興味津々

「おしゃべりな買い物」

中山るりこ(「びお」編集委員)
2009年07月31日 金曜日

おしゃべりな買い物駅前の商店街まで家から歩いて10分ちょっと。私鉄沿線の駅らしく、花屋、八百屋、本屋、魚屋、肉屋に混じって小さな飲食店もいくつかあって、まだ町は健在だ。それでも時計屋さんや一軒しかなかった玩具屋が店を閉めたり、喫茶店の店主が亡くなって店を閉じたりといくつかが姿を消し、どこも同じようにチェーン店が増えてきている。食品スーパーもあるお陰で、毎日の買い物はほとんどこの商店街で用事が足りる。

 5月ごろから、それまでのこもり気味の毎日に飽き「少し多めに歩こう!」と決意したわたしは、足を延ばして街道沿いの大型店へ出かける。ホームセンターと食品売り場が合体したような施設で、友人に「何でもあるわよ」と奨められたのだ。大きめのリュックを背負って徒歩で買い物に行く。片道20分弱。オシャレではないけれど何でも揃うと面白がって通っていた。ちょっとは健康にもなった気分。

 カゴをいっぱいにしてレジに並んでいる時ふと、店の人と話す機会がなくなったなぁと思った。商店街で買い物している時には買い物の時にいろんな会話がある。暑さ寒さのことからこないだ買った果物の味の話、「焼き魚なら今日はいい鯵が入ったよ」とか「お刺身のサラダにするから薄めに切ってくれる?」とか、「アジアっぽいインテリアの家に花束もって行きたいんだけど」とか。お勧めのレシピや魚や野菜の知識、Tシャツの着こなしアイデアやお菓子の裏話。それらは近所の友人と集まった時には話の種になり、食卓を飾り、わたしのくらしの中で役に立ってきた。大型店では、おすすめ商品は棚の値札に書かれている。黙って入ってかごに商品を選び、黙ったまま会計が済んでしまう。

 大型店も、ターミナル駅の賑わいも楽しいけれど、わたしはもうちょっと、地元の商店街の買い物を楽しみたい。それには町の店をもっと大事にしなくてはね。商店街がただの通り道になってしまわないように。おしゃべりな買い物が子供の代まで続くように。

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  1. 中山るりこさんからのコメント

    2009/8/5(水)10:56

    中村さん、コメントありがとうございます。

    お店の人とおしゃべりをして、知っている人になるとまた思いが違ってきますね。子供を「はじめてのおつかい」に出したのも、いつもの八百屋さんでした。
    お駄賃に飴をひとつもらい、看板猫を触らせてもらいました。それから10年経っても、「ベッカム(猫)は元気かな?」と言います。これもおしゃべりのおかげかもしれません。

    ツーリングの偶然の出会いもすてきですね。
    そこからまた何かが始まりそう。

  2. 中村 守さんからのコメント

    2009/8/3(月)09:02

    「おしゃべりな買い物」題名を読んだだけでは、何を言いたいのだろうか?と思いながらも「おしゃべり」とくれば、ご近所主婦の他愛もない井戸端論議の「ちょっと変った話し」かなっと、何げに予想してみたものの・・・見事にハズレ。とっても・々、なつかしい思いをさせて頂きましたよ。子供の頃の商店街のおばちゃんの顔や会話が頭を回想しました。ありがとう。そして昨日は、みかん狩りで有名な山口県・大島(屋代島)の西となり半島、柳井市から平生町まで2人で50kmの自転車ツーリング。途中に上関町の小さなお土産店に立ち寄り、女性の店員さんと80代のおばあちゃんとなにげない会話。「どこから、来たんかね。若い人はげんきじゃねぇ」「暑いのによう来んさった、お寿司を食べんさい」と、ごちそうになりました。店員さんからは、お祭り団扇のお土産も。「おしゃべり」からお互いの気持が和み・人の優しさを想いださせてくれるのですね。そして極め付けは、一緒に立寄ったツーリング仲間の女性友達と店員さんが幼なじみだったんですよ。こんな奇遇もあるんです。もう商店街はさびれてしまって、ただの通り道。幸いにも夏祭りが間近。僕も仲間も2年後には50代の仲間入り。今の僕らに出来る事から始めよう。「おしゃべりの買い物」を子供と帰郷した大人の皆さんに、お祭りで楽しんでもらいましょうか。これなら子供の代まで、続かないかもしれないなぁ。

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