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食べ物を保存する

2009年08月30日 日曜日
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夏も終わりに近づきましたが、まだ暑い日が続きます。
もうすぐ防災の日(9月1日)です。この8月には、静岡県沖で起きた地震の影響により、日本経済の動脈とも言える東名高速道路が崩落し、片側が数日間にわたって通行止めとなりました。

また、今年は新型インフルエンザが国内に上陸し、マスクが品薄になるなどの騒ぎも起きました。一時期は報道が沈静化したため、ブームがさったかのように思った方も多いかもしれませんが、冬に向けて本格流行の兆しも現れはじめ、油断は出来ません。
国内上陸直後には、農林水産省から、流行により外出できなくなる可能性を考え、2週間程度の食糧を各家庭で備蓄しておくようガイドラインも出されました。

幸い、東名高速道路の崩落も復旧し、新型インフルエンザも、外出が出来ない程の状態には至っていません。
しかし、いつ何時そういった事態が訪れるとも限りません。

そこで今回のテーマは「保存食」。とはいっても、保存食カタログではありません。食べ物の「保存」について考えます。

保存食とは

保存食とはなんでしょうか。保存とは、「そのままの状態を保って失わないこと・現状のままに維持すること(広辞苑)」です。保存食とは、その食品の味や鮮度を保ちつづけられる食べ物、ということになるでしょう。

あなたの家庭にある保存食、どんなものがありますか? ちょっと考えてみてください。

………(考えタイム)

さて、どんなものがありますか?

インスタントラーメン? 冷凍食品? レトルトカレー? まあ、このへんも保存がきくといえばききますね。
でも、大抵の家にある保存食といえばこれ。

kome

そう、お米です。お米は、日本最古ともいえる保存食。
現在のお米は、収穫後に乾燥させ、精米された状態で流通することが多いですが、この状態でも常温でかなり日持ちします。

びお特集「稲を干す。」
http://www.bionet.jp/2008/12/ine/

これは乾燥による保存食といってよいでしょう。
もともと食べ物には収穫できる時期・場所があり、それをずらして食べられるようにしたものが保存食のはじまりです。
現在の感覚では、保存食=非常食、と捉えがちですが(この特集も、それにかこつけているわけですが)、食べ物がいまよりずっと貴重だった時代に考え出されてきた保存の知恵は、飽食の時代だからといって忘れてしまうのはあまりにももったいない。ここでおさらいをしてみます。

乾かす

冒頭にあげた米も、乾燥させた保存食といえます。他にも、若布、昆布、ヒジキ、海苔などの海草類や、干瓢、切り干し大根などの、「乾物」は、まさに字のごとく、乾燥させた保存食です。

食品が傷むのは主に細菌やカビなどの微生物の影響ですが、これらの微生物の活動には概して水分が必要です。この水分を少なくし、傷みにくくしようというのが、「乾かす」方法です。

乾かすことで、軽くなったり小さくなったりして、保存や輸送に便利になる、というメリットもあります。

塩につける

塩塩は最古の防腐剤といわれています。微生物に水分が必要なことは「乾かす」で述べました。食べ物に含まれる水分には「自由水」と「結合水」があり、微生物が使える水は「自由水」だけです。塩を加えることで、塩が自由水と結合し、「結合水」になります。これにより微生物が使える水が少なくなり、食べ物が長持ちするようになります。

塩はかつては貴重品で、ローマ兵士には給料の一部として塩が現物支給されたといわれており、「塩(ソルト)」が変化して「サラリー」の語源となったといわれています。また、「敵に塩を送る」という言葉なども生まれました。

梅干し近年市販されている梅干しは塩分濃度が低く、それほど保存がきくものではありませんが、昔の梅干しは塩分濃度が高く、常温でも長期間保存できるものでした。自分でつくる場合はコントロールが出来ますので、長期保存用梅干しに挑戦してみませんか?

6月は梅仕事の季節です。
http://www.bionet.jp/2009/06/umeshigoto/

体験しました!梅の土用干し
http://www.bionet.jp/2008/08/umeboshi/

塩以外につける

jam塩以外にも、砂糖は同じような働きをします。ジャムも本来は保存食で、加熱により微生物を減らし、砂糖によって微生物の働きを抑えています。
また、空気を遮断することで食べ物の傷みを遅らせたり、つける材料そのものの殺菌力を期待したものには、酢漬け、ハチミツ漬け、オイル漬け、酒漬けなどがあります。

発酵させる

miso醤油、味噌、酢などは身近な調味料です。これらはみな発酵による食品です。発酵も、腐敗と同じく微生物による働きですが、腐敗は食べ物を傷ませ、味を悪くさせたり、有毒成分に変化させたりするのに対して、発酵は、その働きによりでんぷんやたんぱく質をブドウ糖やアミノ酸に変化させたり、他の微生物の働きを抑えたりします。
こうした調味料は、原料の収穫にあわせて、長い時間をかけて作られていたものです。
保存がきくと同時に、他の食品の保存にも使えるこれらの調味料は、まさに先人の知恵がつまっています。

詰める

kan缶詰、瓶詰は、ともに画期的な食品保存法だったといわれます。ナポレオンの遠征時に、食べ物を長期間持ち運べるようにした「瓶詰」。しかし重さが欠点だったとされ、その欠点を補ったのが缶詰です。
レトルトパウチ食品も、これに類するもので、常温でもかなり日持ちするようになっています。

食糧備蓄ガイド

国は新型インフルエンザの流行にともない、食料品が手に入りにくくなる可能性を指摘しています。農林水産省が開示した「新型インフルエンザに備えた家庭用食料品備蓄ガイド」では、2週間程度の食糧備蓄の例をあげていますが、より長期の分の保存を勧めています。

2週間分の備蓄食糧ってどのぐらいなのでしょうか。

備蓄食料品 4人分の一例
米(もち・無菌包装米飯を含めても可) 10kg
小麦製品等 うどん 400g入6袋
そば
パスタ
シリアル類等
中華麺 16食
インスタント麺
パン等
野菜類(玉ねぎ、じゃがいも、ごぼう、さつまいも等) 各1~2kg
豆類(あずき、大豆等) 適宜
10個
缶詰(魚介類、肉類) 30缶
缶詰(野菜・きのこ類:コーン、トマト、たけのこ、マッシュルーム等) 20缶
レトルト食品(カレー、パスタソース、ハンバーグ等) 30食
冷凍食品(市販品の他、家庭で冷凍した魚介、肉、野菜、料理等を含む) 500g入10袋
乾燥食品(切り干し大根、しいたけ、高野豆腐、ひじき、わかめ、こんぶ等) 各2袋
スープ類(みそ汁、わかめスープ、コーンポタージュ等)  12食
乳製品(チーズ、ヨーグルト、スキムミルク等) 各 1~2箱
缶詰(果物類:もも、みかん、パイナップル、みつ豆等) 10缶
調味料 (砂糖、塩、みそ、しょうゆ、食用油) 1kgあるいは 1ℓ
(酢、だしの素、コンソメ、バター等) 適宜
嗜好飲料(緑茶、コーヒー、紅茶、ココア等) 適宜
菓子類 適宜
その他(ふりかけ、のり佃煮、ジャム、マーガリン、はちみつ等) 適宜

同ガイドラインより抜粋

このガイドは、新型インフルエンザに伴うものですので、各家庭の生活インフラ(電気・ガス等)は供給されている前提ですので、冷凍食品もリストに含まれています。

農林水産省:家庭用食料品備蓄ガイドの発行について
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/anpo/090409.html

これまで「びお」では、大きな冷蔵庫を持たずに、毎日買い物にいこう!と、呼びかけてきましたが、こと災害時の備蓄となると、また話は別です。備えあれば憂い無し。「保存食」のすごさを見直しながら、食べ物を備蓄しておきましょう。

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