花々舎の草花

大暑・土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし) ヒマワリ

2009年07月28日 火曜日
ひまわり01
「あなたにとって夏の花は何でしょうか?」の問いかけにおよそ7割の人が“ヒマワリ”と答えました。
このごろのひまわりの多様な色には目を見張るものがあります。初夏には初夏の色のひまわり、晩夏には晩夏の色のひまわりといった具合です。
人の背丈ほどに高く伸びた茎のてっぺんに咲いた花の先には、いつも太陽があって明るい面立ちです。
私はこの花に何度も何度も元気をいただきました。
ひまわり02


旬の句

ひまわり01
[季語/向日葵]
  向日葵(ひまわり)は、顔を太陽に向けている花という意味ですが、この花が太陽を追って動くのは生長が盛んな若い時期だけです。若い向日葵は、朝には東を向いていたのが夕方には西を向きます。しかし、生長を遂げた向日葵は、やがてこの行動を止めます。枯れた向日葵は、もう動きません。その向日葵が、枯れてなお「大声」を上げると秋元不死男は詠みます。この俳人は、戦争中に京大俳句事件で検挙され、二年間の投獄生活を強いられました。「冬に負けじ割りてはくらふ獄の飯」「手を垂れし影がわれ見る壁寒し」などは、獄中での自分自身を詠んだ句です。不死男の句は、心象風景がいつも強烈です。自分の波乱の人生を、枯れて大声を上げる向日葵に重ねています。


ひまわり02
[季語/向日葵]
 炎天下の鉄路を歩いたことありますか。今の新幹線の鉄路は囲われていますので、そういう経験を持てない状態になっていますが、炎天下の鉄路は、日射のために熱くなった空気で光が不規則に屈折されて陽炎(かげろう)が立ちのぼります。あるかなきかの炎暑遠近の景に、レールがキラリと光っていて、それは松本たかしが詠むように、「剣の如き」ものでした。そこに向日葵が咲いているという対比、光景。この感覚の冴えは、松本たかしが能役者の家の長男として生まれ、修行を積んだ人であったことと無縁ではありません。この句に流れるリズムは、体の中に動きが叩き込まれている能役者のものです。松本たかしは「間髪―俳句の表情は一瞬で決まる」と書いています。


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