花々舎の草花

霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ) ノイバラ

2009年11月02日 月曜日
ノイバラ
ノイバラ02

秋の草花を求めて浜松の北部を巡りました。

4~5年ぐらい前まではクサギ、カクレミノ、センダン、ハンノキ等の雑木が目立つ林でした。
そこがキラリタウン、染地台という名のついた新興住宅地となっていました。
広い道路の両脇には街路樹が植えられ、その下にはアベリアの残りの花がチラチラと揺れていました。
それでも以前の面影のある場所を探していたら道路に分断された竹林を見つけたのです。
すぐにこの竹林の南側にノイバラがあったことを思い出しました。

こんなふうにして見つけたノイバラの実にムーンワルツという名のついたダリアを合わせたら、ノイバラの実が新しい表情をみせてくれました。


旬の句

ノイバラ03

秋が深くなると、井伏鱒二の渋い詩が恋しくなります。この詩は、「今宵は仲秋名月 初恋を偲ぶ夜 われら万障くりあわせ よしの屋で独り酒をのむ」という出だしで始まる詩です。ついで「春さん蛸のぶつ切りをくれえ それも塩でくれえ 酒はあついのがよい それから枝豆を一皿」と続き、「ああ 蛸のぶつ切りは臍みたいだ」ということになります。
蛸のぶつ切りは臍だといわれると、そうかも知れないと頷けるものがあり、その飄逸さに舌を巻きます。
この詩は『厄除け詩集』に出てくる詩で、「なだれ」、「つくだ煮の小魚」、「歳末閑居」、于武陵の漢詩を訳した「勧酒」など、井伏を代表する詩が収められています。「なだれ」はこんな詩です。「峯の雪が裂け 雪がなだれる そのなだれに 熊が乗つてゐる あぐらをかき 安閑と 莨(たばこ)をすふやうな恰好で そこに一ぴき熊がゐる」。
ユーモラスで、諧謔に満ちています。達人というほかありません。
晩酌の肴にして、今宵もいい気持ちになってください。


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