花々舎の草花

立秋・寒蟬鳴(ひぐらしなく) トウゴマ

2009年08月12日 水曜日

トウゴマ01
トウゴマ02

この植物を私の住んでいる地方ではヒマと呼んでいます。夏になるといけばなの花材として一般的に流通しています。2メートルぐらいまで成長するので最近ではガーデニングにも用いられています。
トウゴマをなぜ“ヒマ”と呼んでいるのか不思議に思い調べてみると、この植物の種子をヒマ子と呼び、この種子を搾って精製した油が、下剤として有名なヒマシ油でした。
この種子がすごいのです。赤いイガイガの形状が“猛毒なので口に入れないで”のメッセージのようです。くすり、化粧品、塗料などといった具合に、ヒマシ油及びその加工品は紀元前から現在に至るまで私達の生活とすくなからず関わっています。

旬の句

トウゴマ01

秋元不死男は、オノマトペ(擬声語・擬態語など)の天才といわれます。「鳥わたるこきこきこきと缶切れば」(缶詰を切っていると渡り鳥が窓の向こうの海からやって来て、去って行った。敗戦による解放感に溢れた句)「へろへろとワンタンすするクリスマス」(ワンタンを食べるのは、そんなふうです)・・・。この句では、傷痍軍人の義足を「カチカチ」と、とオノマトペします。その歩幅を「8.15」とするところに、秋元の目があります。前にも書きましたが、秋元は戦争中、思想犯で獄に繋がれていました。自分も酷い目に遭ったけれど、戦争に行ったものも、かくの如しというのです。痛切の句です。不死男は、『かさぶた式部考』や『近松心中物語』で知られる劇作家の秋元松代の実兄です。


トウゴマ01

終戦などと、何がなんだか分らない言葉を、石田波郷は使いません。「敗戦日」と言い切ります。波郷の言葉に対するきびしさが、この一点において認められます。戦後の日本が、敗戦を終戦と呼ぶようになったのは、敗戦というと、その原因を分析しなければならず、誰が責任者かを明らかにしなければならないからでした。今でもマスコミの大半は、終戦という言葉を用いて報道しています。今年もまた8月15日がやってきますが、今年はどうなのでしょうか。1945年8月15日、天皇の玉音放送を聞いた人の多くは、敗戦というより「終わった」という感じ方だったとし、作家の桶谷秀昭は、その感じ方に「我が国の精神史上最も重要な問題の一つ」を見ますが、人間探求の俳句を追及した波郷は、決然と「敗戦」と記したのでした。


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