特集
「小さな家から」という発想。長期優良住宅・その三
2009年06月05日 金曜日
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長期優良住宅 尾張町家 外観

尾張町家 at inuyama 外観
『将来家族』をシミュレーションしても、
それに合ったプランニングでないと、
生きた住まいにはなりません。
「choさんの町家」――そのユニークな
プランニング手法を紹介します。
特集:小さく建てて、大きく育てる家
その三。

愛知県の犬山で「choさんの町家」の勉強会が
開かれたんですってね。
6月3日〜4日とね。犬山に、50人を超える参加者が集まりました。最初、竣工したばかりの『尾張町家』を見学して、その後びっしりと勉強会。
こういう勉強会は15人程度、多くて20人位でやるのがいいのだけど、長期優良住宅が4日から施行されるということもあって、お尻に火が点いて、「熱心に勉強しなければ」と思ったのかも知れません(笑い)。
こういう勉強会は15人程度、多くて20人位でやるのがいいのだけど、長期優良住宅が4日から施行されるということもあって、お尻に火が点いて、「熱心に勉強しなければ」と思ったのかも知れません(笑い)。

どういうことを熱心に勉強したんですか?

設計の勉強会なので、地味な内容なのですが、今回のものは、工務店の設計者にとって「目からウロコ」の内容で、こんなやり方あったんだ、という驚きに包まれました。

写真を見ていると、みんな真剣な面持ちで、
興奮が伝わってくるわね。
「choさんの町家」の提案者である趙海光(ちょううみひこ/建築家)さんは、ふだん温和な人だけど、今回は意気込みが凄くてね、「おっ、あのchoさんが!」という感じでした。

では、その内容とやらを、くわしく話してください。
はい、それでは早速・・・。
設計の手順 1
敷地に、ベースとゲヤを配置する
その日、choさんによって映し出されたPowerPointの数は全部で98枚もありました。choさんは、PowerPointを一枚一枚映し出しながら、的確な言葉でそれを説明されたわけだけど、その1枚1枚一言一言に、新しい発想と、設計の知恵と工夫がありました。
参加者は工務店メンバーに限られていたので、内容は専門的でしたが、ユーザーにとっても、これからプランニングを立てる上で参考にできる内容がたくさんありました。
参加者は工務店メンバーに限られていたので、内容は専門的でしたが、ユーザーにとっても、これからプランニングを立てる上で参考にできる内容がたくさんありました。

その一部を、ここで紙上公開してくださるのね。
ポイントをしぼっての紹介になりますが・・・。
今回は「choさんの町家」のやり方ですが、町の工務店ネットの「スタンダードハウスの運動」は、ほかに3人の建築家が取り組んでいます。
それらについても、追々ご紹介して行きたいと考えています。
今回は「choさんの町家」のやり方ですが、町の工務店ネットの「スタンダードハウスの運動」は、ほかに3人の建築家が取り組んでいます。
それらについても、追々ご紹介して行きたいと考えています。

前回の特集その二では、この図にみる大きな設計手順が示されました。今回は具体的な進め方を教えてください。

まず、敷地に建物をどう配置するか、という計画から始めます。「choさんの町家」では、積み木を用意しています。4m・5m・6mの3種類のベースの積み木があります。

この積み木を、敷地図(積み木と同じ縮尺)の上に置いてください。次に、敷地に配置されたベースがつくる余白をにらみながら、必要と思われるゲヤの積み木を置いてください。この場合、ベースとゲヤ、ベースとベース、ベースとベースとゲヤなど、いろいろな組み合わせがあります。これは、あとで詳しく説明しますので、ひとまず組み合わせ方はいろいろある、と知っておいてください。

まず、積み木の外周部をなぞって、線を引いてください。積み木を取ると、建物の外周線が残ります。

本当だ!
次に、ベースとベース、ベースとゲヤにデッキを配します。そして、空いた土地に木を植えます。設計の専門家がゾーニング(大きな配置・区分け)するのを、素人でもやれるようにしたもので、これでキマリというのではなくて、敷地と建物の全体の関係を知るための作業です。
ベースやゲヤを増やしたり、減らしたりしながら、段々と詰めて行きます。詰めながら、ベースやゲヤのスケールが見えてきたら、プランをつくることがおもしろくなってきます。
ベースやゲヤを増やしたり、減らしたりしながら、段々と詰めて行きます。詰めながら、ベースやゲヤのスケールが見えてきたら、プランをつくることがおもしろくなってきます。
設計の手順 2
ベースとゲヤ

それでは、ベースとゲヤでプランを構成するやり方を
教えてください。
まず、敷地の中に6mのベースを置きました。
ベースは、建物全体のコアになります。このべースのなかに、くつろぐスペース(リビング/プラン全体のへそ)、食事をするスペース(ダイニング)、食事をつくる(キッチン)など、どこまで入れるかを、あらかじめ想定しておきます。広いリビングを、となれば、食事をつくる場所はゲヤに持って行くとか・・・。
ベースは、建物全体のコアになります。このべースのなかに、くつろぐスペース(リビング/プラン全体のへそ)、食事をするスペース(ダイニング)、食事をつくる(キッチン)など、どこまで入れるかを、あらかじめ想定しておきます。広いリビングを、となれば、食事をつくる場所はゲヤに持って行くとか・・・。

ステップ2は、用意されているゲヤです。

ベースとゲヤを合体させます。


サポート部品を追加します。

平面プランを詰めます。


立面は、こんなふうです。

このプランのつくり方は、
「場面をつくる」という考え方に基づいています。
「場面をつくる」という考え方に基づいています。

ベースとゲヤのバリエーションは無数ですが、こんなプランが展開できるということで、とりあえず12のプランを載せておきます。ベースのなかに入っているものと、入っていないものを見ながら、スペースと利用の関係を、自分たち家族ならどうなのか、その検討をつけるのに、この12のプランは調法です。

なるほどね、この12のプランを見ていると、いろいろな生活のスペースがあることが分かりますね。どこまでをベースにするか、何をゲヤにするか、その境目をどう推し測るのか、そこがよくわかりませんが?
そういわれると思っていました。
先に、積み木の外周部をなぞって、線を引いてもらいましたね。積み木を取ったら、建物の外周線が残りました。ここがポイントで、今度は内側から生活シーンを思い浮かべてプランします。まずリビングの位置を決めてください。
その決め方のヒントは、デッキを配する庭に向って開くことです。そこをプランの臍(へそ)にして、生活シーンを思い浮かべながらプランニングします。その場合、ベースの中にどこまでを含むかが、あらかじめ想定されていれば、ゲヤ(出っ張り)に何を配するかがハッキリしてきます。そこで問題となるのは、外壁をどう配するかです。
先に、積み木の外周部をなぞって、線を引いてもらいましたね。積み木を取ったら、建物の外周線が残りました。ここがポイントで、今度は内側から生活シーンを思い浮かべてプランします。まずリビングの位置を決めてください。
その決め方のヒントは、デッキを配する庭に向って開くことです。そこをプランの臍(へそ)にして、生活シーンを思い浮かべながらプランニングします。その場合、ベースの中にどこまでを含むかが、あらかじめ想定されていれば、ゲヤ(出っ張り)に何を配するかがハッキリしてきます。そこで問題となるのは、外壁をどう配するかです。




2009/6/6(土)08:25
高井さん、サカタさん、コメントありがとうございます。犬山スクールは60名近い参加者による合宿スクールで、目からウロコの内容になりました。これからも、この取り組みをいろいろと紹介させていただきます。
積み木ですが、今回のものはchoさんの手作りによるものです。
いま、とある有名木工所で作ってもらうべく交渉中です。制作しましたら、参加メンバーの意見もお聞きして、販売するかどうか決めたいと考えています。参加型でやりたいので、販売する、というのが基本的な方向でありますが。
2009/6/6(土)06:18
いやぁー、おもしろい。こんなやり方があったなんて驚き。しっかりした構造と、それでいて自在な設計が渾然一体になっていて・・・。しかも、家族の変化にも対応できて・・・。
紹介されている積み木、手に入りますか?
2009/6/5(金)22:21
その三は、予想を超える内容で驚いています。こんなスクールを開き、みんなで勉強している姿も感動的です。おりしも長期優良住宅の開始が新聞で報じられていて、タイムリーですね~。拍手をおくります。パチパチパチ。