興味津々
興味津々・No.071
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ホオズキは、花の咲いたあとに六角状の萼(がく)の部分が発達して、果実を包んで袋状になり、熟すとオレンジ色になる▼鬼灯と書いて、ホオズキと読む。その形状から、死者の霊を迎える提灯に見立てたことから付けられたというが、別に「酸漿」とも書く。また、「頬突き」とする説もある。紅顔の子どもが、口にして鳴らす頬の様子にたとえてのことで、これは可愛らしい▼ほほずきは、異称が多い言葉の一つとされる。アカカガチ、カガチ、カガミコ、ヌカズキとも呼ばれる。アカガカチは、漢字で赤酸漿と書く。八岐大蛇(やまたのおろち)の目の形容として用いられた。ホオズキは、平安時代にいわれるようになった▼江戸時代になって、手遊びや薬用として愛用されるようになった。漢方では、酸漿根(さんしようこん)と呼ばれて用いられた。日本では、ホオズキの青い実を陰干しにして鎮静剤とし、安産の妙薬、利尿剤、小児の解熱、頭痛、腹痛、のどの薬など、江戸時代には多用された。根を子宮に入れて堕胎剤にしたという話もある▼ホオズキの手遊びは、種子をとり出した実を口に含んで鳴らすやり方と、ホオズキの実を吹き上げて遊ぶやり方がある▼ホオズキを屋敷に植えると病人や死人が出ると話が伝えられることから、江戸ではホオズキを、浅草の浅草寺のホオズキ市に行って買い求めた。浅草寺のホオズキ市は、今でも毎年7月9日、10日に開催されている▼ホオズキ市は、観音堂の境内に立ち、この日を迎えると、ちょうど梅雨もあけて夏らしくなり、浴衣がけで、散歩がてらの人達で賑う。お堂の両側から裏手の広場にかけては、金魚屋、風鈴、虫籠、燈籠などの店が並ぶ。日本を代表する縁日である▼浅草寺は、この日を四万六千日(しまんろくせんにち)の縁日とし、この日に参詣すれば四万六千日参詣したと同じ功徳があるとする。このホオズキ市は、江戸中期、享保の頃より始まった▼縁日とは、神仏との有縁(うえん)の日をいうが、風物詩としての夜店の方が、多くの人にとって縁が濃い。綿菓子・リンゴ飴・あんず飴・ソース煎餅・ベビーカステラ・型ぬき菓子・金魚すくい・お面・ひよこ・ヨーヨー釣り・コルク射的など、どれも懐かしい▼縁日に足を運ぶ、そんな時間を大切にしたい。「籠(かご)かばふ鬼灯市の宵の雨」水原秋桜子の句である。






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