興味津々
興味津々・No.068
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テレビ・ニュースは、エコ・ポイントで大騒ぎの電器店を映し出している▼つい最近、鳥取県智頭で、町の中を流れる川で洗濯している人を見掛けたが、こういう人にエコ・ポイントは出ない。エアコンを入れないで、通風で涼を得ようという人にもエコ・ポイントは出ない。電化製品を買った人には出される。何がほんとうのエコなのか、本質論はみごとに捨象されている▼6月10日に麻生首相は、日本の温室効果ガス削減の中期目標を発表した。この中期目標なるもの、かなり変である。目標値は2005年比で15%削減だという。温暖化対策の基準年だった1990年比は一体どこへ行ったのか。マイナス6%ということで、ずっと掲げられてきた削減目標である。それが消えてしまい、15%削減という言葉が踊っている▼この数値は、05年比のものである。90年比でいうと8%に過ぎない。単純な数字の置き換えで、これで国民と国際社会を騙せると思ったら大間違いである。京都議定書で表明した6%からすると、わずか2%の上積みに過ぎないのである▼ヨーロッパ諸国の中間目標値は、90年比で17%〜26%なので、それと比較すると、先進国で最低レベルの内容である。政府は「限界削減費用」だという。日本の8%削減は、EUに比べて大きいと身勝手な理屈を展開する▼90年以降も温室効果ガスが増大し続けた日本は、05年基準にすれば削減幅が大きくなるのは当然である。しかし、日本は90年を基準年にした枠組み条約を提案した当事者である。それを今になって変更するやり方が国際的に通じるわけがない▼今回の発表では、総排出量の80%を占める産業界の削減規制には手が付けられていない。一方において、麻生首相は「国民に相応の負担をお願いする」ことを強調した。家を建てる人の70%以上に太陽光発電を導入するという▼太陽光発電の余剰電力を、現在の2倍の価格で買い取るのはいいとして、その増加分は消費者の電力料金に上乗せされ、政府の試算では光熱費は年33,000円程度増えてしまう。可処分所得の目減り分年43,000円を合わせると、一世帯当たり年76,000円の負担増になる▼15%削減などと、あたかも大きな目標値を打ち出したかのように偽りの宣伝を行い、その費用負担を家庭にしわ寄せようというのである。何とまあ、図々しいことよ▼送電線を使う太陽光発電だけでいいのか、という問題は捨てられている。この発表を受け、経済産業省は原発推進目標を発表した。原発を温暖化防止の重要手段と位置づけ、発電電力量に占める原発の比率を2007年度の26%から2020年時点で40%に増強するというものである▼原発に対して、電源開発促進税は毎年3千数百億円使われている。これに対して自然エネルギー利用に回される予算は微々たるもので、基本は受益者負担だという。ほんとうに温暖化防止をいうなら、太陽光発電の余剰電力買い取りだけでなく、総量買い取り制度の導入に踏み込むべきで、太陽熱・風力・木質バイオマスについても対象にすべきである▼産業界には、今回の90年比8%に不満をいう経済人が多い一方、太陽電池と原発産業関係者からは、この発表を「商機とすべき」だという声が出ている、という。
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