特集
フラット50をどうみるか
2009年01月20日 火曜日
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で、50年ローンって、どうなの?

高い物でも、長く使えばかえって安い。それが長期優良住宅の考え方。
今の話と50年ローンは、どう結びつきますか?
20年以上の住宅ローンは、20年で建物の評価ゼロだとすると、その時点で資産価値を失っていたわけだから、理屈としていえば、その家族にとっては、もっぱら使用価値のために残りのローンを支払っていたことになります。しかし、20年目に性能評価をやり直して、必要な手直しをすれば、もう20年間の資産価値を持ち、さらに20年後に同じようにやっていけば、その家はずっと資産価値を保持できるようになります。ということは、子どもがそのローンを引き継ぐ理由というか、根拠が生まれるわけです。人に売却する場合にも、今までは残債を抹消させて売却していましたが、それを引き継いで(多分、住宅ローンの制度もそれを許容する内容になります)いく理由が明確になります。
なるほど。でもね、50年長期ローンを、みながみな歓迎しているかといえば、そんなの迷惑だ、将来にツケを残したくないという人も少なくないと思います。それはたとえば消費者側に立って発言しているテレビでお馴染みの萩原博美さんなども言っていることです。
そういう感じ方が一般的でしょうね。将来にツケを残さないというのは、日本人のいいところだと思います。でも、ほんとうに将来にツケを残さないことを突き詰めると、一代で始末をつける短サイクルなやり方の方が、実は問題なのだと分かってきます。耐震性や耐久性に問題がある家、エネルギーを多消費する家、短期間でゴミになってしまう家は、将来にツケを残すことだと思うのです。自分一代で返却したいのは分かっていますが、それなりに建築費を掛けなければ長期に耐え得る家にはならないのです。将来にわたって、長期に住むに足りる家を造るのは、現世代の責任だと思います。そんな責任を負いたくないと思いがちですが、これからもスクラップ・アンド・ビルドで済ませていいのかどうか、地球時代を迎えた今、将来をほんとうに見据えた考え方が求められていると思います。
ほんとうの理性が求められていると?
そうです。清らかな「仮の住まい」としての小さな家を許容しつつ、全体としては長期に耐えられる家を生んで行くという方向ですね。
最近、「世代間建築」という考え方が言われるようになりました。どういう考え方かというと、「将来の、おそらくは見ることのないわたしたちの子孫のことを配慮して、現在を選択する価値観を世代間倫理」(『100年住宅への選択』松藤泰典著 技報堂出版)に立つ建築をいいます。
長期に耐える家を、一代で始末をつけるというのは、一見、かっこいいわけですが、それは所詮ムリなことであり、自分の人生自体をスクラップ・アンド・ビルドしているようなものです。
最近、「世代間建築」という考え方が言われるようになりました。どういう考え方かというと、「将来の、おそらくは見ることのないわたしたちの子孫のことを配慮して、現在を選択する価値観を世代間倫理」(『100年住宅への選択』松藤泰典著 技報堂出版)に立つ建築をいいます。
長期に耐える家を、一代で始末をつけるというのは、一見、かっこいいわけですが、それは所詮ムリなことであり、自分の人生自体をスクラップ・アンド・ビルドしているようなものです。
結構キツイ考え方ですね。ふーっ(と溜息をつく)
まあね(笑い)。話ついでに、もう少し理屈を言わせてもらうとね、今の住宅は「現在の同意」という共時的なものによって成り立っています。異なる世代間にまたがるエゴイズムをチェックする機能を持っていません。「間取り」設計は、しばしば家族の「陣取り合戦」の場ですので、今でも。この狭い了見は捨てるべきですね。
確かにそれは言える。
しかし、10年経てば家族構成は変化するのが現実です。それを設計段階において、起こりえる未来として予測し、設計しておき、内装を変えるだけで、次世代もその次の世代も住み続けられるようにすれば、スクラップ・アンド・ビルドされません。
むかしの田の字型の民家が長期に耐えられたのは、襖や障子の仕切りだけで、自在に住み方を変えられたからです。躯体となる構造材を含めて、どのような時間的オーダーに応えられるか、スケルトンとインフィルの関係性など、建物を細かく腑分けして「世代間」を引き継げられる建物を、これから生むべきではないかと。
むかしの田の字型の民家が長期に耐えられたのは、襖や障子の仕切りだけで、自在に住み方を変えられたからです。躯体となる構造材を含めて、どのような時間的オーダーに応えられるか、スケルトンとインフィルの関係性など、建物を細かく腑分けして「世代間」を引き継げられる建物を、これから生むべきではないかと。
「びお」の200年住宅の特集(200年住宅って何なの?)で、東近江の五個荘(ごかしょう)の商人屋敷について話されたことがありましたが、アレですね。
五個荘は、水路を引き込んだ川戸(かわと) や漆喰壁や舟板塀など、東近江独得の景観を保持している町ですが、この商人屋敷を今のお金に直したら建築費は幾ら位掛かるかと同行者に聞いたら、彼は「それは高いやろね」と言い、続けて「そやけど200年で割ったら、今の平均価格より安いのやないか」と言いました。この理屈が妙に気に入って、そうかそれが200年住宅なのだ、長期ローンの発想かと思いました。
25年程度の住宅ローンで、しっかりとした住宅を建てるのは、ローコストの家か、「小さな家」でないと難しいのが現実ですものね。
詰まるところ、建築にお金を掛けないと、いい材料は使えないし、工事に手間を掛けられません。長期間を掛けて、それを割ればいいじゃないか、というのが長期ローンの考え方です。自分一代の責任で完結させ、返済するのが短期ローンの考え方です。
しっかりした家を建て、それを自分の代で返せないなら、後に託せばいいじゃないかと。でも、それって定着しますかね?
後に託すという場合、まず浮かぶのは家族です。子どもには土地がありません。親が持ち家だったら、長期優良住宅に建替えるのが、財産形成の上でも大きなことです。子どもは、土地もなく、貯蓄も乏しいとしても、親世代より長く生きる「時間」を持っています。それが子どもの力です。これから経済が厳しさを増す中で、親と子どもの力を寄せ合って、生活の拠点を守るのです。
そう考えると、200年住宅を言うのに50年ローンでは、まだ半端ですね。
同感です。ドイツにはかつて100年ローンがありました。これこそ福祉社会の嚆矢(こうし)とされる政策です。フラットで割れば、年1%の元金返却ですからね。ムリなく、三代にわたって支払う仕組みです。
スローって、そういうことをいうのね。でも、自分たちの家族の将来がどうなるのか、しっかり見通せない現実が進行していますよね。継承してもらえる子どもがいない家族が増えていますし、いても、どうなるのか定かでない場合がありますし。
家族内で長期ローンを条件づけられない場合があるでしょうね。スムーズに運ぶとはいえないケースも少なからずあることでしょう。将来想定はさまざまであり、建築時点では確定できないのが実際です。
しかし、将来の選択を容易にする第一の条件は、その住宅が売りやすいことです。しかるべきお金を掛けて、いい家を造り、ムリなく、ゆっくりと支払って行く住宅ローンを基本にしながら、あらゆることにフレキシブルに対応できることが大切だと思います。そのためのインフラを整備しようというのが、50年ローンの発想と考えたいと思います。
しかし、将来の選択を容易にする第一の条件は、その住宅が売りやすいことです。しかるべきお金を掛けて、いい家を造り、ムリなく、ゆっくりと支払って行く住宅ローンを基本にしながら、あらゆることにフレキシブルに対応できることが大切だと思います。そのためのインフラを整備しようというのが、50年ローンの発想と考えたいと思います。
50年ローン(長期優良住宅)の具体的なメリットはどうなんでしょう?
具体的な話に入る前に、ローンの仕組みについて、簡単に紹介しておきます。ローンには、クレジットローンとモーゲージローンがあります。クレジットローンとは、簡単にいうと個人への信用貸しです。モーゲージローンは、直訳すると抵当権付担保ローンです。担保ローンは、文字通り貸し出しの対象となっている建物そのものが担保になっていますので、支払いが出来なくなったとき、住宅は取られるけれど、金銭上の個人負担は免れます。日本の住宅ローンは、基本的にはモーゲージローンの性格を持っていましたが、保証人か保証会社を立てることが義務付けられ、クレジットローンの性格を併せ持っていました。長期優良住宅は、担保価値を持った建物なので、完全なモーゲージローンです。この点が非常に大きいと思います。
半端な内容から、完全な建物責任へと変わるわけですね。
その上で具体的なメリットについて触れますが、まず家を新築すると、いろいろ経費が掛かりますね。ざらっと挙げますと、
1.登記費用
2.ローン手続費用
3.火災保険
4.地震保険
5.不動産取得税
6.固定資産税
などの費用が掛かります。
このうち1と2は変わりませんが、そのほかのものは掛け金が違ったり、割引があったりします。その代わり、建物の性能評価など、今までなかった費用が発生します。所得税や住民税の控除、住宅ローンの優遇金利などもありますので、差し引きすると長期優良住宅の方が有利だといわれています。超長期先導的モデルを利用すると、これはもう断然有利なわけですが。
1.登記費用
2.ローン手続費用
3.火災保険
4.地震保険
5.不動産取得税
6.固定資産税
などの費用が掛かります。
このうち1と2は変わりませんが、そのほかのものは掛け金が違ったり、割引があったりします。その代わり、建物の性能評価など、今までなかった費用が発生します。所得税や住民税の控除、住宅ローンの優遇金利などもありますので、差し引きすると長期優良住宅の方が有利だといわれています。超長期先導的モデルを利用すると、これはもう断然有利なわけですが。
新しく計画されているフラット50はどうなんでしょう?
50年間にわたる長期固定金利という点が一番の特長です。フラット35で毎月10万円払っていたとしたら、フラット50では、およそ7万円の支払いになります。支払いが少なくなった3万円を毎月貯金に回すと、年間36万円、10年で360万円、30年で1080万円貯金できます。老後の資金として大きな額になりますし、何か起った時に貯金があるとないとでは違ってきます。家は200年住宅で、お手入れをしっかりやれば資産価値があるわけだから、現役をリタイヤしたら子どもに支払いを引き継いでもらえばいいのです。
開始時でのメリットとしては、保証人と保証料がいらないこと、条件変更時や繰上げ返済時の手数料がいらないことなどが挙げられます。
開始時でのメリットとしては、保証人と保証料がいらないこと、条件変更時や繰上げ返済時の手数料がいらないことなどが挙げられます。




2009/10/27(火)11:26
現実は「びお」に書いたようには進んでいなくて、今の「フラット50」は金利が高くて、「フラット35」のそれに比べて、支払総額で800万円ほどの違いがあります。これは金融機関がリスクを負えないからで、モーゲージ(建物担保)ローンを目指しながらも、まだクレジット(個人信用)に留まっているのが実情です。
そんな状態を打破すべく、町の工務店ネットでは、このほど前原国交大臣宛に提言書を書き、受理してもらいました。
明日の「びお」更新で、その全文を掲載しますのでご一読ください。 小池拝
2009/10/27(火)10:11
35年でさえ気の遠くなるような話だけれど、50年は更にわからない。
わからない先を子どもに託すことが良いことではないと思っていたけれど、
価値のある家を財産として残すということは、
素晴らしいことだと思います。
2009/3/1(日)12:43
住宅建築には色んな建て方・構造がありますが、建築工事費については、キッチリと判り易く説明してくれる会社がありません。品質が違うからがほとんどの会社の言い分です。でもよく考えてみて下さい。
住宅メーカーで住宅をトヨタ車のように工場で自社製造している会社は1社もありません。部品設備・建材の会社からオリジナルといいながら建築現場で寄せ集めているだけです。車のエンジンの値段はトヨタが作っているので分かりません。
でも、木材の値段も鉄骨の値段もキッチンの値段もばら売りされているのでわかります。建築業者であればカタログ定価の40%位の値段で買えるのも判ります。住宅会社の建物価格の大半(30%~40%)が宣伝広告・販売体制維持費だという事実を見積書に記載したら一般の方はビックリですよ。
世界の建物との価値の比較もいいんですが、日本の住宅会社の基準法に守られた大談合体質も改革されるべき。フラット50で借りた建築資金の大半は、あなたの家の品質アップではなく宣伝広告費と営業経費で消えるんですよ。
もっとも、建築費が高いのが自慢の方が多いのも事実。どうぞ無理してでもフラット50で。
2009/1/28(水)13:07
ローンを払い終わらないうちに資産評価ゼロだなんて。気づいてみたら、建物って、そういう扱いだったわけですね。これは目からウロコでした。