。苦み成分はカテキンなどポリフェノール類も多く、ガン予防の有効成分になる。
含め煮にして食べることが多いが、小さいものを素揚げしたり、薄くスライスして揚げ、野菜チップスにしてもおいしい。
アクが強いので、米のとぎ汁などで下ゆでしてから使い、苦味や変色を防ぐ。芽は少々残し、切り落とさないように注意して皮をむく。
選び方
皮に湿り気があり、整った球形で、身の表面に張りとツヤがあり、きれいな青藍色をしているものを選ぶ。
小振りなものの方がおいしい。

ゆりね(百合根)

関東ではあまり馴染みがないが、京料理や関西の一般家庭では昔から欠かせない食材。一年中出回っているが旬は冬で、ほんのりした甘味と苦味、ホクホクした食感、ねっとりとした舌触りが持ち味。
名前のとおり、ゆりの球根のこと。鱗茎という地下茎の一種で、葉が変形した白い鱗片が重なり合って球状になったものを指す。ひとつのゆり根を作るには、約3年もの月日がかかる。風土を選ばず多くの種類のゆりが自生、栽培されているが、そのうち食用に栽培されているのは小鬼ゆり、鬼ゆり、山ゆりの3種で、小鬼ゆりが主体。観賞用のゆりは苦く食用には適さず、特に白ゆりは食べると下痢を起こすので注意する。
主成分のブドウ糖は消化がよいので、胃腸の弱い人の滋養野菜として食べられる。ビタミン類は多くないが、タンパク質やカリウムが豊富に含まれるので、基礎体力維持に効果的。食物繊維も多く、便秘改善や整腸効果などが期待できる。昔から薬効があるとされ、滋養強壮、咳・たん止め、利尿、食欲増進などに用いられてきた。
鱗片を1枚ずつ外し、汚れや傷を包丁できれいに取り除き、よく洗った後に塩少々を入れた湯でゆでてから調理する。卵との相性がよく、茶碗蒸しに用いられることが多い。含め煮、きんとん、和え物、かき揚げなどにも。
選び方
重みのあるもの、全体が白く、鱗片が1枚ずつかたく締まるようにして重なっているもの、傷や変色の少ないものを選ぶ。

やまいも(山芋)

やまいも(山芋)

古くから日本に自生している自然薯、スーパーなどで多く目にする長芋、つくね芋、いちょう芋、大和芋など、これらの総称が一般的に「山いも」。一方で「やまのいも」は自然薯のことを指す。山芋は大きく中国原産の山芋、日本原産の自然薯、東南アジア原産の大薯(だいしょ)という3種に分類できる。大薯はヤムイモと総称される芋の代表種。
最も多く出回っているのが長いも。野生の自然薯は収穫までに3〜4年かかることや、掘り出すのが難しいことから市場に出ることはほとんどないが、粘りが強くコクがあり、味はいちばん。
芋類の中では水分とタンパク質が多く、炭水化物とエネルギーが少ない。ミネラル類では、高血圧の予防に効果のあるカリウムが多い。ビタミン類では、ビタミンB1が多いくらいで、その他のビタミンは比較的少なめ。山芋の栄養的特徴は、豊富に含まれている消化酵素類にある。アミラーゼ、ジアスターゼ、グルコシターゼなどの消化酵素を、大根の3倍程度は含んでいるとされている。デンプンは加熱せずに食べると消化・吸収が悪く、下痢をすることが多いので、普通はデンプンを多量に含む芋類を生で食べることはない。しかし、山芋はデンプンを消化する酵素を大量に含んでいるため、芋類の中で唯一、生で食べることができる。しかも、これらの消化酵素は、加熱しない方が、さらにすりおろして細胞を壊してしまう方が、働きが強いことが分かっている。とろろにして食べるのはとても合理的な食べ方である。
長芋はせん切り・薄切りにするか、たたくなどして酢の物にするほか、煮物などに。
自然薯、つくね芋、いちょう芋は主にすりおろしてとろろにし、麦とろ、とろろ汁、揚げ物、汁の実などにする。お好み焼きなどに入れるとふわふわの食感になる。また、そばのつなぎ、和菓子の材料としても使われる。
自然薯や長芋の腋芽に相当する部分が糖分を蓄えて小指の先ほどの球状になった「むかご」は、炊き込んでむかご飯や、塩ゆでや素揚げに。
選び方
太く、しっかりとして重みがあるもの、表面に張りがありデコボコしていないものを選ぶ。根が少なく皮の薄いものが上質。

ゆず(柚子)

ゆず(柚子)

日本独自の香酸柑橘(甘くないので生食できないが、酸味が強く調味料や薬味として利用する柑橘類)といえば、なんといってもゆずである。原生地は中国の長江上流で、古い時代に朝鮮半島を経て渡来。平安時代には栽培が始まっており、様々な料理を彩ってきた。さわやかな芳香やほどよい酸味のある果汁は、日本料理に欠かせない。
基本的に温暖な気候を好む柑橘類の中では最も耐寒性が強いため、東北地方など広い地域に分布している。未成熟の青ゆずが6月頃から出回るが、熟したものは11月から1月に旬を迎える。
みかんの約4倍ものビタミンCが含まれている。また、果汁には特にクエン酸が多く含まれている。クエン酸には疲労回復の効果がある。糖質、セルロース、カリウムなども含む。
未成熟の青ゆずは、まだ果汁が少ないため、果皮をすりおろして料理に使う。熟したゆず(黄ゆず)はたっぷりの果汁を含むので、焼き魚、刺身、鍋物、酢の物など料理の香りづけ、風味添えに活躍する。さっぱりした酸味が特徴で、香りは加熱しても消えない。また、ジャムや菓子などにも使われ、用途は広い。
ビタミンCが酸化によって減ることを防ぐため、使う直前に切るようにする。
選び方
皮がゴツゴツしていて硬さのあるもの、皮に黒ずんだところや傷がなく、表面にツヤや張りがあるもの、ヘタの切り口が新鮮で褐色していないもの、均一のとれた丸い形で酸味のある香りがするものを選ぶ。

みかん(温州みかん)(蜜柑)

一般にみかんと呼ばれているのは、鹿児島県の長島が原産の「温州みかん」。みかんは日本の果物を代表する柑橘類の顔であり、日本人なら誰にとっても身近な存在といえる。小さくて甘く、果汁も多く、手で簡単に皮をむけ、種子がない。そのおいしさと手軽さで人気がある。
ハウス栽培のものは1年中出回っているが、露地栽培のみかんの旬は冬。ビタミンCが豊富で風邪予防にも効果を発揮する。もともとは中国原産だったものが、世界各地に広がり、多様な種を持つようになった。日本では江戸時代に栽培が始まり、日本独自の進化を遂げた。全国的に栽培されるようになったのは、明治時代になってからである。
カロテンやビタミンCの宝庫。カロテンはトマトの約2倍、ビタミンCは3個食べれば大人の1日の必要量をクリアするほど含んでいる。冬に必須なビタミンCの補給源になる。ビタミンCやカロテン、クエン酸などの働きによって、風邪予防のほか疲労回復や美肌にも役立つ。また、色素の一種、β‐クリプトキサンチンには抗酸化作用があり、脳卒中や心臓病、ガンの予防に適している。
果肉を包む袋には食物繊維ペクチンが、袋の表面に走るすじには、ビタミンCの吸収力を高めて、毛細血管を太くしてくれるビタミンPが含まれている。ぜひ袋やすじごと食べたい。この他みかん類には、ぽんかん、いよかん、紀州みかん、はっさく、夏みかん等々がある。
選び方
皮が薄く、握った感じがツルッとしていて、皮と果肉の間に空気が入っていないもの、皮のキメが細かく、香りと色付きがよくツヤのあるものを選ぶ。ヘタの青いものが新鮮。色が濃い方が甘みがある。全体的にやや平べったい方が、形がきれいなものよりも酸味と甘味のバランスがよい。皮に適度な水分のあるものが食べ頃。
選び方
びお特集「鹿児島の食、鹿児島のお正月「レイコさんの食卓から」みなさまへ」

レモン(国産)(檸檬)

レモン(国産)(檸檬)

強い酸味とさわやかな香りが特徴の香酸柑橘。輸入ものは通年出回っているが、国産レモンは秋から冬にかけてが旬。原産はインド北部とされ、そこから地中海沿岸や中国に伝えられ、盛んに栽培されるようになった。温暖な気候でよく育つ植物のため、イタリア南部やアメリカの南カリフォルニアが大生産地として知られている。日本には明治時代以降に渡来した。現在、広島や愛媛の瀬戸内海沿岸で多く作られている。
レモンの強い酸味は多量に含まれているクエン酸によるもの。クエン酸は、疲労したときに溜まる乳酸を分解する作用があるので、疲労回復に大活躍する。さわやかな香りもストレス解消に効く。また、多くの柑橘類の中でもビタミンCの含有量はトップクラス。風邪予防や疲労回復のほか、美肌やストレス解消に役立つ。さわやかなレモン果汁は、油を使った料理のしつこさを忘れさせてくれる。サラダのドレッシングなどの定番の使い方の他に、野菜炒めや生姜焼きのような炒め物に一絞りするのも効果的。
選び方
色ムラのない皮に、しっとりとしたツヤと張りがあり、きれいな紡錘形のもの、鮮やかな黄色のもの、持ってみて重たいものを選ぶ。実がぎっしり詰まっているものが香りが高い。

【参考文献】
「旬の食材 秋・冬の野菜」 講談社 編  講談社、2004年
「野菜と果物を『安心』して食べる知恵」 徳江千代子 監修 二見書房、2008年
「日本のおいしい食材事典」 江上佳奈美 監修 ナツメ社、2009年
「やさい歳時記」 藤田智 監修、大田淳子 料理 成美堂出版、2007年
「旬の食材 四季の果物」 講談社 編 講談社、2004年
「野菜&果物図鑑」 ファイブ・ア・デイ協会、若宮寿子 監修 新星出版社、2006年

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