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書評『神去(かむさり)なぁなぁ日常』
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1976年東京生まれの女性、三浦しをんさんが「林業っておもしれ~!」と帯文のついた書を著した。
「やられた~!」というのが、53年生まれで山の著書を三冊出している私の読後第一感。私には、こんなに楽しく「山」を紹介することが考えられなかったのだから、「マイッタ~!」だ。
いまこの本は、私のおススメで、島根県高津川流域の、森林組合や森林製材業や町行政の青年達の間で読まれている。
同年代の東京の若者が、フリーター志望であったのに三重県の山奥・神去(かむさり)集落に母の手で放り込まれ、林業しかない村で「山」を体験して成長してゆく。
「林業っておもしれ~!」という帯タイトルが、高津川流域で育ち、そこで生きるにはこれから林業を再生してゆくしかない境遇の若者を勇気づけるようだ。
「合併」をせまり、そうしておいて今度はそこを「限界集落」だとぬかす。こんな政府に振り回されない強い「山で生きる」若者を、いま私は、高津川流域でつくろうとしている。この男たちが、これから5年、急ピッチで“林業再生”に取り組むかどうかが、高津川流域に林業が再生できるかにかかっているからだ。
「なぁなぁ日常」とは、「神去村スピードでゆったり」ということらしいが、この5年ばかりは日本の林業の村は「なぁなぁ」ではなく「一生懸命」に生きてほしいと私は思う。
この本からは、「なぁなぁ」ではなく、「山で生きる楽しさ」を読み取ってほしい。今の林業・林産業にぴったりの言葉を、我が師・開高健が残している、「悠々として急げ!」、だ。
彼らを励ましたこの本書が私の手に寄るものでなかったのは悔しいが、“川下”の“木の家づくり”の皆さんにもぜひ読んでいただきたい一冊である。
1953 年、京都府に生まれる。中学・高校・大学を同志社に学ぶ。1988年、文学の師・開高健とともに“川の国”のダムに警鐘を与える国民運動を立ち上げ育てた。
2000年より高知県仁淀川町の営林署官舎あとを借り釣りや著作活動に通い始め、地元の人々と「仁淀川の“緑と清流”を再生する会」をつくり、木質バイオマスや林業などの勉強を重ねる。2004年から京都大学が提唱する「森里海連環学」を高知県に誘致し、現在、森と川と海のつらなりを取り戻す大規模な実験を展開中。著書に、『ダムと日本』(岩波新書)、『だめダムが水害をつくる!?』(講談社+α新書)、『市民事業』(中公新書ラクレ)、『“緑の時代”をつくる』(旬報社)、『“林業再生”最後の挑戦』(農文協)など多数。





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